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重かった。でも面白くて一気読みだった。
上下巻読んで、結論として思うのは、どこまでも、最後まで惣一は一途だったなと言うこと。
スタイリッシュで頭もすこぶるよく、手に入らないモノが今まで無かったであろう惣一が、唯一手に入れられなかったのが嘉藤だった。なので気を引きたかったり自暴自棄になったりで変態的な行動を取り続けたけど、嘉藤からは酷く傷つけられてばかりで愛してはもらえず、本当に哀れだった。
父である組長が殺されて、復讐の為立ち上がった惣一を、理想の組長として立たせたい嘉藤の願い通りに、惣一はそれを体現して見せる。けれど、本当の彼の望みは嘉藤に愛してもらえる事だけ。叶わぬ望みと知りながらも体を変えることを選んでしまう程の純粋で強い愛に泣けて泣けて。
嘉藤は恋人としては受け入れてくれないけれど、惣一に対する執着と忠誠は違った形の愛だと思う。二人の生きる世界は非情で危険な救いのない場所なので、義理を立てた苦渋の判断で、二度と取れ返しのつかない失敗を犯してしまった。それでもまだ何とか間に合うのではないかと期待して読み進めたけど、容赦ない結末が待っていて…。
波乱過ぎる人生を送ってきた惣一は、たぶん因果応報の清算をして神に許されたんじゃないかな。嘉藤は時々、なんだこの生き物はと我に返りつつも、惣一と離れることはできなくて、完全にヤクザの世界と縁を切って長い長い余生を二人でささやかに送って行くのだろうな。
泥や汚物にまみれた中から出てきた珠玉のような、純愛の物語でした。
Posted by ブクログ
衝撃度指数。
最大100%のうち、500%…
上巻に引き続き、お股がヒュンってなって危うく消えそうになりました(何がってナニが…)
灰の月は総じてどんな物語か。私には説明が不可能なので木原さんのあとがきの言葉を引用させて頂きます。
「殺伐とした、ある意味狂った人たちの胸焼けする話を最後までお読みいただき、ありがとうございました。」
個人的には胸焼けと言うよりもガツンとやられて読み終えた今も放心状態ですが、このテンションのまま感想を書いた方が500%が伝わるかなと思ったのですが…
そもそもどう感想を書けば良いか分からない事に気付く。
ですが星は勿論5です。
ネタバレになるので詳しくは言えないのですが、インテリ美人ヤクザの聡一さん、下巻の方が、特に最後の聡一さんが1番好きでした。
一見、変態の私が驚愕する程の変態MAXな聡一さんだけど、下巻で、いや聡一さんは実はピュア過ぎるのでは…?と思い直す。
既読の方の中では賛否両論あると思うのですが、私は下巻の聡一さんがめちゃくちゃ好きだった。
なんという純粋な想い…報われるか分からないのにここまでするとは…。いっそ泣けていた、私は。
秘書兼ボディーガードの嘉藤も、拒絶し複雑な想いを抱えながらも全く見捨てないし、それを人は愛と呼ぶのだぜ?!と何度も心で語りかけてしまった。
なので、エンディングも物凄く良かった。良かったよ、本当に!!
今まで読んだBLの中で実は1番の純愛なんじゃないのか、これ…。
そう思ってしまう私も狂ってるのか…?
それでも良いわ、深淵を覗く時、深淵もこちらを覗いてるんだから。(ニーチェもビックリだわ)
下巻はヤクザの抗争も丁寧に描かれていて、そっち方面でもハラハラ出来るのですが、途中とその後の衝撃で全部吹っ飛ぶ。ヒュンってなる。
色んな方面でエグいのに耐性がある私でも吹っ飛んだ。
BLを読み始めてまだ浅いのですが、木原さんのは相変わらずジャンルを超越して来てる。それは私にも伝わる。
一番強烈だったのは、やっぱり惣一がピュアを煮詰め過ぎてとある物をアレする所(壮大なネタバレなので伏せますが、アレコレ想像してみて下さい)
ふぁあ?!となったけど、読み進めつつ考えてみるとあの場面はただの衝撃描写では無く、惣一の孤独や渇望が凝縮されていて、哀しさが押し寄せて来る。そして驚愕と哀しみと純度500%の純愛に、読み手の心をめちゃくちゃにしてくる。
更に嘉藤との関係も真っ直ぐにはならず、捻れた愛や依存に満ちてて苦しいのに、どうしても目を逸らせない!
