【感想・ネタバレ】令和最恐ホラーセレクション クラガリのレビュー

あらすじ

最旬ホラー作家が勢ぞろい!

暗がりから溢れ出し、人を呑み込む〈怪異〉。現代最高峰のホラー作家たちが生み落としたソレはあなたに一生つきまとう――。

背筋×ハイファッションの呪縛、澤村伊智×深夜の客人、梨×「恐怖症」売りの女、コウイチ×地方ロケ、はやせ&クダマツ×怖すぎる心霊物件、栗原ちひろ×セレブ一家の闇……

究極の6ストーリーズ

【目次】
○背筋「オシャレ大好き」
○澤村伊智「鶏」
○コウイチ「金曜日のミッドナイト」
○はやせやすひろ×クダマツヒロシ「警察が認めた〈最恐心霊物件〉」
○栗原ちひろ「余った家」
○梨「恐怖症店」※

※本書に収録されている「恐怖症店」(梨)は、2025年7月4日に電子書籍オリジナルとして配信された『恐怖症店』と同じ作品です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

背筋「オシャレ大好き」
先頭の羊に何も考えずついていく人たちの話。

澤村伊智「鶏」
メントールのタバコを吸ってもしその人が鶏になったとしても、タバコを人からもらったその人がいけないだけで、何であげた人に責任被せるような言い方するのか不明だけど、お話はちょっと面白い。

コウイチ「金曜日のミッドナイト」
結局金庫を開けたことがまずかったの?セーラームーンの格好のおばさんは金庫の中身と戦ってたの?

はやせやすひろ×クダマツヒロシ「警察が認めた〈最恐心霊物件〉」
最初の話と随分違うのは置いといて、腹立つよね、関係ない人に怖い思いさせるって。結局何だったの?本当に霊ではなく人が侵入してきてるならそこは解決しないといけない問題では?

余った家/栗原ちひろ 
家(血縁)が嫌なら近づかなければいいのに。どうして理解してもらおうとか思っちゃうんだろう?無理なんだし、無駄な努力なんだから自分は自分で生きていけばいいのに。この話だけ全然意味が分からなかった。

梨「恐怖症店」
一番よかったかも。とても優しいお話だった。恐怖症を売るだけでなく買うこともあるので、少し混乱する場面はあったけれど。「店主」は冷酷なようでいて情のある人(人ではないか)だな。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ハイブランド店で客が口走る不気味な言葉、一族で鶏肉が禁忌だと語る男、TVの街頭インタビューに見え隠れする町の不穏さ、時代を超えて《恐怖症》を売る女……他、ホラー最前線の書き手らによる6編を収録したアンソロジー。

・高級アパレル店に勤める恭子は会計の際に客が不可解な言葉を口走るのを耳にする。彼女たちはスマホで同じ写真を見せてきて……(オシャレ大好き/背筋)。意図せずして伝播する呪い。挿入されるドキュメンタリー番組の野性の羊は、そのまま現代人の姿ということか。
・深夜、雑誌編集部を訪れた漫画家。彼は席を外していた先輩に代わって応対した“私”に、自分の一族は鶏肉が禁忌であると語り出す(鶏/澤村伊智)。ある種のものを食すことがタブーな家系、というのは実際に聞く話だが、男の話の異様さに加えラストのダメ押しが怖い。
・TVの人気バラエティロケ。ある町の住民へのインタビューで語られる、お蔵入りした他番組のロケ、奇妙な生物に不審な集団、コスプレおばさん……(金曜日のミッドナイト/コウイチ)。何気ない話に垣間見える不穏さが増して行く怖さ。こういう“お蔵入り”の事例は実際にあるのだろう。
・怪談師がYoutubeで公開した心霊物件の話。それは自分の実体験である、と連絡をくれた視聴者の女性が語ったのはさらに恐ろしい内容だった(警察が認めた〈最恐心霊物件〉/はやせやすひろ×クダマツヒロシ)。実話怪談(と思しい)。件の部屋での女性の体験の怖さもさることながら彼女の訴えにも頑なに耳を貸さない夫の異様さ、さらに部屋を出た後も続く怪異がまた、怖い。
・美岬は誠実な恋人、光二との結婚に際し、家族が持つ田園調布の空家を新居として薦められる。穏やかだが支配的な家族に反抗してきた美岬だったが(余った家/栗原ちひろ)。成功者揃いの家族の中での阻害感。美岬から見た家族たちのコミュニケーション不全ぶりは不気味ですらあり、ラストの絶望感はただただ悲しい。
・時代と場所を自由に行き来し、求める者に“恐怖症”を売り、その対価として“情”の一部を受け取る女と助手の少年カタ。ある港町にて一人の少女が女達の前に立った(恐怖症店/梨)。恐怖症そのものよりも少女とカタの物語であり、ホラーよりもファンタジー色が強い。開催中の『恐怖心展』とのメディアミックス的な意味もあるようで。観に行く予定ではあるのでその辺確認して来ようかと。

 これが令和のイマドキの、様々な国産ホラーの形なのだなといった感じ、か。どの作品も怖さ、不穏さなどを愉しめるものではあるのだけれど、“令和最恐”かどうかは果たして……?

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2025年08月21日

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