あらすじ
さいたま市で治安悪化に対応する夜間緊急警備班が発足。班長の若林警部は、部下の失態で出世街道を外れた男。仕事の虫で部下を無能扱いする彼は、若手刑事から煙たがられる存在だ。ある夜、放火現場へ急行し、初動捜査にあたる。翌日、繁華街で発見された惨殺死体が、放火と関連があると睨んだ警備班は……。凶悪犯を追う熱い刑事魂をスピード感溢れる筆致で描く警察小説。待望の「検証捜査」兄弟編!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
今作の舞台となる組織はNESU
主人公は若林祐
俺が全てだと言わんばかりの傲慢さ
ついていきたくない上司No.1
検証捜査から始まるシリーズとしての主人公は桜内省吾
今作でも落ち着いてストッパー役、緩衝材
心労が絶えないポジション
喧嘩、放火、薬物、殺人、テロと
これでもかという程の事件が次々と起こる
翻弄される若林率いるNESU
若林に翻弄されるNESUと言ってもいい
NESUは夜専門の緊急警備員班
捜査担当ではない為、入ってくる情報が少ない
自分勝手に進めた捜査で得た情報を加えて
部隊を指揮する若林の姿に呆れた
事件解決後の桜内が若林に言った『心が伝染した』という言葉を考えると
若林の行動で『青山』という人間が生まれ
その『青山』の心が若林に伝染…
若林は『青山』になってしまうのかと一瞬思ったが、それは無いだろう
若林が良心をもった人間でいられるのは間違いなく家族の存在である
作品序盤では感じられない家族への想いが男らしい
大宮駅に馴染みがあり、あの辺りかなと考えながら作品を読み面白みが増した
検証捜査の兄弟編とのレビューを見て読みました。
当然、検証捜査特命班メンバーの桜内が主役だと思っていたのに、なんと主役はその上司、若林。
部下に恵まれず、彼らの失態続きでほぼほぼ出世の道を絶たれてしまった気の毒な男です。
が、この若林、それでめげる様な男ではありませんでした。
空気を読まない、野心や情熱をたっぷり持ったウザいおじさん刑事だったのです。
前半は、若林一人が空回り・暴走している感じが好きになれず、読むのも停滞してしまいましたが、中盤から後半、特にラストにかけては流石の迫力とスピード感で、あっという間に読み終えてしまいました。
好きなれないキャラの主役若林でしたが、何故か憎めない、まぁしょうがないかと許せてしまう不思議な男で、終わり良ければすべて良しって事です。
桜内も控えめに活躍していたし、なんと神谷も登場したりで、こんな展開も有りですね。
言うの忘れてました。面白かったですよ!