【感想・ネタバレ】大学の誕生〈下〉 大学への挑戦のレビュー

あらすじ

日本の大学はどのような経過をたどって生まれたのだろうか。そのダイナミックな展開をつぶさに描く本書の下巻は、東京と京都の帝国大学との距離を縮めようとして、官立・私立ともに専門学校などの高等教育機関が充実してゆくありさまを見る。帝国大学はその数を増し、一方で、専門学校はそのなかに序列を生じていった。そしてついに、大正七年の大学令の成立により、現在につながる大学が誕生するのである。

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Posted by ブクログ

独特の語り口調で、帝国大学やその他大学の日本での黎明期の経緯が幅広く概観できる。
資料が文語体で読みにくいところもあるが、かえって臨場感を増していると言えるかも知れない。
是非とも、続編としての新制大学への移行についての歴史も大いに期待したい。

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2014年10月19日

Posted by ブクログ

分量に圧倒されながらもなんとか読み終えた。
今日の諸問題に解決を試みるときに、大学が歩んだ歴史を参照することは有効な手立てだろう。
以下は、大学職員として意識しておきたいこと。

・・・・・

明治後期の高等教育機関の設置は、ヨーロッパの産業の発展を見て、
日本も科学専門教育の拡充を意図した。

に帝国大学は取捨選択の末、ドイツ型への大学に一歩を踏み出した。
札幌農学校の例をみてもそう。P.65

慶應義塾はリベラルアーツを実践。

P.128
修養のための大学 菊池大麓
大学に「修養に重きを置くもの」と「学術技芸の専攻に重きをおくもの」の2種を設ける。この2種を兼ねさせることもできる。
「学芸大学校」(リベラル・アーツカレッジ)
イギリス・モデルでもドイツ・モデルでもない、両者の「間を行く」
高度の専門教育と、人間形成教育とが併存し統合された、
大学と高等教育システムのあたらしい形が、理想。(P.130)

アメリカの大学はイギリスから人物養成のリベラルアーツ・カレッジから出発し、
問いいつの学術の教育・研究の場としての大学院を創出した。
加えて職業大学院(プロフェッショナル・スクール)も開設。
この三者が一体化したものが、アメリカの総合大学。(P.132)

町人の教育=修養≒ヨーロッパの高等教育=修養教育
武士≒イギリスの紳士

目新しい言葉と感じる高等普通教育も、
精深なる程度において高等普通教育を行う旨の専門学校の規定がある。

第1幕 finale P.354
大学令・高等学校令と併せて
人格形成と国家思想の涵養への配慮が要求
「大学は、国家に須要なる学術の理論及応用を教授し、(及)並其の蘊奥を攻究するを以て目的とし、兼て人格の陶冶及国家思想の涵養に留意すへきものとす」

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2019年01月16日

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