「私の名を残せ 王の名だ」
1450年代のイギリスでは、ランカスター家とヨーク家が王位継承をめぐる「薔薇戦争」を繰り広げていた。ヨーク公爵リチャードの息子として生まれたリチャードは、実の母に「悪魔の子」と呼ばれながらも、父や兄たちと王冠をヨークのものにするため戦っていた。一方ランカスター朝ヘンリー6世は、戦いで血が流れることに苦しみ精神を病んでいた。そんな2人がただのリチャードとヘンリーとして出会い、友情とも愛情とも言えるものが育っていく。互いの運命を知ったとき、2人は何を思うのか。30年に渡る戦いの中を生きる2人から、一時たりとも目が離せない…!
「他の人と違う」リチャードにとって「父の名をもらった」ということが、心の支えになっていたのは間違いありません。しかしそれと同時に枷にもなっていたのだと思います。父を自分の光であり、生きる意味だと考える彼が、その父の亡骸に対面し口づけたシーンには鳥肌が立ちました。王の名を継いだ者は、必ずしも王冠を求めなければいけないのか、一人の人間としてただ生きていくことはできないのか、リチャードの幸せは何なのか、多くのことを考えさせられる作品です。
感情タグBEST3
ジョージが。酒に突っ込んだ状態で放っておくと思ったところにイザベラと再会。意外といい最期。
べスのとびっきりの意地悪な笑顔がいい。敵に務まらないでほしい。
展開の怒涛で目が回る通常モードの「薔薇王の葬列」です。
Posted by ブクログ 2018年01月27日
誰も彼も心がすれ違っている印象の巻。
宮廷は異様な空気の中、着実に悲劇が重なっていく。もっと他の方法はなかったのかと思わずにはいられない。リチャードの魔性の美しさは、知らず知らずのうちに周りの人間を狂わせているんだろうな。
バッキンガムはリチャードの秘密に気付くか?ケイツビーの決して叶うことのな...続きを読むい一途さが悲しい…