あらすじ
祖国中山は自分にとって小さすぎるのか――。楽毅の憂色は濃く、深い。四度にわたる隣国・趙の侵略。宰相だった楽毅の父は自ら望んで死地へ赴き、祖国は国土の大半を失った。趙の侵略はとどまるところを知らず、戦火が絶えない。が、祖国の君臣は方策を講じず、内外で声望の高まる楽毅を疎んじ続けた。苦難の戦いを強いられた楽毅はどこに活路を見出し、いかに理想の自己を貫いたか。
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Posted by ブクログ
いよいよ中山が国として危うくなってきている。王に才覚がないので、楽毅への暗殺が画策されるなどし、楽毅自身は、中山への愛着が薄くなっていく。
昔陽の守城戦の準備では、寝ていてもどこが危ういなど気づきがあれば、それをすぐさま対応し、戦いに備える姿など重要だと感じた。
また、『雲従龍、風従虎』という易経の言葉が学びがあった。”相似た性質を持った者どうしが互いに求め合う。 りっぱな君主のもとにはすぐれた臣下が現れるということのたとえ。”らしい。
有名な”先ず隗より始めよ”のシーンの背景が描かれており、勉強になる。
そこまで優秀ではない隗を厚遇することで、それよりも優秀な臣下が仕えに来るという助言である。これを郭隗、自分自身が言ったことが面白い。また、これが原因となったかどうかはわからないが、実際に楽毅など有望な臣下が集まってきたのも面白い。
Posted by ブクログ
小国・中山国を幾度も侵攻する大国趙。楽毅もその度、応戦を魅せるも徐々に領土を狭まれて行く。それでも中山を存続させるために東奔西走し、死地を掻い潜る。首都霊寿を攻め落とされたあと、楽毅はわずかな家臣と共に心の師として仰ぐ、孟嘗君に智慧を授かるべく、敵国斉に活路を見出し、進路を西にとる。
第二巻は文中にはほとんど出てこない孟嘗君への楽毅のオマージュが多数描きだせれている壮年期の物語とも云える。
Posted by ブクログ
趙の度重なる軍事侵攻により、中山国の首都・霊寿は陥落。暗愚であった中山王は没し、英明な太子が立ったものの、その太子も間もなく戦死。そのような状況の中、楽毅がゲリラ戦と外交戦を趙に対して仕掛ける第2巻。どんどん盛り上がっていて、続きが気になる。
Posted by ブクログ
・勇と智とをあわせもっているものは、攻めるときよりも退くときに、何かをなすときより、なにもなさないときにその良質をあらわす。
・諸侯がみずから師を選ぶものは王者となり、みずから友を選ぶものは覇者となる。自己に満足し、群臣が及ぶことのできぬところにいる者は滅ぶ。
・勇気とは、人より半歩進み出ること。人生でも戦場でもその差が大きい。
・孤独をつらぬくには勇気がいる。
・天からもっとも離れた所にいる者こそ、天の高さがわかり、天の恐ろしさも恵もわかるだけに、天祐を受けられる。
・何かを信じ続けることは難しい。それより、信じ続けたことをやめる方がさらに難しい。
・志が高いものは、それだけ困難が多く苦悩が深い
・歴史をしることによって自分の向こう側にある自分が見えてくる。
・からだで、皮膚で、感じるところに自信を置くことをせず、頭で判断したことに自信をしばりつけておくのは、賢明ではなくむしろ怠慢
・誰にでも過ちをおかすことがある。それを知りながら改正をおこなわないことこそ、過ちである。
・旅は何故という声を旅行者の中に育て上げる。
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