あらすじ
大事なのは理想の絵に近づくこと――信長の世から秀吉の世へ。
絵師の勢力も権力とともにうつろう。狩野永徳との対決、
そして永徳の死を経て長谷川派は隆盛を迎える。そこに突然の悲劇が。
「松林図屏風」誕生の真相。
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Posted by ブクログ
松林図屏風があまりにも有名な長谷川等伯。どんな天才かと思いきや(勿論才能はとんでもないけど)、人としてはあまりに愚直で正直過ぎ、地の文で「側からみれば馬鹿」とまで言われるほど。失敗と反省を何度も何度も繰り返して呆れるが、いつのまにか惹きつけられる。父をも凌ぐ絵師であった息子久蔵や、妻の静子、後妻の清子、禅の師匠だった宗園や、利休…そして大きな壁であった狩野永徳。皆のことが愛おしく思える読書でした。泣けた〜
Posted by ブクログ
戦国の浮き沈みの厳しい世の中で、ライバルとして張り合う等伯と永徳。
永徳の等伯に対する妨害は読んでいて呆れる程徹底している。
家柄といい才能といい、絵師として生まれながらにして恵まれている永徳。
それなのに、そんなにも等伯の才能が憎いのか。
永徳と比べ実直で不器用な等伯。
次々に不遇に見舞われ絶望しても、本質を見極め納得のいく迫力ある「松林図」を描き上げる様は圧巻だった。
妥協を許さない男、等伯。
あの利休が気に入るのも納得。
今や国宝となった「松林図屏風」を見てみたい!