あらすじ
ライアン・ゴズリング主演、2026年公開の映画原作!
未知の物質によって太陽に異常が発生、氷河期に突入しつつある地球。ひとり宇宙へ飛び立った男は、人類を救うミッションに挑む!地球上の全生命滅亡まで30年、人類の命運を賭けた一大プロジェクトに挑む宇宙飛行士の奮闘を描く、極限のエンターテインメント!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
掛け値なしに面白い!
アンディ・ウィアーのSF小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』上巻の詳細なあらすじです。
ネタバレなので、未読の方はこれは読まないで文庫本をお取りください。
本作は、現在進行形の「宇宙船でのミッション」と、主人公の記憶が戻ることで明かされる「地球での過去(回想)」の2つのタイムラインが交互に交錯しながら進みます。
## 現在
主人公は、真っ白で無機質な部屋のベッドの上で目を覚まします。身体中に無数の管が通され、ロボットアームに介護されている状態ですが、自分が誰なのか、ここがどこなのかという一切の記憶を失っていました。
コンピュータからの質問や、部屋の設備を使った簡単な物理実験(物体が落下する速度の計測など)を繰り返すうち、彼は自身の科学的知識を総動員して現状を分析します。
部屋の重力が地球の約1.5倍であること、隣のベッドにいる2人の同行者(男性と女性)が、すでに死亡してミイラ化していること、ここは地球ではなく、宇宙船〈ヘイル・メアリー〉号の内部であること、など。
そして、自分の名前がライランド・グレースであり、元々は中学校の科学教師、その前は優秀な生物学者であったことを思い出します。
## 過去の回想
グレースの記憶が徐々に蘇り、彼がなぜ宇宙にいるのか、地球の凄惨な現状が明かされていきます。近未来、太陽の活動エネルギーが指数関数的に減少していることが発覚します。原因は、金星と太陽の間を往復しながら太陽のエネルギーを喰い荒らす、未知の微小宇宙生命体でした。グレースはこの生命体を「アストロファージ(星を喰うもの)」と名付けます。
このままでは地球は30年以内に氷河期へ突入し、人類の半分以上が餓死します。この未曾有の危機に対し、国連は凄まじい行動力を持つ女性エヴァ・ストラットに全権を委任。彼女の指揮のもと、全地球の資源と技術を結集した人類救済ミッションをが始動させます。
調査の結果、近隣の恒星のほとんどがアストロファージに感染している中、なぜか12光年離れた恒星「タウ・セチ」だけが感染を免れていることが判明。人類は、アストロファージが莫大なエネルギーを蓄える特性を逆手に取り、それを燃料とした超高速の恒星間宇宙船〈ヘイル・メアリー〉号を建造します。目的はタウ・セチへ向かい、なぜその星だけが激変を免れているのかを突き止め、そのデータを地球へ送り返すこと。
しかし、燃料や往復の物資の限界から、このミッションは生きて地球へは戻れない片道切符の旅でした。グレースは当初、研究者としてこのプロジェクトに参加していました。
## 現在
記憶を取り戻したグレースは、自分が人類の命運を一人で背負っている現実に圧倒されながらも、宇宙船を操作して目的地である「タウ・セチ」の恒星系に到着します。
そこで予想だにしない事態が発生します。同じくタウ・セチの軌道上に、地球のものではない別の宇宙船が浮遊していたのです。相手もまたアストロファージの脅威に晒され、救いを求めてこの星系にやってきた異星の船でした。
グレースの船に接近してきたその宇宙船の主は、5本の脚を持ち、全身が岩のような外骨格に覆われたクモに似た姿の生命体でした。グレースは彼のことをロッキーと名付けます。
ロッキーの種族はエリダニ星からやってきて、地球人とは全く異なる生態を持っていました。
目がなく、周囲の状況を音波で認識します。大気は超高圧のアンモニアで構成され、和音のようなメロディで会話をします。
しかし、ロッキーは非常に優秀なエンジニア(技術者であり、グレースは科学者でした。二人は科学と数学という宇宙共通の言語を足がかりに、猛スピードで互いの言語を解読し、意思疎通を可能にしていきます。ロッキーの船の仲間は全員死んでおり、彼もまたグレースと同じく最後の生き残りだったのです。
お互いの孤独と、自らの母星を救うという目的が一致していることを知ったグレースとロッキーは、深い信頼関係を築きます。
そして、二人はそれぞれの船をドッキングさせ、一つのラボで共に研究を始めることにします。アストロファージの脅威から地球とエリダニを救うため、タウ・セチの謎に挑もうとします。
本当におもしろい!
