あらすじ
類まれなる文章力で二次創作界に燦然と輝く天才字書き・綾城(あやしろ)。
同ジャンルの者達はその作品に焦がれ、打ちひしがれ、
彼女に馴れ馴れしくリプを飛ばす「おけけパワー中島」への憎悪をくすぶらせていくのであった……。
天才字書きをめぐる創作者たちの葛藤を綴った連作。
描きおろしとして、綾城が小説を書き始めた頃を描いた「天才字書きの生まれた日」を収録。
綾城と中島が出会ったばかりの時期が明かされます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
Twitterで一部界隈を大いにざわつかせた、同人ジャンルにおける神を多視点で描いたTwitter漫画の書籍版である。
更新されるたびになぜか脇役の「おけけパワー中島」の方がトレンド入りしていたのはご愛嬌だが、綾城という名の天才字書き(二次小説家)=神を中心に、その周囲の人々の視点で彼女を描いた作品である。
この作品は何といっても、ディテールの描き方と同人界隈の人間の情念を描く様が凄まじい。
前者においては、例えばそれは検索ワードの選び方であったり、かつての個人サイト全盛期における夢小説系サイトの面倒くさい姿であったり、わかる人にはわかるタイプのディテールの細やかさがこれでもかと描かれている。
後者はこの漫画の軸と言っていい。
オタク特有の面倒臭さを一切脱臭せずに描いていて、神と親しくしている人物への嫉妬だとか、同ジャンルで競う相手への反感だとかをまざまざと描いている。
そしてそのベースには
「創作を行う燃料は負の感情である(場合が多い)」
という事実がある。
感想に一喜一憂するような可愛らしい心情もあるが、神とされる人への「コイツの解釈が正解扱いなの、ホント気に食わない」といった感情まで丁寧に描かれているのだから、素晴らしい。
腐向けジャンルをベースにしながら、その部分ではきちんと臭みが取られているので、同人や二次に詳しくない方でも読める良質な現場ルポ漫画である。
地味だが、おけけパワー中島の存在も大きいところだ。
神の親友というイラっとする立ち位置で出演し、徐々に
「あれ、コイツめっちゃ良いやつ……」
と思わせていく構成などもよく計算されている。
不人気ジャンルに繰り出した渾身の二次創作を一番乗りでお気に入りし、感想ツイートまで上げる彼女はあまりに眩しい存在だった。
光のオタク扱いを見かけた記憶があるが、まさにそれ。存在自体がエモい。
正直、紙の本として読むよりTwitter上で読んだ方が魅力を感じやすい漫画ではあると思う。
ワンクリックとページをめくる動作はどうしても違う。そこに違和感はあった。
ただ、それを推しても推薦するに足るだけの内容であり、そこで描かれた情念の濃厚さは甚だしいものがあった。
というわけで、総評として星五つで評価したい一冊である。
上述したように、腐向け要素はほぼ皆無なので、男性にも問題なく読める作品である点は付記しておきたい。
Posted by ブクログ
二次創作をするオタク(特に字書き)にクリティカルヒット。
わたしたちの「リアル」をものすごくあざやかに描き出していてバズるのは必須って感じ…。オタクってメディアに取り上げられるとなんとなくズレてたり遅れてたりしてること多いけど、これはもう鮮明にリアル。身に覚えのある感情(しかもネガティブな)がいっぱいで、なーんだみんなそうなのねと思ったり、二次創作への初心を思い出して熱くなったり。
くじけそうなとき読みたい漫画です。
Posted by ブクログ
創作活動をしている人はほとんどの人が「あるある!!」「分かる!」ってなりそうな内容で、でも読んだ後に初心を思い出させてくれた漫画でした!
おけパさんの存在たるや……っ
分かりみが過ぎる
同人、二次創作をやって交流していく中で、実際に、こう言う人いる!!こう言うことある!こう言うこと思いたくないけど思ったことある!みたいな事が、色んな人のパターンで描かれていて、おぉっとテンションが上がったり、奥歯を噛み締めたくなったりします。
ただ、その負の感情を抱きながらも、この作品に登場する同人女達はみんな、どんな感情であろうが前向きに自分の作り出す作品に打ち込んで高めるかてにしているのがすごい。
個人的には、廃れてしまった昔のジャンルにハマった同人女が、当時活動してた好きな作者の現在活動しているジャンルとSNSまで探し当てた末のオチが好きです。あんな神対応ある?
