あらすじ
ひとを神々に贄(にえ)として捧げる、そんないまわしい時代は去らしめねばならぬ。諸侯の協力を得て、周公を獄から救いだした望(ぼう)は、さらに機略を尽し周召同盟を成立させる。ここに叛意はととのった、宿望の日である。決戦の朝、望の号令が牧野に響きわたった――。未到の時空の光と風を甦らせる宮城谷文学の金字塔、完結篇!
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Posted by ブクログ
いよいよ最終巻。
本当に読み終わるのが惜しかった。そして読み終えた今は、とても寂しい。
このどっしり三冊、充実してます。
結局復讐だけではないんですよ。
誰かを助けたいとか、不平等のない世界にしたいとか、そのために旧弊はいらぬと、だから(恨みもあるせよ)王を倒さなくてはならなかった。
つ、続きほしい…!
斉に封ぜられた太公望のその後が知りたい…。(宮城谷さんの語りで)
下巻で登場して一気に私の心を奪った召公セキ。(漢字でない…)
太公望より一回りぐらい若い(設定の)ようですが、とても男気があってかっこいいのです。さすが。
さて牧野の戦いで周が商を破り、天下を獲ると、すぐに武王が崩御してしまい、早速の危機。やっぱどこの時代も国も、王朝が変わってすぐが危ないんですね。この危機を乗り越えた太公望は自分の舅がいる国の近くに邦をもらいます。そして師匠に出会うところでこの物語は終わる。
未来のある終わり方。
でももっと読んでいたかった…。本当にこの物語はいい。
理想を追い求める男子に読んで欲しい。おしゃれとかじゃないけど、かっこいいんだぜ!
歴史好きなおじさんだけに読ませとくには本当に惜しい。脇役まで血が通った、かっこいいお話。相変わらずすてき。
Posted by ブクログ
夏川草介氏が歴史小説として大絶賛していたので、読んでみた。商って、世界史で習う殷、中国史の一番初めに出てくる国、いわば黄河文明の国。そのころ日本でははまだまだ土器作れてるかどうかみたいな未開の地だったんだろうなぁ…的な昔を舞台にした小説。
500年以上続く呪術国家の商に家族を奪われた望が、賞を滅ぼす復讐と自民族が生きる小さな国家を作るまでの物語。必然的に、世界史学ぶ商(殷)の次の国、周が中原を制覇する物語でもある。
世界観も遡る時間もページ数も壮大で、読み応えばっちり。登場人物が多く、漢字一文字の名前ばかりで都市なのか人名なのか分かりにくくなる難点もあるが、慣れてしまうと、呪術や神が人間を支配する国家から、農業や牧畜などの原始的な経済活動と原始的な民主主義で力を蓄えた新興国家に政権が取って代わる物語は、これぞ大河ロマン。これに比べたら某国営放送日曜20時のテレビなんかは溝ドラマみたいなもん。
単純な勧善懲悪でもなく、複雑な古代中国史を縦断するので理屈の分かりにくさや不確定な記載もある上、もう30年近く前の小説なので、表現や展開の遅さ古さは否めないが、そこも味わいと思えてしまえる大作。
面白いというより、良い小説をしっかり読めたという感じ度読後感。