【感想・ネタバレ】国芳一門浮世絵草紙1 侠風むすめのレビュー

あらすじ

浮世絵師歌川国芳と娘登鯉をめぐる人間模様

『笹色の紅』で評論家の絶賛を浴びた新鋭作家の、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第1作。 天保の改革で、贅沢なものが次々と禁止になるさなか、見事な戯画で大人気を博した歌川国芳。ついには国芳も奉行所に呼び出され、顔見知りらしかった遠山の金さんと全面対決へ。さて、その顛末はいかなることに!? 国芳と妙ちきりんな弟子たちとが織りなす浮世模様を、国芳の娘の絵師・登鯉の目から格調高く描く。

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Posted by ブクログ

作者、河治和香さんは江戸風俗画家三谷一馬氏に師事。江戸の風俗を学んだ、日本大学芸術学部卒の作家。
江戸の浮世絵画家といえば、葛飾北斎、そして次は歌川国芳だろう。
歌川国芳も多作な画家だ。家族の他にも弟子達食い扶持を稼がねばならなかったからだし、また愛情深い人物なのだ。
そんな国芳に弟子入りした面々も癖が強いものばかり。明治時代にまたがるこの時期に活躍しているし、エピソードが多い。

江戸の風俗も詳しく描かれているが、何にもましてこの親子の関係が面白く愉快。
他の時代小説にも参考になるほどの江戸文化の詰まった濃厚なシリーズ!

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2021年04月16日

Posted by ブクログ

浮世絵は大好きで、葛飾北斎、歌川国芳、河鍋暁斎が特に好き。その、国芳の娘が主人公の短編集。中身は、本当に江戸情緒が満載で、言葉も風俗もすごーく江戸らしい。入れ墨って、江戸の人にとってすごく意味のあるものだったんだねぇ。

国芳を最初に好きになったのは「源頼光公館土蜘蛛作妖怪図」という風刺絵で、最期の一編がこれの話でした。彼が活躍した当時、幕府は贅沢禁止令を出して庶民を苦しめていましたとよく言われている時代、鳥居耀蔵が悪役としてよく登場する時代です。鳥居耀蔵って、林大学頭の子だったのか、知らなかった。当時の改革という名の庶民締め付けの様子がとてもよく分かります。
浮世絵というと普通は絵師のことしか話題に上りませんが、中に一編、彫り師がメインに出てくる話があって、これがカッコイイ!

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2009年10月04日

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 江戸末期、天保年間の町絵師最大一派、歌川国芳の一門を描くシリーズ第一巻。
 本作は国芳の長女、登鯉の視点で描かれる。

 隅田川に流される、磔にされた女、それと男の生首が江戸っ子たちの話題に上がる。
 旗本に嫁いだ女が男と駆け落ちしただの、男が女を寝取っただのと、いろんな噂が飛び交う江戸の町。

 ちょうどそのころ、国芳に入門したいいところの坊主、周三郎が写生に使うと川から拾ってきたモノは、女の生首だった。
 腰を抜かす国芳の弟子たち、そこへ乗り込んでくる岡っ引き。

 この事件が元で南町奉行が入れ替わるのだが、そのころから江戸には禁制の嵐が吹き荒れる。
 世にいう、天保の改革。
 錦絵への制限が増えていくも、国芳は江戸っ子の気風と啖呵で新たな画法を編み出していく。

 すぐに国芳一門から家に連れ帰られた周三郎、のちの河鍋暁斎である。

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2021年01月04日

Posted by ブクログ

江戸の暮らし・風俗を、国芳の娘の視点から軽妙なタッチで描いていて、知らない細かいエピソードが多く勉強になる。

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2020年07月08日

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登鯉ちゃんは可愛いなあ。
勢いで書いたものを勢いで読んでいる感じ?
私は好きだけど、好きじゃない人は好きじゃないだろうなあ、というのもわかる。
荒々しい書きぶり。
でも、登鯉ちゃんが可愛いんだよなあ。

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2019年08月21日

Posted by ブクログ

江戸の天保期といえば
ヨーロッパではモーツァルトが活躍していたころ

日本にも
魅力的な人たちがいました
はい 北斎、広重、英泉、国貞、貞秀、
そして、国芳さん
江戸の町を舞台に
国芳さんの娘、登鯉さんの目線から
見た
浮世絵師たちの暮らしが
描かれる

いゃあ
面白いなぁ

そういえば
少し前に読んだ「おもちゃ絵芳藤」
の絵師 芳藤さんも 国芳一門
でした

もちろん、
この一冊にも登場されます

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2018年04月05日

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国芳一門のあれこれを娘登鯉の視点で,これでもかって言うぐらいの江戸っ子ぶりで描かれていて,とってもおかしくてホロリとさせられる.それにしても,江戸っ子でいるのも大変だ.

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2016年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【本の内容】
前作「笹色の紅」が評論家に絶賛された新鋭が、鉄火肌の浮世絵師国芳と、脳天気な弟子たちの浮世模様を娘の女絵師登鯉の目から描いた、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第一作。

国芳の娘登鯉は、刺青が大好きで博奕場にも平気で出入りするような“侠風”な美少女。

一方で、天保の改革を鋭く諷刺した国芳は、とうとう北町奉行所に召喚されてしまう。

[ 目次 ]


[ POP ]
柴又生まれの江戸っ子作家、河冶和香さんの書き下ろしシリーズ第1作である。

今回のは江戸末期を代表する浮世絵師の一人、歌川国芳一門の活躍を娘登鯉(とり)の眼から描いた作品である。

登鯉は入墨が好きで吉原や博打場にも平気で出入りする”侠風(きゃんふう)むすめ”。この早熟な娘を通じ、当時の江戸の風俗がとても生き生きと描かれており、その映像が目に浮かんでくるようである。

遠山の金さんも脇役の一人に名を連ね、物語に華を添えているあたり、時代小説ファンにとってはたまらない展開である。

まだ書き尽くしていないところがあちこちに見られ、今後のシリーズ作品で明らかにされていくのが楽しみでならない1冊。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年11月22日

Posted by ブクログ

国芳一門の話。
「ヨイ豊」で豊国一門の話を読んだ翌日に読んで、清太郎(4代豊国)がひどい奴に書かれていたので、びっくり。

国芳を筆頭に、登場人物が魅力的でテンポも良く、話が進んで面白かった。
章毎に関係する浮世絵が載せてあるのも良かった。

ただ、国芳の娘 登鯉(とり)が、あまり絵に向かっていない(のに上手い設定)で、男に夢中なのがどうも好きになれなかった。

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2016年04月29日

Posted by ブクログ

とにかくおもしろい!
国芳一門の連中のおかしさったら。そして登鯉ちゃんの大人びた、ある種冷めたようなものの見方がいいです。
そんな登鯉ちゃんも、やっぱりまだまだ子供な部分があって、そういうところがまた可愛いんだよなァ~って、もう、出てくる人みんなバカで情に篤くて、ニヤニヤしてしまう。
江戸の風俗、異常な取締りの強化などもおもしろおかしく書かれていて。
作者さん、粋です。

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2009年10月13日

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