あらすじ
W映画化原作! 繊細な感動に満ちた傑作2編
“泣ける方のスティーヴン・キング”の珠玉。
人生の不思議とよろこびを静かに描く傑作2編。
近所に住むハリガンさんはアメリカでも有数のお金持ちだった。その屋敷に出入りすることになった九歳の僕にハリガンさんが送ってくれた宝くじ付きのカードが、三千ドルの当たりになった。そのお金で僕はスマートフォンをプレゼントすることにした。それが不可解なできごとを引き起こすとは知らず……。子供と老人を描かせたら随一の名手が、ハートウォーミングな物語と奇譚とを交錯させる「ハリガンさんの電話」。(映画化題名『ハリガン氏の電話』)
世界に静かに終末が迫るなか、町のあちこちに出現する「ありがとう、チャック!」と書かれた看板広告。それは何を意味するのか? チャックとは何者なのか? 物語は過去へとさかのぼり、若き銀行員チャックはボストンの道端でドラムを叩くストリートミュージシャンと失恋したばかりの若い女性と出会う……。人生のかけがえのなさと大いなる喪失を三部構成で描いた“切ないキング”の面目躍如たる「チャックの数奇な人生」。(映画化題名『サンキュー、チャック』)
現代最高のストーリーテラーが人生の“不思議”と“感動”を描いた中編2編!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ハリガンさんの電話とチャックの数奇な人生が収録。どちらも大変面白くとにかく読んでみて欲しい!
「ハリガンさんの電話」
扱いきれない力を与えられた現代の我々の物語かと思った。
今の時代ハリガンが言う様にスマホはこれまでのルールを破壊してしまった。これまで特権階級のみが扱えていた、例えば株式変動をリアルタイムで確認できる事やメディアという機能を個人が扱える様になった事などを全ての人が限りなく安価に扱える様にしてしまった。そしてスマホは時に人を死に追いやることもできる。これは誇張なしに神話の神々に匹敵する力と言っても良い。
作中の二人のキングの物語の世界観だとハリガン霊が原因とも取れるし、作中言及されていた「プトレマイオス的世界感」であり、全く関係ないのかもしれない。(メッセージは唯のエラーに主人公が意味を与えただけかもしれない。)
しかし我々は自分の行動を常に顧みないといけない。ネットに不適切な発言を書き込まないことを徹底するとこはできても、このテクノロジーを手放す事はできないのだから。
「チャックの数奇な人生」
細々と書くととてつもなく長くなると思うので、2章を中心に書く。
人生を全うするという事はかなり創作的な行為である言って良い。本来生物の目的は生存と自己複製だ。しかし人間のみが中途半端に脳が発達してしまったので、それに意味や意義を求める様になった。
創作活動というもの万人にできるものではなく、人生においても偶に現れるトップクリエイター(織田信長であったり、アインシュタインの様な人)は後世に残る意味や意義のある生涯を創作できるが、多くの才能を持たない庶民にはそれができない。残酷なことを言うのであれば歴史的には何も意味も意義もない人生に、個人的な注釈を入れる事が精一杯だろう。トップクリエイターのそれと比べれば紛い物であると言って良い。
この物語の主人公であるチャックは特に不満のない人生を送っていた。最愛の奥さんがいて今まで浮気を考えたこともなく、聞き分けのいい息子もいる。それなりに幸せながら自分が特別な才能がないことを理解し、分相応の生活をしている。彼が後世に残る所業を行う事はないだろうし、実際になかった。
2章最大の謎というのは「何故チャックは踊ったのか?」ということだ。それは彼がしっかり人生と向き合っていた結果だとというのに他ならない。
彼も理解している通り、あそこで踊っても何もならない。もしかしたら一瞬YouTubeなどで話題になるかもしれないが、すぐに忘れられなんの影響も残さないだろう。
踊った理由は、もしかすると(彼は少年期に自分の死際を見てしまう体験をしているので)自らの生い先の短さを無意識ながら理解しているからかもしれない。祖母を偲んでかもしれない。大成しなかった自分の不甲斐なさゆえかもしれない。けど私が思うに本当の理由は自らの(意義のない)人生に花を添える努力をしたかった為ではないか。それは世間になんの影響を与えないかもしれないが、その行為に価値はないのだろうか?芸術というものは紛い物を本物にしようとする情熱があるからこそ、時に本物より価値を生み出すのではないか?
