あらすじ
紫(むらさき)の上(うえ)との永遠の別離(わかれ)。最愛の妻は最期に幸せだったのか。晩年の光源氏(ひかるげんじ)は紫の上ひとりを愛し、静かに満たされた余生を過ごそうとする。しかし最愛の妻は、もはや彼の愛から解放されることを望んでいた。そして病床の末にこの世を去る。源氏ひとりを残して……。
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最愛の紫の上を悲しみの末に逝かせてしまった源氏の君。
幸せになれたはずの人生をなぜ自ら壊してしまったのか…。
深い喪失と後悔の果てに源氏の君は何を見るのか。
人間の愚かさ、また素晴らしさを仏教も交えて読者に問いかける永遠の名作。
Posted by ブクログ
紫の上の心の葛藤を乗り越えていく過程に胸をうたれました。この時代の女性たちは自らの力のみで生きていくことが難しく、それなりに社会的に力ある殿方に依らなければならない事情があったようですけど、そんな難しい時代の中で紫の上は精神的に自立していた素晴らしい女性だと思います。女であるが故に背負っていかねばならない苦悩を最終的には乗り越えて安らかに召されたように思います。彼女のみならず作中に出てくる女性たちの生き方は現代にも通じるものかあるのではないか?男と女の愛の有り様は、時代が変わっても根本的に同じなのではないか?とも思います。
私自身は光源氏のことは最後まで好きになれなかったけど、紫の上亡きあとの落ち込みようはかわいそうで、男は奥さんに先立たれると生きる力を失うのは昔も今も変わりないな、と思いました。生きてるうちに奥さんを大切にしなくてはいけませんよね。世の旦那さんたち。(笑)
光源氏が主人公だけど、私は彼と関わった女性たちが一人一人印象深くて、原作者の紫式部はたぶん、女の生き様をこういう形で描き出したかったのでしょうか?それとも大和和紀さんの漫画による素晴らしい脚色がそう思わせたのでしょうか?たぶんそのどちらでもあるのかも。。。?