あらすじ
都市を支配する勢力の抗争に端を発した拷問殺人の背後には、闇の軍属カトル・カールの存在があった。ボイルドらの熾烈な戦いと捜査により保護拘束された娘、ナタリアの証言が明らかにしたのは、労組対立を利用して権力拡大を狙うオクトーバー一族の影だった。ついに牙を剥いた都市システムにより、次々と命を落としていく09メンバーたち。そしてボイルドもまた、大いなる虚無へと加速しつつあった――暗黒と失墜の完結篇
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった…!
最後まで読み切り、登場人物ほぼ全員が死んでしまったことを思い、ちょっと笑ってしまった。読んでいる最中は悲しいのだけどね…
ボイルドがいかにしてあんな怖い男(スクランブルのボイルドは本当に圧倒的だった)に至ったのかを、知れた気がする物語。
魅力的な主人公だった。壮絶。おまはん、1人で全てを背負いすぎや。私はこのシリーズで、ディムズデイル=ボイルド大好き人間に生まれ変わりました。
最後までウフコックのことを考えていた描写が切ない。ドクターにも「ウフコックの側にいてやってくれ」と言っていたんだね…
次作ではシザース、ボイルドの娘がキーになるのかしら。頭おかエリート一族・オクトーバーの血筋は完全に死に絶えたのか?ワクワクが止まりません。
Posted by ブクログ
面白すぎてページを捲る手が止まらず寝不足。
O9はボイルド以外みんな死んじゃうんだろうなと思ってたけど想像よりも色々壮絶だった。
これはボイルドじゃなくても虚無に走りたくなるわ……
ナタリアが酷い死に方しそうで怖かったけど思ったよりずっと穏やかな最期で泣いた。
ウフコックへのボイルドの思いでまた泣けて。
まさか大勢シザースがいたとは……
でもシザースになったおかげでボイルドはナタリアと再開出来たんだろうし、娘ちゃんともコンタクト取れるだろうしちゃんと復讐も果たしたしでハッピーエンドと言えなくもないのかな。
フリント結構好きだったのにたいして掘り下げもなく死んじゃったのが残念だった。
凄惨な描写が多くて読んでて辛かったけどすごく人間をちゃんと書いてるというか、テーマがしっかりしている感じがした。
あとがきの作者の執筆時の状況がまた壮絶。
Posted by ブクログ
09法案をめぐる都市での対立。ボイルドが虚無に落ちるまでを描く。ナタリアの証言により明らかとなったオクトーバー一族の陰。そして、そのために次々と命を落としていく09メンバー。
都市によって殺されたと言える最愛の女性と仲間たち。それに抗うことができずに虚無へと落ちていったボイルド。ウフコックを眠らせることなく一緒にいたならば、またちがう展開もあり得たのではないか。と悲しくなってしまう終わり方だった。
マルドゥックスクランブルでは、イースターが最期の事件を簡潔にバロットに聴かせていた(事件関係者を片っ端から殺していった、と。)が、やはり、見方を変えればボイルドの行動も致し方ないところがあったのかな、とも思えた。
ボイルドがどんどん追い詰められていく過程が辛い。オクトーバー一族という歪で巨大な得体の知れない怪物に振り回された物語であったと感じた。
スクランブルと比べてスケールが大きかったけど、あくまでもボイルドの物語として終わったのがよかった。
一回で理解するのは中々にムズい
スクランブルで詳しく語られなかったボイルドの過去。想像していた何倍も過酷でしたが、最後まで事件を諦めなかったボイルドの姿に感動した。またマルドゥックスクランブルを読みたくなった。