Posted by ブクログ
一つ一つテンポよく謎が解けて行った先が宇宙人との遭遇という部分で衝撃だった。
そしてそこで終わらず協力して事態を打開していくのも面白い。
Posted by ブクログ
本格的なSF小説は難しくて苦手なのだけど、様々なメディアで激推しされていたので、久しぶりに読んだ。
とても面白かった。子供の頃親しんでいた冒険活劇のワクワクを大人になって久しぶりに思い出した。
宇宙船内の構造など、想像が難しい場面もあったけど、とにかく主人公グレースが魅力的。科学者なのでものすごく頭が良いというのはもちろんなのだけど、気の良い近所の兄ちゃんといった感じでとっつき易い。ジョークを挟みつつ、直面する課題に観察・考察・実行の手順で一つ一つ解決していく様が心地いい。その過程で少しずつ記憶が蘇ってくる点も読んでいてワクワクする。
科学的な説明や実験の様子も、面白い先生の授業を受けているような気持ちで読める。
読みながら応援している。
片道切符の旅でありながら、案外楽しく宇宙船ライフを楽しんでいるグレース。しかし、目を覚ましたら亡くなっていたルームメンバーの存在が、ふとした拍子にグレースの心をチクチクと刺す。
冒頭は名もなきミイラだったものが、記憶を思い起こすたび仲間の輪郭を帯びていくのが辛い。あの性別も分からないようなミイラは同じ使命を任された大切な仲間だった、というのが色濃く思い出されていく。仲間が死んだことを実感すると、自分は今、死が確約された運命を一人で辿ることになっている、という事実がふっと頭をよぎる描写に胸がきゅっとなる。
だからこそ、未知生物ロッキーとの出会いがとても印象的だった。
メッセージの送り合いと読み解き合いで意思疎通を図り、出会ってからはお互いの生命環境の擦り合わせと共通言語を着々と確立していく。
人間・グレースもエリディアン・ロッキーも頭がいい。頭がよい者たちの試行錯誤は美しい。
宇宙人との出会いを、こんなに現実的な(現実にありそうな?)ワクワクする形で見せてくるとは思わなかった。宇宙人との遭遇で興奮しているグレースに感情移入しつつ、ロッキーのことを知っていくうちに、彼もきっと同じように未知生物との出会いに興奮していたんだろうなと思うと、なんだか嬉しくて気恥ずかしいような気持ちになる。
私はすっかりこの冒険に夢中になっている。
映画公開中の読破には間に合わないかもしれないけど、読めて良かった。下巻もとっても楽しみ。
Posted by ブクログ
太陽の出力が落ちた原因を取り除くために向かった星系で、異星人とファーストコンタクトする話。
アストロファージという微細な生物が太陽のエネルギーを食っているために問題が発生していることが分かるが、その生態を探っていく様や、性質を利用して宇宙船の燃料に応用したり、放射線への防御に使うなど随所に絡んでくる辺りが面白い。
お話自体はライランドが宇宙でロッキーと会う話と、エヴァが宇宙船を飛ばす準備のために強権を発動させまくる話が交互に進む。前者はまったく性能が違う人間と異星人が相互理解をするための交流を行い、互いの問題解決を進めようとする辺りが良い。後者は目的を達成するためなら何でもアリな状態の無双を楽しめる。
2つの時間軸が交差しないまま前半は終わってしまったが、何か仕掛けでもあるんだろうか。
後半も気になるところ。
Posted by ブクログ
あまりに壮大な物語。難しい言葉がたくさん出てきて全てを理解するのは無理だが、ざっくりの流れを掴めればオーケー。ワクワク感が物語の推進力を担保している。
ストーリーラインはまさかの方向に向かっていく。これをどうやって実写化したんだ?
とにかく面白いので下巻へ…!
Posted by ブクログ
いろんな本好きの方が読んでいる印象があったので、買ってみた。
私には何となくしか掴めない細かい理論で殴ってくる感じ、これぞSF!
どこまで正しくてどこからフィクションなのだろう…笑
いつでも計算を始めてしまう主人公の研究者肌が面白さをプラスしている。
どんどん思いがけない方向へ話が進んでいくから下巻も楽しみ。
Posted by ブクログ
映画きっかけで読んだ。
冒頭読んでから、確かに小説版から読んだ方がいいな!と思った。すこしミステリー的な、「そもそもここはどこなのか?」という推理から始まるんですな
映画のグレースよりもさらにポジティブでウィットに富んだ人だなと感じた。ビビりにくく、すごく生きる力に溢れている
Posted by ブクログ
映画が面白かったので原作も読みました。
科学的なことは難しくて理解しきれない部分があったけど、映画で疑問だった部分の説明が詳しく書かれているのはとても良い。
ロッキーが出てくると急激に面白くなる。下巻も楽しみ。
Posted by ブクログ
ハードSFのイメージが変わる
記憶が少しずつ戻るにつれて状況がパズルのピースのように繋がっていく過程には、読んでいてゾクゾクします。
ハードSFと聞いて身構えていましたが、主人公が必死に状況を紐解いていく様子が非常に軽快で、難しい専門知識も気にならないほどの面白さです。
特に驚いたのが、未知の「黒い点々」を最新機器で調べるシーン。「万が一があったらどうするの?」とハラハラするような危険な状況下でも、恐怖を好奇心で塗り替えて果敢に調査を進めるグレース博士の姿には、思わず見入ってしまいました。
冒頭の痛々しい描写から一転、今は人類の命運を懸けた壮大なミッションに完全に心を掴まれています!