【感想・ネタバレ】灰の月 下【イラスト入り】のレビュー

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ネタバレ購入済み

さすが

2019年12月01日

まず、事件に巻き込まれ窮地に陥った受けをスバダリな攻めが助ける胸キュンストーリーを求める方はこの作品からUターンしたほうがいいです(笑)

前作「月に笑う」のスピンオフ作品だと思い安易に手を出してしまいました……。
読後感はヘビー級で重量感はかなりの物です。
枠としてはBLではありますが、任...続きを読む侠ものとしてもよく出来ています。
次から次へと巻き起こる事件に先行き不明、不穏すぎる怒涛の展開に「嘘でしょ……嘘でしょ……」「お願い幸せになって!!!!」と悲痛な叫び声を上げてしまいますが、拉致監禁されてた惣一さんが助けにきた嘉藤に対し放った一言に「あぁ……………私は木原作品を読んでたんだった……」とガツンと打ちのめされ 、この作品がどこへ向かおうとしているのかを悟り覚悟を決め読破。
出だしはサラッとスピンオフ作品として始まりますのでつられてうっかり読み進めてしまうと、木原節がボディブローでじわじわ締め上げてきて気づいたら苦しいのわかっていても読むのやめられない、という沼にハマっちゃうやーつ。
登場人物ヤクザオンリーなんで人は死ぬは暴力シーンも壮絶、「そこまでやるか?!」と容赦の無さですが、最後まで手をぬかない筆圧をどうぞお楽しみ頂きたい。
無理だろうけどコミカライズでもして頂けないかな~~。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月30日

上下巻の表紙を並べると寂寥感ハンパなくて、思わず惣一さ~ん!と叫びたくなってしまいます…梨とりこセンセのイラストがピッタリで素晴らしいです。

木原センセの作風をしっかり理解してから読まないと、単に痛いBLだと思って手に取ったら生涯トラウマになりそうな劇物レベルのお話です。わかってても、澱のように心...続きを読むの底にドロドロモヤモヤが…
問題点は、嘉藤と惣一の間に妥協点が皆無なことですね。あくまでも嘉藤は惣一に自分の理想のボスの姿を求めてやまないし、一生惣一を支えて行きたいとマジで思ってる。
なのに、惣一は女みたいに抱いてくれよ~、恋愛対象としてみてくれよ~、としか思ってなくてある意味ガンコでブレがない。
ずっと気持ちが平行線。惣一は愛情表現が不器用だなと思わずにはいられなかったです。もっと他のBLの美形893みたいに小悪魔になればいいのに…とか。

特に、嘉藤は恋愛に関して鈍感通り越して理解していない感じ。多分悲惨な生い立ちに原因があるんだろうけど、Hはできても感性として恋愛不能者ぽいです。
惣一が全身全霊でラブを訴えているのに、ただの淫乱だと思ってるところとかw
嘉藤は、恋愛には適合してなくても、人としては忠実で筋が通ってるのが美点ですね。惣一が死ぬくらいなら、理想とはかけ離れたがっかりなボスでも生きてくれる方が嬉しいと捜索を続けるその執念は、ある意味愛ですよね。
惣一のそばでなくては生きている意味がない。みたいなところに難儀な愛を感じてしまいました。

惣一はどんな姿になっても惣一、という気がしてならなかったです。でも本人は男の娘の姿が一番テンション上がってたかも。
エロ的には、なんかもうHENTAI的に萌えました。嘉藤がみっともないボスの姿に不満爆発させながらの執拗H。
すごいドSプレイで(でも言葉攻めだけでフィジカルには気遣いがすごいのがまたいい!)萌えまくり。たまりませんでした。
惣一の必死さもいじらしくて、どんどんかわいく思えてきました。
ラストまで気が抜けない抗争シーンがてんこ盛りで、手に汗握ったまんま。けっこう疲労します。
終着点はこれが一番安堵できるし、互いへの歩み寄りが少しだけ見える形になってるように思います。勝手にそう解釈しました。
もう少し二人のその後が見てみたい気もするけど、ハチさん知らせてくれないかな。

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ネタバレ購入済み

うん!いい!

