あらすじ
介護、投資詐欺、外国人労働者問題……。
「情念よりも論理」の元判事と、「走り出したら止まらない」創業社長の名(迷?)コンビが難事件をズバッと解決!
「静おばあちゃん」こと高遠寺静は、日本で20人目の女性裁判官で、八十歳となった今も信望が厚く、孫で大学生の円(まどか)と様々な事件を解決してきた。
今回、静おばあちゃんとコンビを組むのは「要介護探偵」こと香月玄太郎。
不動産会社「香月地所」を一代で築き上げた玄太郎は、名古屋では「立志伝中の人物」と言われ、口が悪いがみんなから慕われてる
(第8回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作の『さよならドビュッシー』や、『さよならドビュッシー前奏曲 要介護探偵の事件簿』に登場)。
静と玄太郎の老老コンビが5つの事件に挑む。
【第1話 二人で探偵を】大学構内でオブジェが爆発、その中から遺体が発見。
【第2話 鳩の中の猫】老人たちを騙していた投資アドバイザーを懲らしめるため、静おばあちゃんと玄太郎おじいちゃんが立ち上がる。
【第3話 邪悪の家】静おばあちゃんが、認知症の父親が徘徊して悩んでいるという男性の相談に乗ったところ…。
【第4話 菅田荘の怪事件】静おばあちゃんの同級生が、一酸化炭素中毒で死亡。事故なのか、他殺なのか。それとも自殺なのか。
【第5話 白昼の悪童】超高層ビルから鉄骨が落下事故して、玄太郎おじいちゃんが……。
解説・瀧井朝世
※この電子書籍は2018年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
今更ながら初めて読む作家さんでしたが、もっと早くに読みたかったと思うくらいに面白かった!!
静おばあちゃんも玄太郎氏も大好きです。
日本で20人目の女性判事であった静おばあちゃんの思慮深く品があり芯の通った言動も素敵だし、玄太郎さんのひたすら破天荒な、でも本質を見抜く目や強い信念も気持ちよかったです。どちらも言い回しが粋で格好良い。
個人的には3話目の昭三おじいちゃんの人柄も好きで、この方の行動の真相が分かると涙が出てしまった。優しいなあ。
玄太郎氏にしても静さんにしても、途轍もなく苦労してこられたからこその人柄ではありましょうが、こんな歳の取り方したいな、と思えるほど魅力的なお二人でした。続きがあるみたいで嬉しい!
Posted by ブクログ
子どもみたいに嬉しそうにパワーショベルを動かす玄太郎さんが可愛く見えてしまった。
よく怒鳴って怖い人だけど言ってる事は正論で情を感じるから憎めない。
静さんは「テミスの剣」に登場した時はかっこいい女性、正義感と信念の人というイメージで「静おばあちゃんにおまかせ」を読んだ時は温かさと情もある人だと感じて、この作品では正義感、信念、優しさ、情とさらに面白い人というイメージが加わった。
玄太郎さんと静さんの普段の掛け合いは読んでてクスッとしてしまう。
面白い作品でした。
Posted by ブクログ
静おばあちゃんと玄太郎おじいちゃんの中山ワールドゴールデンコンビが大活躍
自分に厳しく他人にも厳しい静おばあちゃん、玄太郎おじいちゃんと相性抜群かと思いきや、わがままじいさんと見なしてて面白い笑
ところどころ入る静おばあちゃん(またはみち子さん)の冷静なツッコミが結構ツボ
自分たちが同期であることを説明しようとする刑事さんに「お前らのなれそめなんぞ聞きとうない。そういうのは結婚式場でやれ」って玄太郎おじいちゃんが言うところが好きwワードセンスが天才すぎる
そんな中でも高齢者犯罪の増加、高齢者相手の詐欺、外国人労働者問題などの社会問題もしっかり扱われていてよかった。
第4話はテイストが少し違うけど、優しい物語でこういうのもよかった。
静おばあちゃんと円の最後の挿絵がよい。
Posted by ブクログ
題名からして、中山さんお得意のミステリなのだと推測。それの想像の斜め上に行くのがこの本でした。
法曹界出身の傘寿の女性と、矍鑠とした、口の悪い底意地の悪い車椅子のおじいちゃんが
仲良く謎解き……さにあらず。
静さんは人品骨柄この上なく素晴らしい。
逆に心地よいほどの罵詈雑言まみれ、地位名誉はあるけど何か欠損している(?)玄太郎さん。
これ程のキャラクターをメインに据えて謎は?
どれもイマイチなミステリーだったのが残念ポイント。推測の域内でした…
強き者より弱き者、富めるものより貧しい者〜の
立場に寄り添い謎を解いてゆくお二人。
で、
中山さんの本は他のシリーズともリンクしているのでソコのところをかつての読んだ本の中から明らかにしてゆくという楽しみがこれからです。
もう、だいぶ見当は付いてますが。楽しい読書タイムをありがとうございました。