あらすじ
京の権力を前に圧迫され続けてきた東国に、ひとつの灯がともった。源頼朝の挙兵に始まる歴史のうねりは、またたくうちに関東の野をおおいはじめた。鎌倉幕府の成立、武士と呼ばれる者たちの台頭――その裏には、彼らの死にもの狂いの情熱と野望が激しく燃えさかっていた。鎌倉武士たちの生きざまを見事に浮き彫りにした傑作歴史小説にして第52回直木賞受賞作!
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Posted by ブクログ
大河ドラマ鎌倉殿の13人で登場人物のキャラが印象に残っているうちに読んだ。
悪禅師(阿野全成)・黒雪賦(梶原景時)・いもうと(保子=ドラマでは実衣)・覇樹(北条義時)の4編からなる直木賞受賞作。
悪禅師では亀の前騒動・義経追討・範頼殺害、黒雪賦ではまだごく初期に敗戦して隠れている頼朝見逃し・上総広常謀殺・義仲追討・義経を頼朝が嫌った原因は京好みの自分を差し置いて院に接近したことと説明・御家人66人からの弾劾状、いもうとでは婚約者義高の誅殺と大姫のやまい・比企一族殺害と頼家出家ねつ造・実朝と公暁・4代将軍三寅の世話人に保子がなったこと、覇樹では和田義盛とのいくさ・畠山重忠と稲毛重成とのいくさ・時政の追放・承久の乱「御家人の謀反ではない。上皇さまこそご謀反あそばされたのだ」、そして死亡。
改めて大河ドラマ鎌倉殿の13人がたくさんのエピソードを実に魅力的にうまくとりいれていたことを感じさせた、なんてったって直木賞の小説よりも描写が生き生きしてたのだから。しかし、あの大河ドラマがなければ、よくぞここまでコンパクトにおもしろくまとめたなあと思う。この小説を読んで、義時はほんと本音というか欲を出さずに生きてきたので、よくぞ彼を主人公にあそこまで面白いドラマが書けたものだと感嘆。あとどこにでも出てくる闇のキーパーソンが三浦義村。