2022年06月15日

上巻では惣一の嘉藤への構ってちゃんが凄すぎて『えぇ〜‼︎』と若干引き気味でしたが、下巻では、嘉藤と離れてた2年間で少し落ち着いたんだね!と思いきや…
あららら?あれまぁ!おやおや?びっくり!色んな感情が出てきて、私の心の中があっぷあっぷ状態。本当に色々な出来事があります。

最後までこの2人どうなる...続きを読むの?と思いながら上・下巻一気でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年10月15日

上下巻一気読み。
手放しでよかったね、とは言えません。
でも、どれだけこころもからだも変貌してしまったとしても、「愛する人のそばにいられる」ただその一点だけで惣一にとっては幸せな結末、なのでしょうね・・・。

痛すぎて二度と読み返すことはできません。予測できない展開続きで衝撃だったししんどかったし、...続きを読む愛が重すぎて、怖かった。それでも、上巻の感想にも書いたけれど、ひと握りも共感できないのに、次の展開が気になって読み進めずにはいられない、とんでもないパワーに溢れた作品でした。

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ネタバレ購入済み

2022年09月29日

上巻を上回る凄さでした。
もう誰が敵で味方か分からなくなるくらい混沌としていて後半は惣一がかわいそうで仕方なかった。
二人が見つめた先にある灰色の海、暗くて見えない恐怖感とともに二人の置かれた状況を描写していて切なかった。
でもこの物語は純愛だったと思う。
よく頑張ったね惣一さんと褒めてあげ...続きを読むたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年09月16日

読み終わって残ったのは、無常の中の永遠。
恋愛、死生観、永遠性。創作物に描かれる普遍的なテーマではあれど、これほどまでに痛ましいのはなぜだろうなと本当不思議に思います。

惣一の元を離れて2年。惣一の父である本橋組組長から呼び戻され東京に戻った嘉藤は、組長の暗殺現場に遭遇。そして、苛烈な抗争へと飲み...続きを読む込まれていきます。
惣一は、亡くなった組長の予想を裏切り、組長としての才能を開花させていきました。長を失ったならず者たちを統率、孤高の存在として頂点に立つ姿を見た嘉藤は、再び彼を、自分の理想の世界に不可欠な存在と認めるようになります。

上刊がぶつかり合う純愛ならば、下刊は受け入れ許容する純愛であると言えるのではと感じました。
相手にこうあってほしい、と望むことは容易いですが、その願望と同じ形になることは、ほぼ100%あり得ません。意識や感性を共有する個体でないのだから当たり前のことですが、実際仕方ないと諦めるのはなかなか難しいのではないでしょうか。たとえば宿題をやらない子供とか、連絡をくれない恋人とか。人をコントロールするのは無理だと知っているのに、思い通りにならない相手に、苛立ち苦しみ失望する。そういう一種の自己中心性を超えていくのが、受け入れ許容する純愛に思います。
嘉藤の心と身体全てが欲しい惣一と、完全無欠で孤高の惣一が欲しい嘉藤。交わらない執着は、別れから2年経った今も変わらずそこにあります。しかし変わったのは「なぜわからないの?」という不満。理想の押し付け合いは、いつしか諦めへ、そしてその先へと変化していきます。
旅館での一幕は、一つのきっかけではないでしょうか。嘉藤の望みを叶えるため、一晩だけ閨を共にしてほしいと強請る惣一。最終的に非情な言葉をかけながらも、また、嘉藤はその身体を抱きます。再び肉体関係を持った、という事実だけではなく、その心の在りようが、特に頑なだった嘉藤の心が変化していくのが、情事の中、垣間見える気がします。
最終的に、惣一は大規模な抗争に巻き込まれ、拉致監禁、行方不明になります。生存も不明、絶望的な時が流れてもなお、嘉藤は諦めず、彼を探し続ける。しかしようやく見つけた惣一は、薬と壮絶な環境で精神が壊れ、取り返しがつかない状態になっていました。
嘉藤は、これまでの選択その全てを「惣一が理想の組長になること」へ捧げてきました。いつか元に戻ると信じて、二人だけ、惣一の療養の旅に出る。そして、「二度と戻らないと悟った理想の残骸を捨てるのか」これが嘉藤にとっての最後の選択だったと思います。精神を壊してもなお、嘉藤を求める惣一を見放すことも出来たはず。そうしなかったのは、惣一がトップにいない組に魅力を感じなかっただけでなく、嘉藤にとっての惣一が、理想のボスから別のものへと変化していたからかもしれません。それをどう表現するのかはわかりませんが、これが彼らの純愛の行き着いた先であるのでは、そう思いました。

