あらすじ
生命が滅亡した地球を、少女はひとり歩き続ける。
彼女の任務は生存者の捜索と土地の浄化。
果たして、人間は見つかるのか?
建物を愛する新鋭・岩宗治生が描く、美しき廃墟のポストアポカリプス。
主人を失ったアンドロイドや、使命を続けるAIなど
孤独同士が交わる第1巻!
仕事で疲れた日、友達と一日中遊んだ日。一人きりの部屋で、充実感とともに孤独を感じる時間はありませんか。
スマホでも紛れない物寂しい夜には、心地よい虚無感ややるせなさ、そして一筋の希望に、身を委ねてみませんか?
突如発生した「断罪者」の瘴気によって、人類の大半が死滅してから50年。
少女は「結晶病」に侵された人間を浄化しながら、生存者を探索し続ける。
「終末世界の話を読んだら、気持ちが沈むじゃないか」?
いいえ、そんなことはありません。
私の思うポストアポカリプス作品の醍醐味は、絶望的状況に抗おうとする、登場人物の希望を味わうことです。
この作品では、皆が前を向いています。
だから私も、明日も会社に行こう、休日は友達と遊ぼうと、未来を楽しみに眠りにつくことができるのです。
筆者が描く絶望が滲む廃墟の美しさにも、息を呑むこと間違いなし。
この作品の静寂を、じっくりとお楽しみください。
感情タグBEST3
終末世界で任務を持った不死の少女の旅の物語。
この手の物語は数多くあり、死生観や哲学的な描写などが楽しく描かれているか、シリアスに描かれているか。
この漫画は後者ですね。世界観が良く考えられていて、ヒロインの小夜の生い立ちや任務なども独創的で好きです。
第6話のシェルターの話は、いろいろな意味で深い話でした。
優秀な選ばれた人だけの集団でも、人間とは諍いを起こすものであるという人の性が描かれていて考えさせられました。
博物館の話は、目的を果たして死を選んだ男性と不死で死ぬことのない小夜の対比が深かった。
結末がどうなるのかが気になりますね。
いや~書店員さんのレビューにいいね出来るもんなら押したいです。ポストアポカリプスってなんでこんなに癒される感があるんだろう。静寂、廃墟のもの悲しさ、世界の美しさを堪能できました。
「味」がある
なんというか、凄く味というか、雰囲気のある作品。
世界が「大戦」で崩壊し、さらにその後「断罪者」と呼ばれた異形の生物によって人類が滅んだ50年後の話。
主人公はナウシカのような瘴気の満ちた世界で、その瘴気の元となる病死した人間を埋葬し、浄化する女性。
冒頭から1巻の後半まで、主人公以外1人の人間も出てこない。
主人公はペット?の生物と会話するか、過去の遺物であるアンドロイド等機械の存在と会話する程度。
この非常に独特な世界観の中、圧倒的な手書き描写と、意外とかわいい主人公のキャラ絵で話が淡々と進む。
絵と言い世界観と言い、ちょっと弐瓶勉を連想させ、特に「BLAME!」とは孤独感などが似てはいるが、それと比べても圧倒的に他人の存在がない。
この為、冒頭数話は様々な謎を抱えたまま、変化の乏しい展開となる。
そんな中、徐々にコンピュータその他との会話によって世界や主人公の立場が分かるという流れ。
ただし、1巻後半でついに生身の人間に出合い、おそらくその後は展開が変わってくるものと思われる。
この先どう持っていくのか非常に気になる、個性的な作品。
Posted by ブクログ
弐瓶勉あたりをお手本にしたような終末SF漫画。
絵の描き込みがすごい。
果たして、不死のヒロインは、荒廃した世界で、生き残りの人間を見つけ出すことができるのか? 乞うご期待!
2巻も読んでみます。
Posted by ブクログ
淡々と、粛々と読める。
好きだなー。
感情がアップダウンする漫画もいいけどこういうのもいい。
そうか人間がほとんどいなくなった世界ってこんな感じなのかって感じ。
ほとんど人が出てこない中で、少女はどのように世界を広げて、成長していくんだろう?
Posted by ブクログ
今や黄昏の世界を旅する漫画は一ジャンルとして成立しつつあるなぁ。辿れば弐瓶勉のBLAM!(この作品の中でも直接的なオマージュがある)が一つのメルクマールなのかしら?その前はナウシカまで辿れるのか?
終焉と旅は郷愁とアイロニーが巣食っていてとても心地よいロマンだ。
このジャンルはこのまま様式美の物語として固まってしまうのだろうか。