あらすじ
戦争を続ける愚かさは、誰の目にも明らかである。
講和派としてレルゲンがイルドアに飛び懸命の外交折衝を行うも
失敗した場合の予備計画を巡りルーデルドルフ大将が暗躍。
これに異を唱えた盟友・ゼートゥーア大将は必要の女神に奉仕する。
『障害物は排除されねばならない』と。
義務。
必要。
友情。
何が正しかったのかすら、見えなくなる総力戦。
昨日迄の正義は、今日の不正義。
それでもすべては祖国の未来のために。
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Posted by ブクログ
これから読むのが少し怖くなりました。帝国にはもはや味方がいません。ターニャちゃんが最後にどうなってしまうのかとても心配になります。「ラインの悪魔」と呼ばれるほどですし、もしの場合はただでは済まないんじゃないかと思いますがどうなんでしょうか?
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ここにきて大ブレイクのゼートゥーア閣下。四面楚歌の劣勢において生まれた戦時の怪物。レルゲンやターニャも戦時のバケモノだが、閣下には及ばない。本作品は異世界転生ファンタジーではあるが、戦記物として極めて秀逸だと思う。
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1927年9月10日
ルーデルドルフによる予備計画=軍部クーデターによる政治権力の一元化&イルドア侵攻。
ゼートゥーアとの意見対立により、ルーデルドルフ暗殺をターニャに命じる。
1927年10月2日
暗殺計画は、連合王国の介入によりルーデルドルフの事故死に終わる。
ゼートゥーア大将は、作戦と戦務を兼ねて参謀本部へと返り咲くと、より良き敗北のための「予備計画」を発動、限界点を超えてしまったイルドア侵攻計画をすすめる。
レルゲン大佐は、極秘のイルドア外交が不首尾に終わった後、攻撃直前にカランドロ大佐に意味深な電話を入れることで、戦後交渉のパイプを残す。
1927年11月10日
サラマンダー戦闘団および203大隊、レルゲン率いる機甲師団は東部仕込みの戦場感覚で突破力重視の進軍を行う。
1927年11月16日
V-1による戦艦隊撃破。
11巻 Alea iacta est 賽は投げられた
10巻 Viribus Unitis 力を合わせて
09巻 Omnes una manet nox すべての人々をたった一つの夜が待ち受ける=死
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東部戦線でミラクルヤンならぬ詐欺師ゼートゥーア
による戦術で戦線を押し返したものの、狡知な詐術
では帝国に利する処は少なく、ルーデルドルフ大将
の禁じ手に執りつかれる
友人でもあるゼートゥーアはターニャに排除を命ず
るが、上級将校という人的資源の浪費を咎める一方
どうしても排除が必要であればクーデター首謀者と
して憲兵隊の活用(正規ルート)を進言する
※ココはターニャも究極の選択でしのいだ
ここから急展開で、戦争末期で閉塞感があった帝国
が生き生きと躍動する(*´▽`*)
匿名
予想通りに予想外
ベースが一次二次大戦ですので、まあある程度予想通りの戦況を見せていくわけですが
看板に偽りありな感じで幼女の意義が薄れてます。
いや、面白いんですよ。「幼女」戦記じゃないだけで。あの大佐やら将軍の存在感がこの世界を喰らい尽くしそうな感じ。
まあ随分前から予想出来てたとは言えますが、、、
Posted by ブクログ
いよいよ、終わりの始まりが近づいてきた帝国。ゼートゥーア大将の暗躍に荷担するターニャ。そしてルーデルドルフ将軍の戦死・・・。
そしてまさかのイルドアへの宣戦布告。
平和を謳歌しているイルドア軍に対し、戦争慣れしている帝国の圧倒的な機動力とサラマンダー戦闘団の猛威。帝国軍は開戦してわずかでイルドアの首都を攻め落とす勢いだ。
しかしこれで帝国は、東は連邦、西は共和国の残党、北は連合王国とのにらみ合い、そして南はイルドアと四方面での戦いを余儀なくされた。さらにイルドアへの宣戦布告により合衆国とも事を構えなければならなくなる状況。誰が見ても絶望的。
各戦闘では帝国は相手に負けないものの、総合的に見れば、人的にも物的にも底をつきかけている帝国の敗戦は火を見るより明らか。
いかにしてできるだけダメージの少ない、良き敗北を迎えるか。それがこれからの問題だ。
今回の見所は、イルドア侵攻の先鋒を任されたレルゲン大佐の切れっぷり。
指揮官先頭の弱点をもろに突かれ、先鋒軍を率いる将軍と参謀連中がいきなり戦死。突然、先鋒軍の最高位となったレルゲン大佐が軍を率い、デグレチャフ中佐を使い倒す。レルゲン大佐の命令で荷馬車のような仕事まで押しつけられるターニャ。これは今までに無い展開(笑)まさに11巻の一番の見せ場でしょう。
それにしても相変わらず面白いな、幼女戦記。敗戦までできるだけ活躍するデグレチャフ中佐を楽しみたい。
Posted by ブクログ
偉大な将軍の逃れえない死、致命的なすれ違いの外交、そして同盟国への攻勢。
いよいよ物語は終盤へ向かって行くが、読者の私は盛り上がるかと言うとそんなことはなかった。
第一に、主人公が自分の置かれた状況から逃れることばかり考えており、もはや物語の中心ではなくなっている。
第二に、この巻で起こる事件は明らかに第二次大戦中の事件をモチーフにしているのだが、あまりにそのままで捻りがない。例えるなら、スープを注文したはずが、野菜とレシピが乗った皿だけを客に出されたような。作者が手を抜いているとしか思えない。
第三に、主人公が悲壮な決意を固めたある人物に対して、その朋友を最も効果的な殺害を献策しておきながら、自分は「平和主義者」「常識人」と弁明を続け部下のキャリアを尊重する素振りを見せる白々しさ。サラリーマンのセンスを通り越した詭弁を見ているようだ。
前巻までの「予備計画」をめぐる軍高官の暗闘の方が、よほど読みごたえがあったと思うのは自分だけだろうか。