創作の"神"
二次創作に触れたことのある人、書いたことのある人ならあるある〜!となってしまうエピソードが満載。それでも創作することを祝福する姿勢があると思います。
同人誌出したくなる
Twitterで元々追ってた作品で、書き下ろし読みたさに単行本を購入しました。
綾城さんみたいな立ち位置に私もなりたいなと思わせてくれるような、同人誌出したいなと思わせてくれるような作品です。
あとおけけパワー中島と綾城さんの何気に長い友情が好きです。あの2人の話がもっと読みたいです…!
同人誌出す元気がない時に読み返すと元気になれる気がします。同人誌を読む人にも書く人にもおすすめの1冊です。是非!
二次創作活動をしていた方なら彼女達の感情が手に取るようにわかるのではないでしょうか?
自ら作品を生み出す喜びと苦しみ。もっと上手くなりたい、反応が欲しい、そんな欲望も。
この漫画は創作活動に打ち込む人達に勇気をくれるような作品だと思いました。
二次創作をあまり読まないので、Twitterで読んでいたときは
こんな世界もあるんだなぁ。大変そう。
位でしたが、一冊にまとまったものを読むと一次も二次も関係なく創作される方は大なり小なりこういったことがあるのかもしれない。と思いました。
好きなことに大して必死な姿が年齢関係なくとても青春っぽくて素敵です。
わかりみの塊
女オタクあるあるなネタがたくさん詰まった漫画です!
特におけけパワー中島……ある人からは絶賛されある人からは憎まれ……
こういう人いるよなー!と何度も唸りながら読みました。
また連載が始まったみたいなので、そちらの書籍化も心待ちにしています。
pixivでずっと読んでいました。すごく贅沢を言えば書下ろしもうちょっと欲しかったけど、でも書下ろし良かったです。
私は完全なる凡人なので、相手の気持ちも分かるなぁとか思って読んでました。でもきっと綾城さんの才能は努力の結果でもあるんだろうなと。続きでないかなぁとひっそり期待しています。
ネットでも読んでましたが
書籍化してもう一度読んでも面白かったです!
最後の書き下ろしで綾城さんの別の一面を見る事ができたのも良かったです。
おけけ中島、本当にいい奴です。いつまでも2人仲良く活動してほしいです。
作る人をもっと応援してくれ!
元はTwitter上で「同人女の感情」というタイトルで、これはまさにその名の通りに同人を作るすべての同人女の感情をプラスあるいはマイナスに激しく揺さぶってくる作品だったのを鮮明に覚えてます。その証拠にTwitter上では、これが好きだもっと読みたいという人も見ていると己の醜さと向き合うようで辛いという人もどちらもいらっしゃったように見えます。私も作品が隔週であげられるたびにある時は感動しある時は自分と重ねて勝手に辛くなったりしました…!ご自身が読んでどうなるかを体験してほしいです。そして作る人のことをもっと応援してみてほしいです。
同人に関わったことはないけれど何かを生み出すことに懸命になった人に読んでほしい一冊です!
Posted by ブクログ
面白かった…
読んでいるうちに、いろんな感情がどっと沸いてくる感じがあって…共感したり、いたたまれなくなったり。
「7年前の本が欲しい」とか、「0件ジャンル」とか、正体不明の熱い何かに突き動かされて、猛然と行動していく激情と偏愛のわかりみがすごすぎて涙。
そしておけパの立ち位置に憧れたり、嫉妬したりするのも。七瀬の、おまえは綾城さんの何なんだよ…というおけパへの感情がリアルすぎで。
描きおろしで、綾城がおけパを大事にする理由がわかったりしたのが良かったです。これは綾城以外ほかの誰にもわからない納得の理由ですね。
面白かった!
