【感想・ネタバレ】最後の一色 下のレビュー

あらすじ

本屋大賞受賞作家が描く、戦国巨編!

織田信長に丹後を支配するように命じられた智将・長岡(細川)藤孝、猛将・忠興親子は、決死の覚悟で一色五郎と戦う。
味方にも秘策を明かさぬ一色五郎が進もうとする先は、果たして織田家の壊滅か、一族の破滅か。
戦国時代最後の怪物が覚醒する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

忠興の成長!頭がいいゆえに気づいてしまう五郎の思考、相対していても、家老が何を言おうと、真相がわかってしまう。自分との能力の差がわかっているからこそ、意地でも隙に付け入るようなことをしない。

部下になることを申し出たこと、そして五郎がそれを受け入れたことで、誰もがハッピーになれたと思ったのに、戦国時代はそれを許してくれない。お家の存続が第一で、殿の一時的な思いや行動などは評価されない。そして、悲しいかな。忠興は器量の面で吾郎に劣るかもしれないが、馬鹿ではない。賢いがゆえに父たちの意見が正しいことも理解してしまう。

登場人物がまっすぐで純で、読み進めていて気持ちいいが、やはり最後は寂しさが勝つ。

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々の歴史小説、というかオビ買い。
いや、だってあの織田信長をさして、”珍しゅうもない。ざらにいる男よ”とか書かれたら気になるでしょう。まんまと釣られてしまいました。
よくみたら、”のぼうの城”の著者さんで、非常に好きな作品だったので期待も高まる。

のぼうの城もそうだったが、登場人物の描写がものすごく巧み。歴史小説なので、当然、その時に登場人物がどう話したか、どう感じたか、などは想像で書くしかないわけなのに、本当にこのように言い、考えていたのではと錯覚するほどで、一気に引き込まれて読んでしまう。痛快の一言。

主人公の一色五郎が、通常時や戦では悪鬼のような強さと軍略を持ちながら、心底に優しさを持ち土壇場で情に流されてしまう、その危うさをギリギリのところで保っている人物として描かれていて、とにかく魅力的。それと対照をなすもう一人の主人公、長岡忠興も、周りから将来を嘱望されるだけの才はありながらどうしても五郎に及ばず、自分もそれを自覚するが故に、最後の最後に心ならずも謀略に頼ってしまう心理描写があまりに巧み。
オビの”ざらにいる男”とされた信長の描写についても、天下をつかむ直前で弛緩してしまった心の隙が見事に描かれていて、信長の終焉を読み切り、哀れみすら感じていた五郎の凄みを余計に感じさせてくれる。

歴史の結末は決まっているので一色五郎はどうしても最後に討たれる結果になってしまうのだけれども、一読者ながら、どうか死なないでほしい、と願わずにいられないほど。もしかしたら作者も、忠興と同じく、信長の下で五郎と忠興が駆ける姿を見たかったのかも、というのが忠興の叫びに込められていたのか。
これほどの器量を持つ五郎なら、堂々と合戦で斃れる結末にしたかったろうと思うけれども、謀殺と史実で決まっている以上、作者としては五郎らしい最期を用意したいと悩んだ結果、ああなったのか。残念といえばそうだが、五郎が優しさゆえに敗れる姿は史実という枠の中ではこれ以上のものは無かったかも知れない。最後の”似てやがる”は、ああ、このような人だったか、と(変な表現だが)納得せざるを得なかった。

唯一、疑問になったのが”一色家の業報”にかかわる話。前半の五郎の軍略がこれに寄っているところが多く、心理劇の様相を呈するのだが、種明かしされるとちょっと肩透かしの感もあり、梶之助の気持ちもわからないではない。さすがに業報のことは創作だと思うので、五郎がひたすら耐えた理由をそこに求めるのはうーん、という感じがする。まあ、最終的にはものすごく面白かったので、とりあえずよし。

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2026年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦国時代に詳しくなくても、まぁタイトルから終わりは察せられましたが…。

一色五郎は正しく”怪物”であるんだけど、下巻に入ると彼の人間らしさが見えてくる。
でもそれは彼の弱さでは決してない。一色五郎の”怪物”らしさは、言ってしまえば能力の高さに起因するんだろう。一足飛びになるから(家臣のような)只人には理解できないけど、それは人間らしさが根底にあることと矛盾しない。

一方で忠興も、(その時代の)”当たり前”から乖離していく。
”怪物”にはなれなかったけど、己が為したいことを為していく将の器。中盤から一色五郎と通じ合えたのは、互いの在り方を互いが理解したからじゃないかな。

ただ結末として、”怪物”は”怪物”であるために討たれ、”只人”は”只人”であるために生き残った対比。時代の残酷さというか、優れているから勝てるわけではないのが歴史の難しさだなぁ。
忠興が一色五郎を騙し討ちしたのは、その時代からすれば当たり前のことなんだけど、その当たり前から最後まで外れることが出来なかったのが、忠興が”怪物”になれなかった証左なのが虚しいね。(そして”怪物”になれなかったからこそ、国人たちは忠興の方を見ない。うん、これはもう堂々巡りになってしまったなぁ)

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2025年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻から下巻へ、気持ち高ぶり焦燥気味に駆け抜ける
ヤバい、面白すぎる

日和見の時代にあって、命令に従うだけではなく、忠信とも忠心とも呼べる思いが人を突き動かす
敵味方を超えて人間関係が築かれ、立場を越えた信頼や尊敬が途轍もない力でこちらに迫ってくる
生きた刹那に抱く「一瞬の心」の尊さを描き出し、時代を超えて人間関係の可能性を示して

筆者自身が度々登場するユーモアや、死の間際に浮かんだのが敵ではなく妻の面影だったというディテール――そこに作品への多大な愛が込められていて、読者はそれを受け止め必死になり、「むぅ」と呻り倒す

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻終わりから雲行きが怪しくなっていく展開。誰を主とするか、誰に忠誠を誓うか。
はたまた何を守るか。
最後まで読み終えると、一色五郎という男に惚れずにはいられないはずだ。妻を守り子を守る優しさだけではない。堪えて堪えて、丹後を守ろうとする精神的な強さが天晴れと言わざるを得ない男。一色五郎がもし野望を持っていたら、天下を取ったのは彼かもしれない。そう思ってしまうくらい強き男だと思う。一色五郎ロスです。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

丹後守護一色家の最後の党首の歴史小説の下巻。

信長の死後の長岡忠興との関係が深まっているのが感動的でした。
お互い情にもろすぎると思いながらも最後の悲劇に突入してしまい、それでも主人公の男気が泣けます。
「一色の業報」はとんだ肩透かしで、そんなジンクスを信じて戦国の世を渡れるのかい、と突っ込んでしまいました。
とはいうものの、登場人物がすべて史実上の実在の人物でその根拠となる文献も挙げていて、巻末の膨大な資料には感嘆してしまいました。
それにしても戦国にはまだまだ埋もれている人物がたくさんいそうですね。

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2026年01月17日

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一色五郎が忠興を切れずに敗北した理由が、忠興の妹である妻に似てたってところが人間味があってそれはよかった

強い五郎に執着する忠興は哀れだなと思った

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2026年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

信長と明智、そして秀吉歴史に残る武将たちに振り回されるが、懸命に武士道を通した男たち
一色家当主五郎と細川家、忠興の戦い

最後の場面で忠興から五郎に家臣になるように伝えるのは、忙殺を選んだ忠興。

あくまで戦国時代では謀殺された方が悪いという生き残った方の勝ちでありながら、礼儀、仁義を重んじる矛盾がある。

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2026年01月12日

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