あらすじ
あの世界で一番不運な殺し屋が、また騒動に巻き込まれる――。『マリアビートル』では新幹線から降りられなかったが、今度は東京の超高級ホテルから出られない……!?
伊坂幸太郎、2年ぶりの完全書き下ろし。殺し屋シリーズ最新作。
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Posted by ブクログ
伊坂幸太郎の殺し屋系の物語は面白い
あまりにも好きなセリフがあったのでメモ
p.90
「お金はある程度以上になるともう、使い道がないよ。それが分かった」
「早くその台詞を口にしたいな、と思って、練習しているんだけれど」
→口にしてみたい、じゃなくて、練習している、なのが、単に期待するだけじゃない積極性を感じて面白い
p.165
「(略)俺を殴るか?メロスのように」
「いや、誰のようにも殴らない」
p.284
「君は年に数回なのか。俺は数年に一回もないよ」
「ワールドカップみたいね。盛り上がりそう」
このワチャワチャ感大好き
七尾主人公の物語。マリアビートルと同じように、いやそれ以上に登場人物が多く戦闘シーンが多いのが嬉しい。不運だけど強運な七尾大好き、これからも不運な中で生きのびる七尾が見たいです。実は乾が芯の通ったいい奴で、それにモウフマクラが気付いてる所好き。
Posted by ブクログ
殺し屋シリーズ4作目、積読してたけどやっと読めた。今回も期待を裏切らなかった。
七尾が今回も大活躍でよかった。
3階でセンゴクと鉢合わせるところなんか、自分の不運さを武器にまでしてて最高だった。
ソーダとコーラは、檸檬と蜜柑より良い奴そうだったのに退場、さみしい…コーラなんかまったく出番なしだった…
クライマックスの蓬VS乾のところは、伏線回収もあってさすが伊坂幸太郎!だった。
まだまだ七尾の活躍が読みたいよー
Posted by ブクログ
初めての「殺し屋シリーズ」で、想像以上に軽快な表現で骨が折れたり、人が死んでいくのが衝撃的だった。
何人もの死体が転がっているとは思えないほどのテンポ感で、ストーリーが進んでいくのも新鮮に感じた。
「何でも覚えられる」「一度見たら絶対に忘れない」というのは、一度ならず思わぬ「忘却」によって後悔をしたことがある身からすると羨ましい。
しかし、人間は忘れる生き物であることによって、救われている部分も大きいと感じた。
自身の記憶力によって、人との深い繋がりに積極的になれなかった紙屋さんが、天童虫、ココさん達との関わりも経て、乾との関係を築いていくことに繋がるラストが印象的だった。
Posted by ブクログ
不運な殺し屋「天道虫」こと七尾は、真莉亜からの簡単な依頼で東京の超高級ホテル「ウィントンパレスホテル」にやって来る。
仕事は、女の子の誕生日プレゼントを父親に届けるだけのはず。
楽勝…と思いきや、七尾のバカみたいな不運体質が炸裂!
ホテルに着いた途端、吹き矢を使うヤバい殺し屋六人組に命を狙われ、脱出不可能な状況に追い込まれる。
そこに、超人的な記憶力を持つ謎の女性・紙屋結花が絡んできて、彼女の逃亡計画と七尾のトラブルが交錯。
ホテルは一瞬で戦場と化す。
裏で暗躍する黒幕、錯綜する思惑、伊坂節全開のユーモアと軽快な会話が炸裂しながら、伏線が次々回収されてジャックポット級の爽快感で締まる。
七尾の不運がどう「幸運」に変わるのか、目が離せない展開の連続だ!