あらすじ
国民に生命の価値を再認識させることを目的として制定された法律「国家繁栄維持法」。この法律の名のもと、1000人に1人の確率で国民に注入される特殊カプセルは、対象者が18~24歳の期間に破裂し、その者の命を奪う。そして、そんな「死」の24時間前に対象者のもとへと届く死亡予告証こそが、通称“逝き紙(イキガミ)”と呼ばれる一枚のカードである。武蔵川区の“イキガミ”配達員・藤本賢吾が、今回届ける対象者は…!?
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Posted by ブクログ
この作品には複数の視点がある。
イキガミによって死を決定される人々を中心とした視点と、イキガミという制度を中心とした視点だ。
序盤は前者が集中的に取り上げられており、これはこれで面白くも、しかし白々しい。
物語のテーマがイキガミの制度になってからが本番。イキガミによって死ぬ人間の見え方が変わってくる。各話は美談や社会派ドラマとして単独で完結するものではなく、尾を引くようないやな後味を滲ませるようになる。
それがいい。
そこからが面白い。
今から買う人は、できれば3巻までは継続して読んでほしい。そのあたりから作品の性質がじわりと変わるので。