あらすじ
町でささやかれる怪しげな噂は、大きな出来事の前ぶれだった。1人が狂い、2人が燃えあがり、5人が密議をめぐらし、そしてみんな取り憑かれていく。暗い夜が育む悪意の芽。ついに明らかになった、ピョートルの真の狙いとは。「ドストエフスキーの全小説中、もっとも謎をはらんだ部分(訳者)」といえる第2部。アカデミー版「スタヴローギンの告白」初訳を含む新訳決定版。
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Posted by ブクログ
一巻では何が起きようとしているのか分からなかったが、二巻でようやく把握できてきた。気づいたときにはもう遅いという事態になりそうだ。
二巻なのに登場人物がどんどん増える!でもその分人物像に深みが増すので、なくてはならない人々なのだ。
主要人物は誰も彼もが拗れた事情を抱えていて、敵か味方かと簡単に振り分けられないリアルな複雑さがたまらない。社交界のしがらみや利害関係、親子の不和など、人間関係に読み応えがあると感じた。
チーホン神父とニコライの会話が特に面白かった。自ら破滅に向かおうとするニコライと、別の道をすすめる神父。罪というものの捉え方と、自分を許し他人に許してもらうことが人生にどういう意味をもたらすのかを考えてしまう。
Posted by ブクログ
<登場人物>
ユーリヤ夫人
スタヴローギン
ピョートル・ヴェルホヴェンスキー
ワルワーラ夫人
マリヤ
リプーチン
シャートフ
キリーロフ
舞台
【物語】
スタヴローギンは、マリヤ・チモフェーエヴナと結婚している。
[レビュー]
狂言回しとしてのピョートル・ヴェルホヴェンスキー。
会話劇が面白くもあるのだが、婉曲的な物言いが、具体的に何の事を意味しているのか、僕にはわかりづらかった。
名作とされている作品の一つであるが、当初、内ゲバを描いた作品であるとの予想の激しい描写は無く、物語は会話劇を中心にゆったり動き、亀山氏の翻訳は読みやすいのだが、僕には面白味がわからなかった。