彼は彼なりに精一杯努力をして生きた。これを「彼は人生を全うした」という言葉以外でどう表現すれば良いのだろう?彼はやり遂げたのだ!
(3章での「チャック素晴らしい39年間をありがとう」という言葉は、彼が最期に強く意識した結果だろう。叶うなら私もこんな最期を迎えたい。)
Posted by ブクログ
映画「サンキュー、チャック」を見て、しっくりこなかったところがあったので、原作も読んでみました。
もうひとつの「ハリガンさんの電話」も面白かったです。
Posted by ブクログ
キングの新作が読める幸せよ。
長編のイメージがあるキングだけど、短編も味わい深い。
チャックの数奇な人生は3、2、1幕と遡ってチャックとは何者か、彼の人生の意味を探る物語になっています。
一度読んで繋がりが理解できず、でも戻って読み直すと、ああ、チャックって、そういうことかだったのかと気づく。チャックよ、全然数奇じゃないよ。あなたの人生。Life is beautiful。愛に溢れた、素晴らしい世界があなたの中に。じんと来ました。
もう一つの中編、ハリガンさんの電話は怖いような奇妙なような。こちらも好きでした。
Posted by ブクログ
長編のキングも良いけれど、中篇でもこの読み応え、さすがです。
表題作のチャック、不思議な世界観。
ハリガンさんの電話の方がどちらかといえば好み。
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだキング作品だったが、やはり面白かった。特に『ハリガンさんの電話』が印象的。少年と老人の温かな交流から、じわじわと不穏な空気に変わっていく展開が見事。「イフ・イット・ブリーズ」は、 “If it breathes” だと思っていたが、実際は “bleeds” 。編集部覚書によると「流血沙汰になれば、トップニュースになる」という、アメリカのメディア界で使われる言葉らしい。次巻に収録される“If it breathes” のホラー感に期待。
Posted by ブクログ
表題作のチャックの数奇な人生は、少し不思議な世界観の話。
ハリガンさんの電話の方が圧倒的に好みだった。
実際には幽霊なんてありえない。と思いながらも、本当はハリガンさんが殺してしまったのかもと思いながら生きていく。その葛藤だったり、恐怖だったりがとても面白かった。
Posted by ブクログ
気になる映画の原作なので読んでみる。中篇小説が2つ収録されている。前半の『ハリガンさんの電話』は若干ホラー気味だが老人と少年の交流を描いた話。後半の『チャックの数奇な人生』は映画life of chuckの原作。キングらしい人生賛歌。
Posted by ブクログ
ハリガンさんの電話
かなり泣けた。
ハリガン氏と主人公の絆を感じて。でもそれだけじゃない不思議な要素もあって楽しめた。
チャックの数奇な人生
誰しもの人生にもそれぞれの輝きがある、と思わせてくれる話。
映画も観たけどどちらも余白があって素敵だと思った。
Posted by ブクログ
スティーヴン・キングの中編集。
『ハリガンさんの電話』と表題作『チャックの数奇な人生』が収録されています。
『ハリガンさんの電話』は、少年と偏屈なおじいさんという設定がキングらしさを感じます。ハートウォーミングでありながら、ホラー要素もある内容が私好みでした。
『チャックの数奇な人生』は、第三幕から始まり、第一幕で終わるという構成にも仕掛けがあり、少しわかりにくい部分もありました。ですが、読み終わったあとに頭の中で整理してみると、「なるほどなぁ」とじんわり切なくなりました。
キングの長編を読み慣れている方には少し物足りなさを感じる作品かもしれませんが、キング初心者にはオススメです。
Posted by ブクログ
スティーブンキングの小説、初めて読んだ!
キング原作の映画は好きで山ほど読んでるが小説は初めて。
中編という事もあってか、読みやすかったし面白かった!
ちょうど、ストレンジャーシングスを一気見した後だったから、舞台であるカントリーアメリカがイメージしやすかった。
1話目のハリガン老人の話は泣けるヒューマンかと思いきやホラー要素もありで秀逸だった。
2話目のチャックの奇妙な人生は、どことなく藤子不二雄を彷彿としてしまった。若干、ストーリーが繋がらなくモヤモヤしたが、雰囲気だけでも良かった!
映画を見て補完する事にしよう!