ツイッターで更新されていてハマった作品です。
書き下ろし目当ての購入でしたが、本という形でまた読み返すと面白いなと再認識させてくれました!
おけぱの顔はわからずじまいです。
Posted by ブクログ
pixivでいつも読んでる漫画だけど、紙でも購入してみました。
創作者としてわかるわかる~の気持ちがたくさん。
読み手としてもわかるし、好きな書き手にフォロー返して貰えない気持ちも、返ってきた気持ちもよくわかる笑笑
二創作したことある人ほど刺さる
二次創作BL界隈あるあるを、きれいにオブラートに包んだ作品
“きれいに”というところが大事
登場人物たちは、前向きに創作に励んでいるのが、とても好き
同人女子の生態を知れる作品
この作品は凄腕同人作家を取り巻く同人女子たちの愛憎劇である(愛多め)。同人誌の発行に限らず、創作に関わる人間には共感できる部分が多いと思われる。一読の価値あり。
Posted by ブクログ
なんだ、この身に覚えのある感
満載の本は(笑)
綾城さん、実は本編中に
「作品」は一行も載ってないのに
読み手側の「神」感がすごい。
そして人格者…
本当にこんな「神」対応してくれたら
みんなファンになっちゃうよ〜。
なんだろうねぇ、もうねぇ
サラっと読んで終わりかと思ってたけど
しばらくかみしめられそう。
Posted by ブクログ
Twitterですごい話題になっていた同人女の感情が本になったよー
という本
2000年代後半くらいのファン活動事情とか詳しくて面白かった。
私はアニメやゲームにハマったとしても、インプットするばかりでアウトプットが上手く出来ないし、何より書きたいと思えるものがないので、精力的に執筆活動ができるというのは羨ましいな誰でも出来るものじゃないなと感心しました
だけど前提として、二次創作は所詮他人の褌で相撲を取っているのに過ぎず、純粋にオリジナルの世界観を生み出していない作家を神とまで崇拝して、それとの付き合いに己の価値を投影する人間は好きになれないです
でもスキルとしてのライター能力良いな〜!
Posted by ブクログ
毎週土曜楽しかったので敬意を表して購入。
フォローしてないけどTLが一斉に話題にするから更新がわかる、嫌いな人も読んでてひとこと物申してるの読むの楽しかった、まさに同人女の感情。
七瀬はおけパ島ブロックしなよ、そんなに性格わるくなって… いやおけパ島がいなかったらサークル初参加できなかったしな… 性格いいやつが面白い小説書けるか言われたら、どうだろう偏見だろうか。一緒参加できる友だちできたらいい…
ラテアートアイコンが柚木なんだろう、鼻水流すほど小説読み込んでおいて嫌いな姿勢を崩さない君が好きだ。アンチジャイアンツは本当はファンみたいな話しじゃなくて本当に嫌いなんだ。
Posted by ブクログ
登場人物みんな努力が凄い…!継続して頑張れる姿が眩しい。
一番憧れるのはおけけパワー中島。コミュ強で神作家と長年の仲良しで書く話も面白いとか最強の人物では。
Posted by ブクログ
Twitterでの投稿を見てて興味が出たので購入。
内容的にはTwitterの漫画+七瀬さんの小ネタ+綾城さんの小説投稿初期の話。
Twitterでの漫画の再収録って感じなのでそこまで目新しさはないかも。
綾城さんの過去話がどうしても知りたいなら購入して読んでもいいかなぁ。
以下ネタバレ含む感想。
綾城さんが小説を書き始めたときの話では、綾城さんに小説書きを勧めたオンラインの友人が綾城さんを妬んでWeb拍手(懐かしい)で批判を言い、そこで綾城さんが悩んでおけけパワー中島に相談をするシーンがあるんだけど、ここのおけけパワー中島がすごかった。
書き始めてすぐ人気が出た綾城さんを妬むでもなく同情するでもなく、友人として字書きとしての尊敬も込めてアドバイスをする…なんてやつなんだ…。
おけけパワー中島の絵は結局出てこず仕舞いだったけどその概念っぽい感じの登場がいいのかもしれない。おけけパワーすごい。