ページを閉じてもずっと余韻が残って、今放心状態…と言うわけです。
簡単に「よかった」とか「面白かった」とは言えない作品です。
でも間違いなく、読んでしまったら忘れられない一冊。
『箱の中』よりも衝撃度は上。まあ別物ですけども。
そして私は好き。でもここでは素直に言えるけど、安易に「好きだった」と紹介すると私のイメージがどえらいことになる作品なのも事実…。
BL文学と言うジャンルと照らし合わせて思った事も少し。
基本的にハッピーエンドが多いと言われるジャンルですが、本作も私的にはハッピーエンドです。
私が読んできたBL文学はどれも美しく、性別を越えた先にある純愛に恍惚とする方が多い理由が分かりました。
そんな中で木原さんの作品は生々しい問題も盛り込まれている印象です。ずっと恍惚としたい方からすると、綺麗なステンドグラスを全力で回し蹴りされた上に、バールのようなものでこれでもかと叩き割られる感覚になるかも知れません。
けれど、木原さんの作品には割った先に一つだけ野花が綺麗に咲いているイメージ。
その美しさに激しく心を揺さぶられる。
ヒュンってなるけど。
本作は『月に笑う』のスピンオフらしいので、また本編も読んでみたいと思います。みんみんさんが仰るにはヒュンってしないそうです。
みんみんさん、お勧めしにくい作品をご紹介下さりありがとうございます!木原さんが益々好きになりました!木原さんには変わらずにステンドグラスを叩き割って欲しいです。
さて、放心したまま夕飯の食材の買い出しに行こうと思います。
ずっとヤクザの抗争に揉まれていたので肩で風切って歩いてしまいそう(昭和のヤクザ寄り)
次のBLはおびのりさんの推しのお褌を堪能する予定です(凄く誤解されそうな書き方…)
Posted by ブクログ
月に笑うのスピンオフシリーズ。月に笑うを読んでそのままこの作品を読んだので、テンションの違いに吐きそうになりました。でも、ただのBL作品ではないドスンとくる重たさがあるのが木原先生。「箱の中」でファンになった私ですが、また違う角度で心を掴まれた感じがします。
ハッピーエンドなのか、もはや私には分からない。でも先生の作品ではいつも、何もかもを失って残ったものを大事にする主人公が描かれているので、そういう点ではこの2人はハッピーエンドだったのかなと思いました。好きな作品は何度も読み返す私ですが、先生の作品は胸焼けするくらい苦いので、この作品も2度目を読む日は遠くなりそうです。でも、1度読んだだけでここまで何かを抉られる経験はそうそうないので、やはり先生の紡ぐ物語は、文体は好きだなといつも思ってしまいます。
Posted by ブクログ
同人誌の時からちょっとずつ貪るように読んでいたけれど、こんなに感情を揺す振られて引きづられる作品もないのでは。書き下ろしが加わることによってやっと嘉藤も覚悟を決めた幸せの結末に感無量。いや今までも既に惣一を愛し始めてはいたけれどヤクザとして生きていく以上組長としての理想も捨てられない訳で。書き下ろしの惣一の妄想は嘉藤の希望でもあったんじゃないのかな。やっと幸せに気づいてそれはかけがえのないもので絶対に失いたくない忘れて貰いたくないもの。組からの消息を絶つ事で一切の未練も残さず消えて二人で生きていく決断をした嘉藤と純愛を貫いた惣一に涙が止まらない。ハチと同じように読書の私たちからも永遠に姿を消してしまった事に寂しさを感じるけれど、何処で永遠に誰にも邪魔されず幸せに生きているのだろうな。
Posted by ブクログ
上下巻一気読み。
「月に笑う」と同じテンションで読むとびっくりするかもしれません、、同作者様でいえば、コールドシリーズあたりと似たテイストです。
なんというか…もう、なんというか…質量がすごい。悲惨、残酷、究極の愛…どれも合っていてどれもしっくり来ない。
イージーでハッピーなBLが世に溢れる中(それはそれで好きだけど)、ひとつの恋を叶えるために、こんなにならなきゃいけないの?と、悲しくてつらくて、ぐるぐる考えてしまうけれど、この2人にとってはこの形しか無い。噛み砕いたあと、圧倒的な悲しみと共に、はじめてこの結末を受け入れたというか、理解できた気がします。
