あらすじ
かつて大阪に「伝説の専門紙」があった――。活字プロレスの元祖と言われるI編集長率いた『週刊ファイト』。著者がプロレスマスコミの番外地・ファイト編集部に迷い込んだのは82年。思い入れをもって追いかけたのがUWFだった。前田日明、佐山聡、藤原喜明、高田伸彦、船木誠勝……第一次、新日プロUターン、第二次、そして崩壊と激動の時代を駆け抜けた若者たちは何を考え、何を背負ってリングに上がっていたのか。紙面に書かれなかった「Uの実像」が初めて描かれる。特別収録対談として、前田日明との 「『週刊ファイト』と前田日明」も収録。
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Posted by ブクログ
以前読んだ『痛みの価値 馬場全日本「王道プロレス問題マッチ」
舞台裏』に続くプロレス激活字シリーズ第二弾。今回の著者は
波々伯部哲也という聞き慣れない作家さんだったのだが、読み始め
てすぐ謎が解けた。我々の間では既に伝説となっているタブロイド、
週刊ファイトの元副編集長にしてI編集長の懐刀であった人。
こりゃあすげぇ、ということで一気に読んだ。
いわゆる第一次UWFから三派分裂後、そして最近のカッキーエイド
のトピックまで、UWFにまつわるエピソードが多々。かなり踏み込
んだ内容なのにもかかわらず、最近出版されるプロレス本にありが
ちな暴露系の匂いは全くしない。その硬派で誠実とも言える文章は
正しく週刊ファイトスタイルであり、読んでいて懐かしさすら感じ
たほど。
特に第一次UWFという現象を実体験している僕には、当時知り得な
かった事実に心が震えた。あれからもう30年が経過しているにもか
かわらず、である。UWFという運動体のインパクトはそれだけ凄か
ったのだ、と改めて感じた。
しかし、だ。
良いか悪いかはともかくとして、この本で印象に残ったのは「UWF」
ではなく、「週刊ファイト」という恐るべき媒体であった。ファイト
は著名な編集者を何人も輩出しているが、ほぼ全員が良い意味でも
悪い意味でも”クセ者”(^^;)。しかし波々伯部哲也なら、ファイト
の正しい回顧録が書ける気がする。
是非とも次はファイトのみにフォーカスした作品を。
懐かしいなぁ、喫茶店トーク(^^;)。