あらすじ
世界的ベストセラー『風の影』第2弾!――ダビッドが契約していた出版社が放火されて経営者が亡くなり、刑事にマークされる生活が始まる。いっぽうで移り住んだ“塔の館”のかつての住人ディエゴ・マルラスカが不審な死に方をしていたことがわかり、関係者を訪ね歩くダビッド。調べていくうちに、マルラスカと自分に複数の共通点が見つかり、彼を襲った悲劇に囚われていく。不可解な出来事、殺人事件。“塔の館"の過去とは? “本に宿る作家の魂”を描く珠玉の文学ミステリー!!
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Posted by ブクログ
まさに傑作という言葉が相応しい作品。
前作の「風の影」以上に様々な事柄が複雑に絡み合い繋がっていく作風は見事だった。
途中、人名が混ぜこぜになってしまって混乱したので間を空けずに読むことが大事だと思った。
最後に、「風の影」の主人公であるダニエルの誕生の話が出てきたところで感動と驚きがあった。
ダニエルのあの性格は母親譲りなんだろうなぁと思えて幸せな気持ちになった。
著者、訳者、ともにあっぱれです。
Posted by ブクログ
読み進めながら、『風の影』との時系列の関係を整理していたら、なるほど、ダニエルの父が若い時の時代なのか!(気づくの遅すぎる…)
重ためのストーリーの中、センペーレ(息子)とイサベッラのサブストーリーが唯一の癒しだった。
ただ、私の理解力が及ばず、事件の流れは未だに整理しきれていない…。これは2周目しなければ!
Posted by ブクログ
ネタバレ注意!これはなんだろう?見事にひっくり返された。こっちに行くか?と唖然です。不滅の光の復讐か。この方向はジョナサン・キャロルですかね~~全然よそくできなかったのでびっくりです。でも面白かったです。下手な感想が書けない本です。塔の館はやっぱり焼けました。これは予測の範囲内でした。だけど、主人公ダビッド、マルティンがこんなことになるとは・・・ジャンルを超えた・・・そりゃ越えますね~許せない人もいるかもしれないけど、許します。これぞ、ミステリ!!さいごは怒涛の展開でした。イサベッラ、幸せだっただろうか?良かったけど、前作の「風の影」の方が好きです。
Posted by ブクログ
前作「風の影」に続くバルセロナを舞台に、書く側、作家の立場から話が進む「天使のゲーム」。
塔の館に住んでいた、前住民と同じ運命を辿っている事に気がついたダビット。身の危険を感じながらも、真実を求めて進んで行く。
コレッリは一体何者なのか。
過去と現在が意外な所で繋がるのも読み応えあり。
次の3作目も早く出てほしい!
Posted by ブクログ
『風の影』と時代は違うが、『センペーレと息子書店』の佇まいが変わらずあって、呪われた『塔の館』とともに、繋がっていく物語の面白さがある。最後になっても謎がすっきりしたわけでもなく、クリスティーナの写真でますますホラー的な要素が強まって、精神病との境界が不明だ。ただ、イサベッラの手紙は真実の愛が確かにあって、本当にただ一つの美しい物という感じがした。
Posted by ブクログ
中盤から終盤にかけてどんどん周囲の人が亡くなっていき不気味さが増す。マルティンはただのヒョロヒョロの物書きのはずが、どうして刑事相手にやり合えるのか謎。
終盤コレッリの影が出てこず、コレッリはどうした!?と突っ込まずにはいられなかった。
クリスティーナはただただ悲劇としか言いようがないし、結局ディエゴ・マルラスカの存在もイマイチはっきりしない。
読ませる割に腹落ち感がなく、後味がよくない。
一体コレッリは何者だったのか。
時空を超える、永遠の魂など本当にあるのか。
ミステリーを超えたファンタジーのような物語だった。
Posted by ブクログ
そうかー、そう来るのかー
それはでも無茶やわー
四部作の二作目で急にそれは無茶やわー
むしろどう収束させるのか気になって早く次読みたいわー
ということで、一応このパターンもあるかなという予想の範疇ではありましたが、やっぱり無茶してきよる
同じ世界なのに世界観変えて来やがったのよ
しかも(繰り返しになるけど)四部作の途中なのよ
まぁ誰も読んでないだろうからぶっちゃけちゃうけど、前作では一見ファンタジーに思えたことが実は裏であーなっててこーなってて最後にそれが明かされてうわーだったのよ
でも今作はファンタジーに思えたことがそのまんまファンタジーっていう
うそ〜ん
だって共通する登場人物とかいるんだよ?
うそ〜ん
で、しかもこの世界観はわしちょっと苦手っていうね
宗教色ちょっと強めなのよね
いや残りどうすんだろ?
ある意味楽しみやわ〜
Posted by ブクログ
あれっ?幻想的なミステリーだと思ってたのに、ミステリーみたいな幻想小説だったの?
最後は流血がいっぱいで色んな人が死んでしまってグロテスクなのだけれど、結局のところ何の犯人を探していたのか、何が一番の問題だったのか分からないまま、私の頭の中はとっ散らかっております。
結局、上巻で「忘れられた本の墓場」へ行ったときから時空を超えた“天使”の罠に捕まったということなのかな?この小説の主人公は小説家なので、作者のカルロス・ルイス・サフォン自身が主人公でもあり、天使でもあったのかもね。
でも、私は実は伏線はこの小説の外にあるのではないかと期待している。
それは主人公ダビッドが子供の頃にセンペーレ古書店の店主にもらったディケンズの小説「大いなる遺産」だ。ダビッドは字の読めない、戦争帰りの荒れ狂った父親に育てられ、本を読むことを許して貰えなかったのだが、優しいセンペーレ古書店の店主が少年ダビッドに「大いなる遺産」をプレゼントしてくれたのだ。ダビッドはその本を大切に大切にしていたけれど、暴力をふるう父親からその本を守るために、一度店主に「この本を守って下さい」と言って返し、作家になったときに、再び巡り巡ってダビッドの手に戻ってきたのである。
この作者カルロス・ルイス・サフォン氏の作家としての思いと本に対する愛情が込められた作品ということかな。
とにかく、「大いなる遺産」を読もう。
Posted by ブクログ
下巻は、上巻よりもっと話が入り組んで、ややこしくなってきた。
細切れに読んでいると訳が分からなくなってくる。
本にまつわる話というのは全編を通してのテーマなのだけれど、ミステリーに加えて、最後は謎の依頼人との対決、刑事との闘いとハードボイルドの要素も出てきた。
それも暗い、陰湿なイメージのバルセロナを舞台に繰り広げられる。
何人もの人が死んでいく、というのもちょっと気が滅入った。
Posted by ブクログ
Shadow of the wind の続編ということで,待ち遠しかった本.英語で読んでしまおうかとも思ったくらい.でも翻訳を待ってよかったかも.謎の編集者コレッリとの宗教に関する議論のところはたぶん英語だとまったくわからなかっただろう.日本語でもあんまり読みたくないところ.
さて,物語にぐいぐい引っ張られて,二冊本を私にしてはかなり速く読み終えた.下巻の残り三分の一くらいから,急に幻想小説というのか,現実が溶けていくような感覚になるところが,私の好みではなかった.4部作の第二作ということで,新しいのがでたらまた読んでしまうかな.できれば,記憶が薄れないうちにでて欲しい.