【感想・ネタバレ】機械仕掛けの愛 1のレビュー

あらすじ

本を愛する刑事、最強の兵士、子育てのベテラン、失敗ばかりのダメ店員……ココロを持ったロボットたちの愛情と葛藤、そして“人間”を描きだす、切なくて温かいオムニバス!!

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Posted by ブクログ

【人の在り方を見せつけるロボット達の悲しい物語】

皆さん、今週末は壮大なテーマを優しい描写で包み込んだ作品
を大切な方と一緒に読んで、もう一度お互いの愛情を再確認して
みませんか??

そんな今回は福岡県が誇る人情漫画家の業田良家氏の傑作、
『機械仕掛けの愛』をご紹介します。

この作品の主人公は表題通り機械であるロボットをメインに
据えながら、そんな彼らが活躍する近未来の世界感を背景に
人間の切なさ、愚かしさ、そして深い愛情を淡々とした描写
で書き連ねているのが特徴になっています。

上記に加え短編集であるが故にストーリーが凝縮されており、
特徴的な描画を全面に押し出す事で暖かい雰囲気を醸し出し、
読者の心を大きく揺さぶってくれるのです。

この作品を読むと、もしかして”心を持つ”事は不幸なのでは
ないか、と思ってしまう方もいるかも知れません。

それはこの作品に収められている九話全てが言いようも無い
深い悲しみに覆われているからです。

第一話の『ペットロボ』の女の子は何故寂寥感を持ったのか?
第五話の『罪と罰の箱』のボノボの正しい行いの結果とは一体
何だったのか?
第八話の『リックの思い出』のリックは人の死に当たり何を
思い行動したのか?

そういった哲学的な問題にまで踏み込み、あくまでも人間の
代用品として心を持たず、感情すら無いロボット達の行動を
通じ、道徳観が薄れ、正しい行いすら理解できず、同じ人間
なのに他人を憎悪し、蔑み、あざ笑い、蹴落とす事に快感を
覚える・・・

生まれた時には誰もが持っていた人を思いやる心、人に対する
愛情をいつの間にか無くして迷走し続ける現代の私達を辛辣に
批判しているのです。

購入した本作品には帯がついていました。
それにはこう書かれています。
『ロボットのワタシも泣いてもよいですか。』

本作に描かれているロボット達以上に『人間味を持っている』
と自信を持って断言できる方は私も含めてほとんどいらっしゃ
らないと思います。

そんな人として一番大切な心を無くしたロボット以下の私達が
『人間である』と公言できるのでしょうか?

こんな時期だからこそ人として存在できる定義、『他人を思い
やる心』を今一度再確認してみては如何でしょう。

読後、涙でボロボロになってしまった妻を見て更に愛おしく
思った・・・むうでした!!

PS:TWITTERでフォローさせて戴いている方の中に、本作の
帯文を書かれた担当者の方がいらっしゃいます!!
機会があれば・・・応援してあげてね!!

1
2015年01月26日

Posted by ブクログ

第1話の「ペットロボ」でいきなりやられた。この切なさは反則だ。
「ロボット小雪」を読んだ時も感じたやるせなさ。
人間の、人間たる所以を、ロボットと対比してみせることで明確にしてる。
「ロボットが心を持ったら」という設定は、アトムを生み出した日本人だから思いつくんだろうか。
部屋を掃除してまわるルンバにすら、心を想定してしまう。

なぜ人間にはできないのだろう。小雪がしたようなことが。ペットロボがしたようなことが。介護ロボが、執事ロボが、神父ロボがしたようなことが、どうして人間にはできないのだろう。

崇高さと卑小さ、矮小さが同居するのが人間なのだろう。そして、崇高さはたやすく卑小さに負けてしまう。
負けてしまうことを「人間らしさだ」とごまかしてしまっている。

でも、ロボットがそこまで優秀なら、人間はいらなくなってしまう。
いらなくなってしまっていいのか。踏みとどまって崇高さに近づこうとしなくちゃいけないんじゃないか。

でも、今のままならロボットに支配されたほうがマシなのかもしれない。

まだ1巻なので、続きが楽しみだ。きっと、打ちのめされるだろう。

1
2012年07月31日

無料版購入済み

レビューを参考に読み始めたら、レビュー通り素晴らしい作品でした。一話一話心に残る作品ばかりで、哲学的な部分もあり、ずっと自分のなかに留まり続ける作品になると思います。

0
2022年09月30日

無料版購入済み

どの話も素晴らしい

ロボットを題材にした短編集です。どの話も素晴らしく、感情を揺さぶられます。ロボットの話ですが、人間の性質について描かれていて、考えさせられます。

0
2021年02月27日

Posted by ブクログ

近未来で、ロボットが普通に人間と共存する世界の悲喜こもごもを描いた作品。

『ペットロボ』から『グレイト・シード』まで、9篇の短編集。それぞれ味わいのある作品です。

持ち主に飽きられたペットロボの「まい」。
かつて愛された記憶を頼りに、優しかった女性〝お母さん″を探すが、そこには...

