【感想・ネタバレ】最果てにサーカス 3のレビュー

あらすじ

文学においてはけっして敵わないと思う
同志であり、親友である中原中也に対して
抑えきれない嫉妬の炎を感じてしまう小林秀雄。

その一方、中也の恋人・長谷川泰子への
恋情をおさえきれずに「俺と一緒に暮らしてくれませんか」
という禁断の言葉を口にする秀雄。

彼の言葉を受け入れた泰子は中也のもとを離れて、
秀雄とともに同棲することとなるが、
それこそが奇妙でいびつな三角関係の始まりだった…

事実を基にフィクションを交えて描き出す
『彼女とカメラと彼女の季節』月子氏の紡ぐ文学者達の
青く瑞々しく痛切な青春、第一部完結第3集!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

文学者の小林秀雄と中原中也。
実在する二人の関係を軸にした物語。

ストーリーに組み込まれ引用される中也の詩と、作者の美しい絵に引き込まれる。これはすごい。
また中也のカリスマ性や憎めないキャラクターも読む側を引き込む。

2人は泰子という女性を巡ってお互いに対立しながらも、でも文学を極めんとする「同志」として共にあり続ける。互いを意識し、傷つけ合いながら高め合おうとする。なんという業深く、そして楔のように痛ましくも強い関係だろう。それに圧倒された。

作中の中也の言葉が印象的だ。

''僕たちは生きている限り、
お互いをどこまでも傷つけ合って、
とことん地獄まで堕ちて掴むんだ―――
文学の''何か''を。''

第一部終幕ということだけど続きはやってくれないのかしら。すごく読みたい!

0
2017年03月11日

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