【感想・ネタバレ】大目付光三郎 殿様召捕り候 騒動のレビュー

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御庭番の行方は?

2024年04月03日

将軍家治は、前田加賀藩に不審な動きがあり、御庭番(隠密)3人を送り加賀藩の内偵に当たらせたが、いずれの者も行方不明になった。大目付朽木光三郎はこれら3名を見つけ出すように家治から命じられた。
3人の御庭番は岸田半左衛門と山中寛次郎、馬原三蔵という者である。
その内一人、岸田は本所の川で体中傷やあざだ...続きを読むらけの土左衛門で発見された。死体から大量の浮き草が出てきたことで、光三郎は奉行所と共に犯行現場を特定しようとした。そして加賀藩の支藩で上野七日市藩江戸下屋敷が怪しいと考えた。
光三郎と相棒の東雲又一郎は、その屋敷に夜回り中間として忍び込み、蔵に監禁された山中寛次郎を発見し救出したが、屋敷から出て間もなく弓矢を放つ一味に遭遇して、山中は矢に打たれ殺された。
更に、光三郎の相棒、又一郎が毒薬で殺されそうになるという事件が発生した。馴染みの禹湯で酒に石見銀山が仕込まれていた。禹湯には最近、富山の薬売りが顔を出していたのを光三郎は疑った。
富山藩江戸屋敷留守居役の江畑孫助は、嘗て本家加賀藩の財政の立て直しに手腕を振るい藩の危機を救った大槻伝蔵の一派である。もう15年も前の話だ。大槻は、藩主が代わった時、家老職を追放され五箇山に蟄居、更に藩主の側室と不義密通をしたという廉󠄃で切腹して果てた。江畑はその大槻派を本家に復権させようと目論んでいた。
これまでに、光三郎は一連の事件の詳細を掴んだ。
すなわち、加賀藩の過去の騒動が未だにくすぶり続けていること、この先加賀藩を探索する光三郎たちの命を狙う加賀藩とその支藩がいることが判った。
但し、弓矢を使う一味は偸(ぬすみ)組と呼ばれる忍びの集団で富山藩との関係は無いことも判った。そしてこの一味は第3の行方不明の御庭番、馬原三蔵に通じていた。
馬原は、前田藩江戸屋敷に侵入し、いたずらに藩の家臣を刺激した。加賀藩では長安という名の藩医となり藩内の大槻派を煽り、江戸にいては加賀藩に何の問題も無いと幕府の田沼意次に報告するのである。
江戸家老下役の刈谷玄蕃と本家の家老前田直躬は、いずれは前田加賀藩を乗っ取るつもりで、馬原の援助を歓待したのである。
馬原の母は、加賀藩主、吉徳の側室で真如院と呼ばれた人だが、江戸で既婚者あった時の子供が馬原である。馬原の母に対する加賀藩が下した罰を恨んで今回の混乱や事件を起こしたのであった。
難しい筋書きの時代劇だが、味わって楽しく読んだ。

#ドキドキハラハラ #怖い

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