最後、いつか嘉藤の名前も忘れるのではという問いに、「忘れたら教えて」と惣一は言います。忘却の儚さは痛ましいものだけれど、失われてもまた蘇る、そんな永遠への希望を、その言葉から受け取ったような気がしました。

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Posted by ブクログ 2019年05月17日

同人誌の時からちょっとずつ貪るように読んでいたけれど、こんなに感情を揺す振られて引きづられる作品もないのでは。書き下ろしが加わることによってやっと嘉藤も覚悟を決めた幸せの結末に感無量。いや今までも既に惣一を愛し始めてはいたけれどヤクザとして生きていく以上組長としての理想も捨てられない訳で。書き下ろし...続きを読むの惣一の妄想は嘉藤の希望でもあったんじゃないのかな。やっと幸せに気づいてそれはかけがえのないもので絶対に失いたくない忘れて貰いたくないもの。組からの消息を絶つ事で一切の未練も残さず消えて二人で生きていく決断をした嘉藤と純愛を貫いた惣一に涙が止まらない。ハチと同じように読書の私たちからも永遠に姿を消してしまった事に寂しさを感じるけれど、何処で永遠に誰にも邪魔されず幸せに生きているのだろうな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年07月04日

暗くて辛くてしんどくて眉をひそめながらも先を読まずにはいられなくて一気読み。ある意味ハッピーエンドなんだろうけど、読後感はどんよりと重い。「箱の中」もたいがい暗くて悲惨だと思ってたけどこっちの方がさらに暗かった。でもどちらも最後まで引っ張られるように読まずにはいられないから、またこの作家の本を探して...続きを読む読むんだろうな。

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Posted by ブクログ 2020年01月14日

上下巻一気読み。
「月に笑う」と同じテンションで読むとびっくりするかもしれません、、同作者様でいえば、コールドシリーズあたりと似たテイストです。
なんというか…もう、なんというか…質量がすごい。悲惨、残酷、究極の愛…どれも合っていてどれもしっくり来ない。
イージーでハッピーなBLが世に溢れる中(それ...続きを読むはそれで好きだけど)、ひとつの恋を叶えるために、こんなにならなきゃいけないの?と、悲しくてつらくて、ぐるぐる考えてしまうけれど、この2人にとってはこの形しか無い。噛み砕いたあと、圧倒的な悲しみと共に、はじめてこの結末を受け入れたというか、理解できた気がします。
たぶん、ハッピーエンドなんでしょう。そう思うのに、思いきり感情移入してしまっているせいで、何とも言えないドスンとしたものが胸から離れません。
面白いというか、すごい。すごい作品。
また木原先生の作品に思いきり殴られた、、笑 きっとこの傷はしばらく治らないと思うのです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年09月26日

はぁ…読み終わってしまった…

この本は最高です。
ヤクザ、任侠物を読みつつBLも読めて痛い描写も読める。
私得でしかなかった…。

沢山の組もでてくるし大小様々な面倒事や事件もあって
下巻は特にほぼハラハラで進むのでページを捲る手が止まりません。
そんなことになるなんて、、、と胸は痛んだけど、一筋...続きを読む縄ではいかないよな、木原さんの本だもんなと何度も思い結末を見た時には、なんとも言葉にはできない気持ちになりました。(いい意味で!
悲しいやら切ないやら、でも良かった…とも思ったり本当に沢山の気持ちが綯交ぜになるけど、確実にあの2人には愛があるんだろな。
それでいいか、2人がどこかで暮らせていることを願おう…と感傷的になってます!
読む人を選ぶけど私には最高の本でした。

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Posted by ブクログ 2020年10月25日

ヤクザ社会の中のBLのお話。組長が若頭を好きになる。組長の惣一は、若頭の嘉藤ひとすじで、愛と性があれば何もいらない状態なのは映画「ベティ・ブルー」に通じるものがあった。男同士というせつなさが伝わってきた。
星を減らしたのは性的描写が具体的すぎて多すぎるところです。そういう描写に嫌悪感はないのですが、...続きを読む純粋にお話を楽しみたいときに長すぎて不要でした。

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購入済み

勘弁してよー

2020年05月16日

嘉藤がなかなか振り向いてくれないんだもんね。
ハッピーエンドにするには、こうするしかない。
さすがの木原先生で読み応えはあったけど、読みたい作品ではなかった。

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