あらすじ
華やかな奈良の都で、国人は大仏造営の作業に打ちこんでいた。ともに汗を流す仲間たちと友情を築いた。短き命を燃やす娘と、逢瀬を重ねた。薬草の知識で病める人びとを救い、日々を詩に詠む。彼は、確かな成長を遂げていた。数え切れぬほどの無名の男たちによって、鉱石に命が吹き込まれ、大仏は遂に完成した。そして、役目を終えた国人は――。静かな感動に包まれる、完結篇。
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Posted by ブクログ
下巻。
都での出世を断ち自らの仏を彫ることに打ち込んだ師匠様と、世俗と出世におぼれた師匠の友人との対比が、著者の強いメッセージ。
主人公は、兄、友人、恋人、師匠様を亡くすも、また黙々と人足の仕事に打ち込むことを決意する。「己の仏を創る」ことを目指す。
古い時代の人間を描いた話であるのに、現代にも通じるメッセージ性が印象的だ。
Posted by ブクログ
国人の目線と登場人物の生き様を通じて生きるとはというところを考えさせられる
それとやっぱり言葉の持つ力ってすごいなぁーって
国人が字や薬草の知識を学んでいくところがステキだった
何を学ぶかもとても重要なことなのだと
苦難の中に喜びや驚きが点在しまた突然抗い難い残酷な一面を見せ付ける人生とはかくも感慨深いものだ