あらすじ
木下藤吉郎(豊臣秀吉)の手についた伊右衛門の出世は、遅々としてならない。そして日の出の勢いだった織田家に転機がきた。信長が本能寺で斃されたのである。跡目をねらう諸将の中で、いち早くとび出したのは秀吉であった。伊右衛門にも運がむいてきた。四十歳を目の前にして、彼はやっと大名になった、わずか二万石の……。
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Posted by ブクログ
木下藤吉郎(豊臣秀吉)の手についた伊右衛門の出世は、遅々としてならない。そして日の出の勢いだった織田家に転機がきた。信長が本能寺で斃されたのである。跡目をねらう諸将の中で、いち早くとび出したのは秀吉であった。伊右衛門にも運がむいてきた。四十歳を目の前にして、彼はやっと大名になった、わずか二万石の…。
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羽柴秀吉の麾下に組み込まれた伊右衛門だが、出世は遅々としてならない。本能寺の変で信長が討たれ、山崎や賤ヶ岳でも戦うが、歳下の加藤清正や福島正則に追い抜かれていく。小牧・長久手の戦いを経てようやく二万石の大名になるが…。長浜の地震で悲劇が起きる。
伊右衛門がちょっと行き詰まり、能力の限界が…。それでも千代に上手く操られて、徐々に出世してついには掛川六万石。千代の小袖の話とか大名の奥方の気さくな話は面白い。
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2作目は前半と後半でかなり印象が異なる作品に。
前半は秀吉の栄華を極める派手さがあったが、後半はその華美さが逆に不気味に思えてきた。千代の目線から見る時代の移り変わりや情勢が読みやすく描かれていた。
そのまま描写するよりも、千代目線で描くことで他にはない新鮮さと客観性がありおもしろいと思う。
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本能寺の変から、秀次の粛清まで。
相変わらず妻の掌の上で転がされる伊右衛門(山内一豊)。
ガムシャラに戦場を駆け巡るだけで、効率的な戦い方のできない伊右衛門は、千代のアドバイスを受けてもなお、出世がおぼつかない。
千代は神だよね。
未来のことはわからないといいながら、すべてが千代の思い通りに進む。
ただ、伊右衛門がそれを活かせないだけだ。
でも、それが彼の限界なのだとしたら、それを超えろとお尻を叩き続けるのが本当に幸せに続く道なのか。
千代は伊右衛門のことを支えていると思っているのかもしれないけれど、下から支えているというよりも、上から支配しているように見える。
そして私が千代について気に入らないのは、彼女の視界の中には、上の世界と自分達しかいないこと。
日常的な家臣への目配りのようなものがない。
ちょっとしか出てこない北政所はきちんと存在感を示しているのに。
もちろんこれはあくまでも司馬遼太郎が書く千代であって、本当は違うのかもしれない。
でも、後の土佐藩を見ると、やっぱり周囲の人に対する配慮のない夫婦だったのではないかと思う。
偏見だけど。
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第二巻。
前半は戦の場面が多くてちょっと食傷気味だけど、秀吉が暴君へと変化する後半は怒涛の展開。
ほんっと日本史全然知らないから秀吉の後継者をめぐってこんな争いがあったとはなーと興味深く読んでいました。
そして家康の狡猾さよ。
秀吉と家康とのやり取りがなかなかの見物。歴史の教科書だとここまで細かくはわからないもんなぁ。
時代小説の真髄を見た気がする。
そんな血生臭い世界での伊右衛門と千代とのやり取りが何ともほっこり。
もちろんほっこりできないシーンもあるんだけど、なんだかんだ言いながら仲良し夫婦だなぁとホッとできる。
時間では豊臣から徳川に政権が変わるのかな? 引き続き歴史の勉強込で楽しく読んでいきたい。
Posted by ブクログ
わずか50石から大名へ立身した山内一豊公の出世物語第二編。
青年~壮年期の一豊千代夫婦の語らいは第一編のそれよりも深く、腹のそこに抱えているものも非常に人間らしいところが共感しやすいです。
天下人・秀吉や家康を部下目線で考察するかのように描いているところも本書の魅力の一つだと思います。
また終盤は人間の弱さ、脆さを描いており天下をとった後の秀吉に対して、今までになかった気持ちが湧き上がりました。
Posted by ブクログ
信長が本能寺の変で自刃した後、秀吉が天下を取る。そして、秀次を切腹させ、妻妾らを虐殺するところまで。いよいよ太閤秀吉の時代も終わりを告げようとしている。
Posted by ブクログ
普通に面白い小説でした。
山内一豊の出世を描く、千代の内助の功の話。
伊右衛門は、木下藤吉郎(豊臣秀吉)の手についたが、出世は遅々として進まない。
そして、ついに時代に転機が訪れる。
信長が、本能寺で自害することとなったのである。
その信長の後継者を巡って対立することになる諸将の中で、いち早く飛び出したのは秀吉であった。
秀吉は、パフォーマンスと話術とで、あっという間に筆頭へと上りつめることになる。
秀吉についた伊右衛門にも、ようやく運が向いてきた。
伊右衛門は、四十歳を目前にして、ようやく大名になったのであった。
ただし、たった二万石の……であったが。
けれど、秀吉の天下も長くは続かなかった。
という話でした。
まあ、こういう話を読んで、だいたい、一番しっくりくる言葉って「諸行無常」なんだろうけど、その諸行無常の世の中の中で、決して積極的でも野心的でもない一豊を千代がどうやって支えていったのかを、楽しむ本だと思っているので、時代背景とともに楽しめれば、と思います。
まだまだ続き物なので、一豊がどうやって秀吉の元から家康の元へと移れたのか、そのあたりがわからないので楽しみにしています!