あらすじ
浅草に夏がやってきた。和菓子は涼を求められる季節である。水無月、氷室、若鮎。そのうちのひとつ、清流の美を表現する若鮎を作ることになった栗田。これが富樫との思いもよらぬ邂逅をもたらす。はたして、彼の真意とは? いっぽう、若者の季節の到来に、それぞれの想いが交錯する。栗田は彼女らの想いを受けとめ、応えていくために奮闘するのだった。葵に影のようにまとわりつく過去の亡霊、富樫と決着をつけるべく。かけがえのない時をともに歩んできた由加が、新たな一歩を笑顔で踏み出せるように。物語はいよいよ佳境へ。
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Posted by ブクログ
ついに最終巻。今回はすべての謎が明らかになるからか、和菓子の話よりも人との話が中心だった気がします。
誰かが嫌な思いをすることもなく、綺麗に終わったのでよかったです。葵さんの、心の奥深くにずっとしまって隠していた辛い気持ちも解決したし、栗田さんもちゃんと想いを伝えられて、私まで幸せになりました。
そして和菓子を見ると、ついつい反応してしまうようになりました。なんだか和菓子が私の生活の一部になってしまったようです。
心がポカポカとあたたかくなる、優しい物語に出会えてよかった…
続編が出ているみたいなので、早く買って読みたいです。
Posted by ブクログ
過去を振り返って、失敗したと思うこと、後悔していることってあるけど、それを消化して魅力ある深い人間になっていくんだと感じた。若い時の失敗がなんだ! 考えてみると、失敗しても助けてくれる人は身近にいるもので。そういう人がいることを支えに、前向きにチャレンジできたらと思う。いろいろと、苦い経験した方が魅力的。伸びしろも大きい。そんな可能性を感じたお話でした。このシリーズ、連続して読んで、最近はすっかり和菓子ブームが来ています。こしあんなどは、とても手がかかられていると感じながら食べる時、幸せな気持ちになります。
Posted by ブクログ
移動のバスの中で一揆読み。
あいかわらずさくっといけるのがいい。
前回最後の真澄さんの件、みんなが知ることはどうやったら可能なのかと心配だったので、とても安心した。
葵さんの抱えてたものも、まずは決着と言ってよさそうだし。
栗田の気持ちもきっちり伝わったしね。
よかった、よかった。
Posted by ブクログ
シリーズ完結!
短編のシリーズなのに、長編をひとつ読み終わったかのような読後感で、すごーく満足。
第一巻から、ゆっくりとだけど確実に進んできた葵さんの正体と過去の謎が、こんな風に濃い展開になるなんて。
でも、良かったな。すべてスッキリ解決して、真澄さんの死が自殺ではないことも、ちゃんと葵さんに伝わって、栗くんの告白も成功して、きっちりHappyEnd。
由加ちゃんの想いは叶わなかったけど、栗くんにはちゃんと届いたし、浅羽くんは最後までイイ奴だったし、ほんと、ほんと、良かったなー。