あらすじ
緻密かつ大胆な犯行で警察を翻弄し、次々と銀行を襲撃していくレオたち。その暴力の扱い方は少年時代に父から学んだものだった。かつて彼らに何がおこったのか。そして今、父は何を思うのか――過去と現在から語られる“家族”の物語は、轟く銃声と悲しみの叫びを伴って一気に結末へと突き進む。スウェーデン最高の人気を誇り、北欧ミステリの頂点「ガラスの鍵」賞を受賞した鬼才が、圧倒的なリアリティで描く渾身の大作。
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Posted by ブクログ
(上巻より)
軍の倉庫が国内に点在するスウェーデンならではの犯罪の発端や、
盗難予防のインクに染まってしまった札束との格闘、
暴力的な父親と兄弟たち、とくに長男との葛藤と
今まで読んできた北欧ミステリーのなかでも、
秀逸な面白さ。
でも厳密に言うとミステリーとしての面白さというよりかは、
結局は実際の事件を実際の兄弟とともに描いた、
ノンフィクションとしての面白さなのであって、
ミステリーとしては反則技なのかもしれない。
それでも、ミステリー好きとしては読んだ方が良い作品だと思う。
Posted by ブクログ
【2026年14冊目】
罪は加速する。ついに爆弾事件にまで発展し、四人の男たちの絆が徐々に揺らぎ始める。突き動かされるように、計画にのめり込んでいく長男、距離を置き始めた次男と三男、疎外感を感じる幼馴染、普通に憧れるシングルマザー、そして暴力に染まっていた父。度重なる強盗事件の行き着く先とは――実際の強盗事件を元にした一作下巻。
下巻はより一層読むのが苦しかったです泣。それぞれの感情がめちゃくちゃ飛んできて、刺さる刺さる。どうしようもない父親でさえ、真に憎しめないし、長男は長男で闇が深すぎるし、次男と三男のやりたくなかったけど、かかわる選択肢のほうがマシだったみたいなのもわかるし、読んでて動悸がすごかった。
上巻は銀行強盗の描写ハラハラ〜とか思ってましたが、作者さんが本当に見せたかったのはそこじゃなかったというのが下巻でありありとわかって、というか作者の一人が銀行強盗犯の実の兄弟だと知ってひっくり返りました。そ、そんなことある?!
家族の在り方を考えさせられたというか、血は濃いというか、切ってもきり離せないというか、こんなに辛いなら、そもそも家族という形が間違ってるんじゃないかとまで思わされたり。警部の一件に関しても、最後の最後まで読者のハートにナイフを突き立ててくるやんて思いました。
精神的疲労がかかる話でしたが、なるほど選書していただいたのもわかるな、と思う一作でした。だが疲れました。
Posted by ブクログ
幕切れは呆気ないが、とても面白かった。
最悪の親父だが子供への愛は本物だったね。
チクリ野郎という言葉が最後までレオの鎖となっていたんだね。
お母さんがどんな心境だったのか知りたかったな。
これだけの犯罪を犯した三兄弟が刑期を終え釈放されて普通に暮らしているというのがまた…
Posted by ブクログ
読み終わってしまった…
割とあっけない幕切れ…
と思ったが、史実に基づいているし、こういった終わり方の方がある意味リアルなのかも知れない。
父も少年時代の周りの人も兵役も込みで、暴力というものに触れさせられ続けていると感覚が変わってしまうものなのか。
個人的には最終手段として持つのは良いと思うが、ひけらかすとなると、、
守りたいものがあったとしても考えてしまうものはある。
そして誰がドアを開けたせいで母が殴られたのかに関して、それぞれ自分のせいと本心から思っているあたり、本当に家族のことを思っていたんだなと…
ただ、父親は最後印象が少しはかわったものの、不器用がすぎてもはや同情できなかった(苦笑)
Posted by ブクログ
最初から、最後は破滅で終わるのだろうと思っていた。
だってこれ、実話をもとにしているのだもの。
怪盗ルパンや二十面相とは違う。
犯罪者をヒーローにするわけにはいかない。
だけど、彼らは本当に成功し続けた強盗だったのか?