病人に尽くすことを喜びとする介護ロボ。
親しくしていた患者さんが亡くなり、遺言状で、全財産を介護ロボに譲ることに。
莫大な遺産を相続し、働く必要もなく、悠々自適の生活を手に入れた介護ロボの取った判断とは?

特に、『リックの思い出』は、かつてロビン•ウィリアムズ主演の映画『アンドリューNDR114』にも似た流れで、つい涙がほろり...

ロボットの記憶って、単なるICチップだけではないのでは?と思える作品群です。

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2020年12月04日

購入済み

この作品を読んでいると星新一の小説を思い出します。
温かい話もあり、悲しい話もある素敵な漫画です。
1話完結漫画なので途中の巻からでも楽しめます。

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2020年07月31日

Posted by ブクログ

ツイッターのTLで見かけて読んでみました。ロボットの話なんだけど、どれも人間が重なる。いろいろな社会問題が描かれている。
すごいですね。
第1話のルミちゃんはほんとに泣きました。

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2018年01月07日

Posted by ブクログ

安定の業田クオリティ。
ロボットを相手にするがゆえに人間のエゴがむき出しになったり、逆にやさしさがにじみ出たりする。
とても切なく、心に残る物語。

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2013年11月17日

Posted by ブクログ

ロボットと人との交流が時に切なく、時にコミカルに、時に残酷に描かれる。読み終えて優しい気持ちになれる、愛おしい作品群。「リックの思い出」にほろりとした。

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2013年09月17日

Posted by ブクログ

人間でない機械が人間的感情を持つことにより、人間的感情のおかしみ、哀しみを更に際立たせている.
業田良家の人間哲学は好みですねえ.

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2013年08月18日

ネタバレ 無料版購入済み

現代の寓話ですね……

人間とは何か、何をもって人間と見做すのかは文学等々に限らず、広く芸術とかの永遠のテーマでしょうね。
ロボットもののSF作品って鉄腕アトムの前から連綿とあるまんがのジャンルで、業田良家さんもそれに連なる系統の作品を描かれていますね。
しばしばこういう時はロボットの方がより人間的に描かれるもので、やはりそうしないとテーマが見えづらいのでしょうね。
それぞれ印象に深い連作集ですが、巻末に出てきた種子会社の話、現実もこれに近づいているので、中でも突出した傑作エピソードだったと思いますね。

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2022年12月11日

Posted by ブクログ

心を持ってしまったロボットたちをめぐる短編集。
ハッピーエンドだけではないが、ぐっと来る話が多い。
(350)
[more]
(目次)
ペットロボ……………5
家族増員法……………27
劣等ロボ………………49
介護ロボ広沢さん………………71
罪と罰の匣……………93
子育てマーシー………115
クロスの戦場…………137
リックの思い出………159
グレイト・シード……201

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2018年10月12日

Posted by ブクログ

リックの話。マコと言う少女の生きていた記憶の為だけにスクラップ寸前の機械の身体を引きずって生きたロボット。人間より、どんなに頑丈な体を持っていても、人間の手で、人間の権限でメンテナンスがなされなければ朽ちてしまうだけなのだ。人間は、自分の身体をメンテナンスすると言う感覚が無い。当たり前だが、病気にでもならなければ、自分の肉体に無頓着なのだ。

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2018年03月21日

Posted by ブクログ

お手伝い、介護、軍事etc…色んなロボットが、色んな場所で活躍する短編集。
切ない話しも多いけれど、すべてどこか暖かい印象を受けます。

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2017年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

基本1話完結物なのだけど、
どの話にもロボットへの愛が込められている。
ロボットの想い・心の内はそれぞれだけど
人間である私たちはどんな存在に対しても
優しくありたいと願わずにはいられない。

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2015年03月10日

Posted by ブクログ

ロボットを通して人間を描いた秀作。善人、悪人とは心のあり様ですが、そこに心を持たないはずのロボットを置くと、心の輪郭がくっきりと見えてくる。損得や保身よりも主人である人間に自己犠牲の精神で尽くすも、最後は型落ちした家電の様に廃棄されるロボット達に愛おしさを覚える。心のビタミン剤の様な短編集。

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2013年09月21日

Posted by ブクログ

どこかにアトムがいそうだなと思うような世界観でした。
悲しい話が多い気がするけど、最後には少し救われているような気がするので嫌な気持ちにならずに読めます。

主人との思い出を無くさないように頑張るロボットの話が個人的に一番好き。
これは二巻買わねば。

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2013年09月18日

Posted by ブクログ

業田良家さんの著書をまともに読むのは意外にも初めて。
「ロボット」という、人に近いけど人でないものを題材に、
時に温かく時に哀しいストーリーが描かれます。

…人間って、結構ひどいことしてますね(^^;。

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2012年08月02日

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___φ(。_。*)

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2022年12月12日

Posted by ブクログ

業田良家の新作は、ゴーダ哲学堂から新・自虐の詩と続く非人間もの。人とともに暮らす人ならざる者というのは、弱者やマイノリティーの隠喩であることは明らかで、そうした人々への視線はやはり業田良家の良さなんだな。

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2012年08月15日

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