あらすじ
「おれはピッチャーです。だから、誰にも負けません」巧と豪のバッテリーが、横手二中の最強バッター・門脇、瑞垣らと対決する試合の日が近づいていた。強い自信を持つ巧、なやみ続ける豪。試合はどうなるのか――!【小学上級から ★★★】
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いよいよ最終巻。巧と豪は、バッテリーとしても一人の人間同士としても、すれ違う気持ちをこじらせながらも、お互いに向き合って本音をぶつけ合うことを諦めない。
一方で、頭が良すぎるがゆえに本音を素直に出せなくなった瑞垣と、彼を純粋に信じながらも巧との勝負にしか集中できない門脇。こちらは交わす言葉が噛み合っているようで、最後まで気持ちがぶつかり合わずにいた。
新田東は、横手に勝てるだろうか?
最終巻にして、その結末は描かれずに終わる。
私は野球というスポーツにまるで興味がなく、用語もさっぱり分からない。それでも最後まで、続編のラストイニングも読みたくてしかたがなかったのは、このシリーズは勝敗にこだわるスポーツものではないからだ。野球を軸に人が出会い、成功も失敗も泥沼もすべて引き受けて成長していく、人間ドラマとしての面白さがある。野球そのものへの理解はさほど必要ない。才能と努力、大人と子どものもがき、それらを岡山の方言やのどかな情景が静かに支えている。
「お前がキャッチャーじゃなくても良いんだ」
巧が放ったこの一言は、豪を「キャッチャーでいなければならない」という執着から解放し、ひとりの友人としての歩み寄りを促す。
豪は巧と違っていくらでも言葉を尽くせる人間なのに、巧との関係性だけはうまく言葉にできず、巧を否定することしかできない。しかし、巧はそんな豪をありのままに受け入れる。バッテリーでありたいが、バッテリーでなければならないわけではない。そんな表現しかできない巧に、豪もまた、巧の不器用な思いやりをそのまま受け入れられるようになったのだ。
彼らのたった1年間の紆余曲折に、ピリオドがつく最終巻。勝敗が描かれないのは、そういう物語ではないことを伝えたかったのかもしれない。ただ、あまりにも不完全燃焼に感じたなら、ぜひ続編のラストイニングも読んでほしい。勝敗を6巻よりも細かく試合を描き、その後のことも少しは描いている。瑞垣が嫌いだが、どこかで報われてほしいという気持ちになれば、ぜひ。
Posted by ブクログ
大好き!
焦燥感。切ない。
読み終わりたくない、と強く思った。
ずっと読み続けていたかった。
巧の成長がかっこよかった。
野球、いいな。わたしは、中高のとき、こんなに打ち込んだものはなかったな。