確かに警察に尻尾は掴ませなかったが、いつも目標を下回る金額しか奪うことができなかった。
そのことについてレオは一度でも考えたことがあるのだろうか。
そしてレオは、家族は一致団結するのが当然と考えていたけれど、レオと弟たちは団結していたが、最初から一致なんてしていなかった。
レオにはそれが見えていなかった。
フェリックスが言ったとおり、彼らを統率するのが父親から長兄に代わっただけだったのだ。
どちらもフェリックスやヴィンセントの気持を考えるなんてことはなかった。
ただ黙って俺について来ればいい。
フェリックス21歳、ヴィンセント17歳。
ようやく自分たちの気持をレオに伝えて、彼らは袂を分かつ。
だけどレオはもう後戻りできなかった。
強盗することで得られる成功体験の依存症になってしまったと言ってもいい。
どう考えてもレベルの下がったチームで大仕事をやろうとしていたのだから、全く正気ではありえない。
レオは暴力を振るわないことを自分に課し、仲間に課し、それが守られることで自分を正当化していたけれど、銃を突き付けられた人は、命の恐怖にさらされた人は、決して消えない傷を心のうちに負ってしまったことにレオは気づくことができなかった。
なぜならレオにもその傷があり、その傷を見ないことでレオはかろうじて自分を支えてきたのだから。
父のイヴァンが自分の気持ちのままに暴力を振るって家族を従えてきたことが、結局家族の心を壊してきたのだ。
イヴァンがレオに「家族を頼んだ」ことが、レオの人生を狂わせてしまった。
たった10歳の子どもがどうやって家族を守ることができるのか。
父のとおりにふるまうしかないではないか。反面教師だとしても。
作者の一人、ステファン・トゥンベリは強盗に参加しなかった彼らの実の兄弟だという。
本当は4人兄弟だったのだそうだ。
レオはこの本を読んで自分や周りの人たちをどんな狂気にさらしていたか、これで理解できた」と語った。
自分を客観的に見ることができるようになったのなら幸いだと思う。
Posted by ブクログ
イヴァン最悪。最低。冒頭から人間のクズだが、最後の最後で最低な本性を現す。これほど愚劣なキャラクターに会ったことがない。ゲスの極み。物語は全編にわたりスピード感とスリルがあって引き込まれた。
Posted by ブクログ
不思議な家族の結束。
レオと父の関係は予想外だったな。嫌いなのかと思いきや、どこかで繋がっている。
兄弟間の結束も。子供時代を考えるとそこの結束は固くなりそうだけど。離れてもやはり繋がってる。
Posted by ブクログ
長男レオを中心に次男、三男の3兄弟と、友人のヤスペル、レオの彼女のチームで銀行強盗を繰り広げる物語。
現在の物語の中に、レオの幼少期が描かれている。
次男と三男がチームを抜けることとなり、親父をチームに引き込むこととなりそれが最後の仕事となって捕まったところで終わる。
物語としては銀行強盗の単純な物語なんだが、幼少期の逸話が入ることで物語の深みが増している。
ただ物語自体は評価ほど面白い訳ではなかったのだが、最後の解説をよんでビックリさせられた。
この物語は完全なフィクションではなく、本当にあった史実をもとに その犯人たちの本当の兄弟(事件に関与していなかった)が筆者と協力してこの本を完成させていること。
ほぼほぼ、ノンフィクションで描かれているという点がビックリさせられた。
Posted by ブクログ
長い。父親との確執に至る章を挿入する形式は取ってつけたような印象を受け、小説としては普通かなと思ったが、実際に起きた事件の再構築による物語ということ、更には翻訳者あとがきを読んで知った作者にまつわる事実(これはネタバレなんでしょうか?)を知るにいたり、すさまじい小説だと読後感じました。