【感想・ネタバレ】地図と拳 下のレビュー

あらすじ

1932年、満洲国建国。明男が建築学徒として携わった仙桃城は、立派な都市に発展した。一方、乱暴な支配に苦しむ地元住民との対立は激化。明男がダンスホールで出会った孫丞琳も、抗日軍の一人だった。細川は、リットン卿の調査を受け、戦争構造学研究所を設立。十年先の未来を予測しようとするが・・・・・・。人はなぜ拳を振りあげ、戦争へと向かってしまうのか? 圧倒的スケールで描き切る歴史×空想巨編! 第13回山田風太郎賞受賞作。第168回直木三十五賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

圧巻だった。世界大戦下の満州で、明男や細川、そして石本までもがこんなにも必死に生きていた。戦争とは?都市とは?地図とは?多くの思考のもと練り上げていく事象に、ただただ惹き込まれた。『ゲームの王国』も実際の歴史を背景としてフィクションを盛り込む手法だったが今回はさらに洗練された印象だ。満州を舞台にSF要素もあり、ジャンルを飛び越えた作品だった。
ラストが物語の印象的な出来事とリンクして感動を誘うのだが、これだけの長い物語を読んできたからこそ感動できるのであり、読者に対するご褒美だと感じた。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

地図と拳、それぞれの役割や人間がそれらを把握しきれていないこと。制覇しきれていないこと。人物が多く視点も様々だけど、だからこそ飽きない大作だった。面白かった。

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2025年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻は主に第二次世界大戦の前後の仙桃城での出来事が中心として展開されている。

表題を「地図と拳」としつつも、実際は建築の話が7割といった感じ。というか、専門家でもないのにここまで深く建築を考えて、自らの思想を落とし込むという行為に感心する。「建築とは時間」と言い切り、どんな人間でも、そこにある建築を見て同一の空間であるという安心感を持つという発想は面白いと思った。

あとは、10年後の未来を予測するという戦争構造学と呼ばれる造語も面白かった。

物語としては、悪くはないが、細川の万能感に押し込まれた印象も拭えない。

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2025年07月10日

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