【感想・ネタバレ】青が散る(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公は大学でスポーツに打ち込み友人たちに囲まれ、一見リア充のようにも見えるが、本気で惚れた女には言いたいことの半分も言えない、今の何者でもない自分に対する不安にただ今はテニスに直向きに打ち込むしかないという部分にはいじらしさや青春の影を感じた。
主人公はその潔癖さ故に結局は夏子を受け入れず、主人公だけが最後まで若者だった。しかしそれも直ぐに喪われてしまうのだと思うとなんだか切なくなった。

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2023年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

燎平のテニスの成長ぶりに目を見張った。
また、ガリバーの躍進ぶり(歌手だけでなく私生活も)も非常に驚いた。
一方、安斎の死は非常に残念でやり切れなさを覚えた。
そして、燎平と夏子の関係は今後どのようになるのだろうか?

最高の一冊でした!

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2021年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大学生という立場で読んだので、また大人になったら違う感想を持つのだと思う。大学生のうちに一度読めて良かった。
男女の価値観が古くて受け入れたくないなあって思うところも多かった。「女だから、結婚したら亭主と子供を好きになる」とか。
結末はハッピーエンドとは言い難いけれど皆何かにひたむきになっていて、きっと大人になって思い返すと「間違った」とは言っても後悔はしなさそう。
きっと青春ってほとんどの人にとって、いっぱい悩んで、後から「悩むのも大切で、時間が巻き戻ってもほとんど同じ事するだろうな」って思って、キラキラした物だけじゃなくても肯定出来るような物かなあって思った。自分もきっとそう思うような道を進んでるように思うから、幸せだなあって思った。

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2021年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上下巻一気読みでした。
色々と後悔することもあるし、間違った選択もするけど、それら全てひっくるめて”青春”なのだと思わせてくれる小説。

燎平や金子のような不器用で真っ直ぐでどこか潔癖な感じも、
夏子のように小さな世界の中で負け知らずで、自信に満ち溢れててどこか傲慢な感じも、
祐子のように内に秘めた激しさを周囲には見せられずに、装って振る舞いながらバランスを保とうとする感じも、
安斎の宿業と闘う苦しみもわかる気がする。
そういう部分が自分にもあったなと感じるし、自分だけじゃなかっただろうなとも感じる。

”あの頃は青かった”とか”多感なお年頃”とか言う年代の登場人物の心情をこんなに面白く書ける著者の宮本輝は凄いと感嘆。ともすれば、つまらなくなってしまいそうな内容なのに。文学的なことはよくわからないが「瑞々しいってこういうこと?」と感じました。

ー若者は自由でなくてはいけないが、もうひとつ、潔癖でなくてはいけない。自由と潔癖こそ、青春の特権ではないか。ー<引用>

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2017年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「きょ年の十一月に、六甲の駅で、燎平私に訊いたでしょう? 夏子は男の人を知ってるのかって。私、正真正銘の処女よって答えたの覚えてる?」
 燎平は桟橋に坐って、海に足をひたしたまま、傍らに立っている夏子を見あげた。
「でも、いまは違う。もう何遍も何遍も、田岡さんに抱かれたわ。真っ裸にされて、何遍も何遍も田岡さんに」
 燎平は、自分の顔が紅潮しているのか青ざめているのかわからなかった。白くふやけたように見える海水の中の足を見つめて黙っていたが、それきり夏子が口を閉ざしてしまったので、そっと顔をあげた。夏子は瞬きひとつもせず燎平を見下ろしていた。

「夏子が泣くとは思えへんかったな。なんで泣くんや。田岡がその程度の男やっちゅうことを見抜けなんだ自分の馬鹿さ加減に腹が立って、それで泣くんなら話はわかるけどな。こんなふうになっても相変わらず毅然としてる女やて、俺は夏子のことを思うてたんや。電話でめそめそ泣きだされて、ざまあみやがれいう気分や。俺が、どんなに夏子を好きやったか、夏子はちゃんと知ってたはずや。その俺に、あのホテルの下の入り江で何て言うたか覚えてるか? 真っ裸にされて、何遍も何遍も抱かれたって言うたんやぞ。ひどいことを平気で言うたのは夏子のほうや。田岡が温かみのない、冷酷な男やとしたら、夏子は人を思いやる心のないはすっぱな女や。そんなお似合いのカップルが、なんで別れてしもたんか、俺には不思議でしょうがないよ」

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2017年02月19日

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