あらすじ
トントンによって被告人に殺意があった真実を知ったジキルは、被告人に同情的な裁判員たちのムードを覆し、有罪に持ち込もうと目論む。そこで、中間評議の現時点で有罪か無罪かの決を採らせ、自分の意に反する裁判員を誘導してしまおうと企むも、薬師寺に見抜かれ、無記名投票とされてしまう。その結果、無罪6、有罪2、保留1と、数の上では圧倒的不利な状況に…
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嘘
人を裁くのが人だからこそ有罪か無罪か、有罪ならばどれ程の刑罰が妥当なのかが人によって異なる。
それを証拠が十分でない状態で裁判員が決めるとなると色んな意見があるなと感じました。
人が作ったルールの話
裁判を主な舞台に物語が進んでいく。
よくある裁判物と違うのは、裁判に対する作者の考え方。
推理や議論で主人公が、いわゆる正義の味方になるのではない。
物語の中で、裁判員制度をこき下ろしている点も興味深い。
人外が絡んでくるのも世界観としては面白い。
Posted by ブクログ
2巻になっていよいよおもしろくなってきた。“裁判員制度”にスポットを当てた旬の作品。今巻のメインでもある“保護責任者遺棄致死”容疑の母親の裁判はなかなか見応えあり。特殊な能力を手に入れたが故に“正義”に苦しめられるジキル。裁判員と裁判官、裁判官と裁判官。それぞれの思惑を抱え、壮絶なる心理戦が繰り広げられる。次巻も非常に楽しみな作品。
真実は視点で変わる
作中、裁判長が言う「私が正義」は憲法76条3項でいう「すべて裁判官は、その良心に従い独立して職務を行い…」であり正しい。そして真実は視点により変わり「裁判官が真実を作る」こともある意味正しい。裁判とは何がより証拠と辻褄が合い、正義に叶うかを判断するもの。犯行現場を見通せる能力があったとしても、証拠で証明できなければ被告人の利益として認定される。主人公の語る言葉と裁判員の心情の葛藤がよく描かれていると思う。