あらすじ
「とんだ変態野郎じゃん」 平凡なフリーター・三崎(みさき)はタチの悪いヤンキー・釧路(くしろ)に執拗に狙われる日々を送っていた。会えば顔が腫れるまで殴られ、ウンザリするばかり。しかしその一方で、三崎の体は興奮に震えるようになっていく。そんな三崎の変化に気づいた釧路は、彼を暴力的に犯し――? どん底からスタートするドSヤンキーとドM平凡のボコり愛ラブ!
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「殴り愛」の極北のようなストーリーなのに、名作として愛され続けている本作。
最初は、くだらない因縁をつけられたのをきっかけに、顔を合わせるたびに殴られて、殴られる側もその行為に背徳的な快感を覚えて……という関係だったのが、いつしか体の関係も持つようになり、関係が深くなっていくにつれて暴力はなくなっていき、というのが本作の大筋です。正直に言うと、初めて読んだときにはピンとこない部分がありました。
暴力でつながっていた2人からどうして暴力が失われていき、それでもなお一緒にいるのでしょうか?
しかし、新刊が出るごとに読み返し、自身も年齢を重ねていく中で、不思議としっくりと理解できる瞬間が訪れました。2人が出会い共に時間を過ごす中で、関係性や接し方が変わっていくのが“恋愛”なんだ、と。さらに、その変化の根底には恋情だけでなく、人間としての成長もあるのがエモくて、読み返す回数を重ねるたびに三崎と釧路のことが愛おしくなり、『スニーキーレッド』がかけがえのない作品となっていきます。
暴力でしか感情を出すことができず、自身もその衝動に苦しんでいた釧路が、三崎と出会ったことで衝動をコントロールできるようになり、三崎も釧路に顔面を殴られて無断欠勤するような無責任・無気力バイトだったのが正社員になり――と、破滅的な関係から始まった2人が互いを救い合うようにして幸せになっていく姿が尊いオブ尊い……!
「殴り愛」的なアブノーマルな関係だった2人が丸くなっていく話、とも少し違っていて、暴力でしか対話できなかった2人が色んなコミュニケーション方法を身に付けて世界を広げていく成長物語なのだと思います。闇の腐女子にも光の腐女子にも読んでほしい、尖っているのに全方位対応型の作品です!
感情タグBEST3
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1巻は痛々しい描写が多いです。暴力だらけ、血だらけ。2巻は就活によるスレ違いで精神的にキます。3巻はやっと2人の関係がここまできたか…と思えるほど幸せです。
Posted by ブクログ
イラストが好きでずっと見てたので、とっても楽しみにしてたたなとさんのコミックス!
カバーから最後までミサキさんの表情が、まいどまいど堪らなかった・・・気付けばハルのほうがミサキさんにずぶずぶはまっていくのがすごく好きな構図でとってもかわいかったです。
あとずっと「ミサキさん」呼びなのとか、こいつ可愛いなーと思いました。
それとすごくおしゃれなので、ふしぎなセンスのミサキさんのTシャツとか可愛くて楽しい(笑)
このシリーズ大好き!
何回も読み直してます
スピンオフも好き〜❤
暴力的で親にも見放されてる金持ちボンボン×普通に生きてきた自覚なしのドM
最初の出会いもたまたま殴ったというもので、普通なら警察沙汰にするか逃げます。
ただ、普通を気取ってる受けは無自覚に近づいちゃいます💦
この子全然普通じゃないです
最初甘さは全くないですが、後半甘くなります。
攻めはこの受けに出会えて本当に良かったですね
大好き
大好きです、何回も読み直してる
独特な絵柄と、「ボコリ愛」という痛々しいお話なので一番最初に読んだ時は合わないなぁと思ったけど、この2人と周りの人たち、そして2人がくっつくまでの話の作り方や盛り上げ方がほんとに上手で、今まで読んだBLの中でも上位に入るくらい好きです。
Posted by ブクログ
SMなBLです。合わない人もいるかと思います。
この手の話はとても好きなのですが、途中で攻めが受けを好きになってSプレイという行為を躊躇い葛藤する、という展開めちゃんこ好きです。
不安定で暴力的なハルと天性のMでお節介な三崎。互いに目が離せなくなって、離れられなくなって丸く収まったんだなぁ…二人の引力めいた関係がとても良いです。心情も細やかに描かれていて美味しかったです。
また周りのキャラも味があって好評価!出会えて良かった作品です☺️
絵はそんなに好みではありませんが、ストーリーやキャラ設定がものすごく好みで、大変面白かったです。特に最初はただの暴力だったのに段々と二人の気持ちに変化が現れるところがとても良かったです。
痛々しいけど
痛いのがいいって凄い性癖だなと改めて思います。ハルも頑張って痛めつけてるのだと思うときゅんとしてしまいました。段々と打ち解けていく様子や、キスするところ、ドキドキしました。
Posted by ブクログ
独特な雰囲気と絵柄の作品です。
どうしても絵柄が好きになれない人など、賛否が分かれるかもしれません。はじめは絵柄が好みでなかったので、購入を迷いましたが、結果買ってみて良かったです!
今まで私が読んできたBLとは、一味も二味も違ったBLで新たな扉を開いてしまいました。絵柄も最初感じていた不安はなんだったのか、という感じですっかり好きになりました。細かいところまで描き込まれており、受けのピアス跡の描写には驚きました。また、表情や目の表現が雰囲気があって好きです。モノクロであるにも関わらず、何色も使われているような気分になります。
社会で生きていく上で、どこか欠けている二人のCPだと思います。そして恋という言葉から無縁な二人が揃って、何故だか恋になってしまうような…。やっていることはお世辞にも微笑ましいとは言えませんが、気持ちや考えの面は恐ろしく微笑ましいです。攻めが受けに関心を抱いていく流れにキュンキュンします。しかし、受けはサンドバッグ始まりなこともあるのか、全くの無理解。攻めの言葉足らずさもあるのでしょうが、攻めの行動に疑問ばかり残しています。やることはやっている体からの関係、それも暴力からですが、精神面から徐々に恋を募らせ温めていく様がたまりません。最初は、ただのサンドバッグとヤンキーの関係だったのに、ここまで変わる!?と興奮しました。この人たちはきっとこの相手でしか穴や傷を埋めることはできないと思います。恋なんてもってのほかです。もっと二人の成長というかイチャイチャが見たいです!
痛そう
平凡なフリーターの青年と暴力性の強い大学生の青年が織りなすドSとドMの倒錯的なラブストーリー。
主人公のフリーター青年の三崎隼人はある悩みを抱えていた。
数か月前に年下のガラの悪いヤンキーに絡まれたとき、下手に下手に出ずに応戦してしまって以来会うたびに殴りかかるようになってきた。
最近は執拗に顔回りをねらうようになってきたそのヤンキーを、三崎はなぜか避けられないでいた。
面子がかかっているわけでもないし、傷つくようなプライドを持っているわけでもない。
逃げればいい叫べばいいと思っていながらもなぜかその行動をとらないのだった。
攻撃をよけようとせず、そのヤンキーにばったりと会いそうなルートを避けない自分にだんだんおかしくなってきている自覚を持つ三崎。
最近はあまりにも顔のアザがひどくマスクでも隠せないため無断欠勤をしなければいけない状態になっているある日そのヤンキーにいつものように殴られた三崎はその興奮を相手に悟られてしまうのだった……。
いろいろ読んだBLの中でもけっこうぶっ飛んでいるなぁと思った作品だった。