【感想・ネタバレ】医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学のレビュー

あらすじ

私たちは病院に、答えを得るために足を運ぶ。心身の不調の原因が明らかになり、それを取り去るすべが見つかることを期待する。しかし実際の医療現場は、私たちが思う以上のあいまいさに満ちており、期待した答えが得られない場合も多い。そんな時私たちは、医療者に失望するが、それは医療者も同様に悩み、考えるときでもある。本書は、医療者のそんな側面を、本人たちへのインタビューをもとに紹介する。病気になったとき、私たちは医療者とともにいかに歩むことができるのか。かれらの語りを通じて考えてほしい。

...続きを読む
4.0
Rated 4 stars out of 5
Rated 5 stars out of 5
Rated 4 stars out of 5
Rated 3 stars out of 5
Rated 2 stars out of 5
Rated 1 stars out of 5

0件 (0)

0件 (0)

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

医療者も悩みながら目の前の患者さんに対応してること、丁寧に描かれていました。
とても読み応えのある内容、おすすめです。

0
2024年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「話を聞くだけで看護」という言葉が、何もできない時の逃げ道のようで、好きではなかった。けど、この本でその重要性が説得力をもって書かれていた。

「標準化が不可能なそれぞれの患者の文脈に、医学という知を混ぜ合わせていく」「医療者の専門知と患者の人生の間に、再現性のない知を立ち上げる」「人間の営みが本来そのような再現性のないものである以上、医療という知もまた再現性のなさをはらむ」。
話を聞くというのはその過程で必要なことであり、医学の知と(治療しないことも含めて)融合させるところに目的がある。つまり看護においては、車の片方のタイヤだ。積年のモヤモヤがすっきりした。

あと、手術(科学)と呪術の話、漢方の歴史など、これまでボヤッと存在だけわかっていたものが解説されていて面白かった。

0
2022年10月02日

Posted by ブクログ

実際に現場にいても答えのないことばかりだし、evidence全盛とはいえ結局はnarrativeに一例ずつ向き合うしかないのが現状。

手術室でここからは清潔だとそこにいる皆が信じて動くのは呪術なのだという考えは面白い。

0
2021年01月09日

Posted by ブクログ

文化人類学者の観点から、現代の日本医療について分析する一冊。

内容は多岐にわたるので統一感はないものの、現場の意見が知れて勉強になった。

0
2018年05月24日