あらすじ
本屋大賞受賞作家が描く、戦国巨編!
織田信長に丹後を支配するように命じられた智将・長岡(細川)藤孝、猛将・忠興親子は、決死の覚悟で一色五郎と戦う。
味方にも秘策を明かさぬ一色五郎が進もうとする先は、果たして織田家の壊滅か、一族の破滅か。
戦国時代最後の怪物が覚醒する。
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Posted by ブクログ
全く存在を知らなかった一色五郎が大好きになった。
丹後国を納める一色家と長岡家の争い。時代とはいえ、人が死んでいくのは悲しくて辛い。お家を守るというのは、当時の武将たちにとっては命以上に大切なことだったのだな。
五郎の最期は彼らしく派手で凄惨だった。決して敵には負けず、自分の心によってのみ負けた。
Posted by ブクログ
伊也が助右衛門と橋を渡っているところから結末までの二章は、まさしく大河の最終回のようだった。
夕日を浴びた川面のきらきら。眩しくて、ちょっと息が詰まった。
最後の最後の一文。
ああ、一色五郎は、若くして亡くなったんだな。
主人公だけれど、生き残った人にとっては、遠い昔の話なんだな。と、にわかに切なくなる。
忘れていい。波乱を越えて、人は穏やかに生きていい。
上巻から期待値が高止まりしていた稲富伊賀については、それまでの目眩く展開に息を呑みすぎてすっかり失念していて、いざ出てきたときにはまんまと驚いてしまった。
痛快かつ重要な役割を持った見せ場で、これを待っていたんだと万感の思いだった。
はじめは良い印象がなかったり厄介者のように言われていた人物が、ほんのいくつかの描写で、結局皆愛おしい存在になってしまう。和田さんの戦国武士たちには、そういう魔法の粉みたいなものがかかっている。ような気がする。
『「これが一色五郎を討つ、最初で最後の好機にござる」
求政は大喝した。』
Posted by ブクログ
この間、偶然Netflixで見つけて、松潤主演のドラマ「99.9」を見た。一番印象に残ったのは、岸部一徳演じる弁護士事務所の所長だった。
あの胆力のすごさを理解できるようになったのは、自分自身が年を重ねて、ある程度の胆力を求められるようになったからかなと思う。
胆力とは、なにか問題が起きたときに、自分の技能でどうにかするという覚悟と、それでもどうにもならなかったら、自ら責任を取ると腹をくくっていることから出るオーラだと思う。
問題を解決できるだけの技能(自身のスキルはもちろん、金銭的な解決力、人脈含む)も求められるし、問題に対して責任を取るために差しだせるなにかがなくては、胆力にならない。
ピヨっこが啖呵切ったって、ピヨピヨ言ってるだけにしかならないのよ。
一色五郎の「器量が大きい」はきっとこの胆力みたいなものなんだろうなと思う。
腹をくくるが、本当に自らの命にも直結した時代に、「自分ならなんとかできる」という自信と、「それでもどうにもならなかったときの覚悟」を持っていた、あの若さで。
それをじっくりと描いていった作品だったと思う。
一方で、忠興が単に器量が小さくて、胆力がないだけの人物だったかというと、自らの持つものを(あるいは持っていないものを)把握して、まっとうに動いた人だったのではと思えてくる。
女性は戦略のコマで、騙し討ちは卑怯ではなく、騙された方が間抜け、そんな時代に、それを良しとしなかったのは、彼なりの強さだったんじゃないか。
忠興と五郎が、そのまま二人で手を取ったら、最強だったんじゃないか、とあり得ない「もしも」を描きたくなる。
「家の存続なんかに縛られて」と後世に生きる私は思ってしまう。
あれだけ大きな変化の時代なのに、「家の存続こそが重要」というこれまでの価値をもとに動いたのは、それでも忠興が長く生きたという結果からすると、正解だったりするのだろう。
それにしても、物語の後ろにずっとチラチラしていた稲富伊賀が、そこにつながるとは。
だからこういう歴史の背景があれば、もっと点数がとれたかもしれない、と思いつつ、
この本も面白いけれどもかなり苦戦しながら読んだので、きっとダメだったろうなと思う。
それでも歴史ものはやっぱり面白い。きっとまた別の作品に手を伸ばすんだろう。
Posted by ブクログ
当時の時代背景などを調べながら読み進めたのでかなり時間はかかった。
全く知らない武将の話だったので面白かった。
とにかく登場人物や関連する出来事の補足解説が非常に豊富で、これはもう小説であり歴史文献でもある。
信長神格化しすぎてる長岡忠興が怖いけど時代背景や関係性を考えると仕方ないのかな。
男性器の服で盛り上がるシーンを見て、今も昔も下ネタは強いんだなと思った。
稲富伊賀が最後の最後にスポットを浴びるシーンがあってちょっとスカッとした。
一色五郎は計略を読みつつも、最後に切られてしまったのは無念だったが壮絶なラストだった。
Posted by ブクログ
残りのページ数が少なくなってからの
高緊張状態ハラハラの連続
一難去ってまた一難
なぜ五郎は忠興に討たれたのか
お預け状態でずっと引っ張られて
やっと明かされた理由が
意外にロマンチックな理由で腰砕けた
Posted by ブクログ
一色と長岡の戦の決着はどうなるんだろうと、最後の最後まで目が離せなかった。
五郎と忠興。ともに自国を守るため、一つ一つ未来を案じ選択を迫られる。当時の先の読めない時代変化も描かれ、上下巻とも面白かった。
五郎が優秀すぎる。その五郎を出し抜くのは生半可なことでは到底成し得ない。
忠興の極限の選択が最後の結末につながり、未来へ駒を進めたのかと何ともいえない時代の非常さを物語っている。
当時の描写や、価値観も添えられるように書かれていてわかりやすく面白かった。
Posted by ブクログ
著者は、どれだの資料を読み込んだか、書かずにはいられなかったようですね
結果、歴史小説としても、歴史書の解説書としても、半端なものになってしまったという残念な印象でした
「一色家の業報」も盛者必衰の理でしかなく、他にも著者の解釈に腑に落ちないものが少なくなかったです
ぶっちゃけ、そんなお友達思考をする戦国武将はおらんだろ
とにかく、非現実的な描写と歴史資料の引用がかみ合わなく、チグハグな印象です
実在も証明されていない人物なのだから、もっと自由に書いたら良かったのでは・・・
一方、稲富伊賀のキャラ付けは極端だし・・・
Posted by ブクログ
うーん、面白いのにさぁ盛り上がるぞーっていうところでいつも一色五郎が一歩引いちゃったり、長い歴史解説が入ったりでいちいち勢いが削がれて入り込めずで不完全燃焼でした。
最後のエピローグで伊也の五郎の記述が無かった、のくだりも要るか?って感じで面白いのになんだかなぁ。