たぶん、ハッピーエンドなんでしょう。そう思うのに、思いきり感情移入してしまっているせいで、何とも言えないドスンとしたものが胸から離れません。
面白いというか、すごい。すごい作品。
また木原先生の作品に思いきり殴られた、、笑 きっとこの傷はしばらく治らないと思うのです。
勘弁してよー
嘉藤がなかなか振り向いてくれないんだもんね。
ハッピーエンドにするには、こうするしかない。
さすがの木原先生で読み応えはあったけど、読みたい作品ではなかった。
さすが
まず、事件に巻き込まれ窮地に陥った受けをスバダリな攻めが助ける胸キュンストーリーを求める方はこの作品からUターンしたほうがいいです(笑)
前作「月に笑う」のスピンオフ作品だと思い安易に手を出してしまいました……。
読後感はヘビー級で重量感はかなりの物です。
枠としてはBLではありますが、任侠ものとしてもよく出来ています。
次から次へと巻き起こる事件に先行き不明、不穏すぎる怒涛の展開に「嘘でしょ……嘘でしょ……」「お願い幸せになって!!!!」と悲痛な叫び声を上げてしまいますが、拉致監禁されてた惣一さんが助けにきた嘉藤に対し放った一言に「あぁ……………私は木原作品を読んでたんだった……」とガツンと打ちのめされ 、この作品がどこへ向かおうとしているのかを悟り覚悟を決め読破。
出だしはサラッとスピンオフ作品として始まりますのでつられてうっかり読み進めてしまうと、木原節がボディブローでじわじわ締め上げてきて気づいたら苦しいのわかっていても読むのやめられない、という沼にハマっちゃうやーつ。
登場人物ヤクザオンリーなんで人は死ぬは暴力シーンも壮絶、「そこまでやるか?!」と容赦の無さですが、最後まで手をぬかない筆圧をどうぞお楽しみ頂きたい。
無理だろうけどコミカライズでもして頂けないかな~~。
Posted by ブクログ
上下巻の表紙を並べると寂寥感ハンパなくて、思わず惣一さ~ん!と叫びたくなってしまいます…梨とりこセンセのイラストがピッタリで素晴らしいです。
木原センセの作風をしっかり理解してから読まないと、単に痛いBLだと思って手に取ったら生涯トラウマになりそうな劇物レベルのお話です。わかってても、澱のように心の底にドロドロモヤモヤが…
問題点は、嘉藤と惣一の間に妥協点が皆無なことですね。あくまでも嘉藤は惣一に自分の理想のボスの姿を求めてやまないし、一生惣一を支えて行きたいとマジで思ってる。
なのに、惣一は女みたいに抱いてくれよ~、恋愛対象としてみてくれよ~、としか思ってなくてある意味ガンコでブレがない。
ずっと気持ちが平行線。惣一は愛情表現が不器用だなと思わずにはいられなかったです。もっと他のBLの美形893みたいに小悪魔になればいいのに…とか。
特に、嘉藤は恋愛に関して鈍感通り越して理解していない感じ。多分悲惨な生い立ちに原因があるんだろうけど、Hはできても感性として恋愛不能者ぽいです。
惣一が全身全霊でラブを訴えているのに、ただの淫乱だと思ってるところとかw
嘉藤は、恋愛には適合してなくても、人としては忠実で筋が通ってるのが美点ですね。惣一が死ぬくらいなら、理想とはかけ離れたがっかりなボスでも生きてくれる方が嬉しいと捜索を続けるその執念は、ある意味愛ですよね。
惣一のそばでなくては生きている意味がない。みたいなところに難儀な愛を感じてしまいました。
惣一はどんな姿になっても惣一、という気がしてならなかったです。でも本人は男の娘の姿が一番テンション上がってたかも。
エロ的には、なんかもうHENTAI的に萌えました。嘉藤がみっともないボスの姿に不満爆発させながらの執拗H。
すごいドSプレイで(でも言葉攻めだけでフィジカルには気遣いがすごいのがまたいい!)萌えまくり。たまりませんでした。
惣一の必死さもいじらしくて、どんどんかわいく思えてきました。
ラストまで気が抜けない抗争シーンがてんこ盛りで、手に汗握ったまんま。けっこう疲労します。
終着点はこれが一番安堵できるし、互いへの歩み寄りが少しだけ見える形になってるように思います。勝手にそう解釈しました。
もう少し二人のその後が見てみたい気もするけど、ハチさん知らせてくれないかな。
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