あらすじ
盟友・橘逸勢らと共に、遣唐使として長安に入った若き僧・空海。密教の真髄を「盗みにきた」と豪語する空海は、ありあまる才で多くの人を魅了していく。一方長安では、奇怪な事件が続いていた。役人・劉の屋敷に猫の化け物が取り憑き、皇帝の死を予言したという。噂を聞いた空海と逸勢は、劉家を訪れ妖猫と対峙することに。その時から2人は、唐王朝を揺るがす大事件にかかわることになる──! 中国伝奇小説の傑作ここに開幕。
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Posted by ブクログ
以前DVDで見た空海美しき王妃の謎の原作本。ずっと読んでみたかったのだが、先日BSで陰陽師の映画が放送されてたのをきっかけにここに来てやっと手出し。結論すごく楽しかった。
当時の長安の空気感や風物、宗教まで、色々楽しめた。ホントに当時の長安は国際都市だったんだなー。ゾロアスター教豆知識、仏教豆知識とか、教養的な部分も面白かった。ストーリーは陰陽師で慣れた伝奇物。ホラーテイストもありちょっぴり怖いが、空海が染谷将太さんの顔で余裕をかましまくるので安心して読める。
分厚めだが行間スカスカでテンポよく読めるので、あっという間に読み終わる。2巻にも期待。
Posted by ブクログ
これ1冊じゃ完結しない続き物なので、この後の展開が気になるところで終わる。
夢枕獏って、すごい難解な文章を書くイメージがあったけれど、
思ったより普通に読め、かつそこそこ面白かったので、
なんだか意外だった。
漢文はちょっと目が滑るけど、日本語文もあるので、そうでもない。
ただ、読みやすい現代風の台詞回しにしているとはいえ、遣唐使の時代なのに「空海さん」とか「マハメットさん」とか人の呼び方をさんづけにしているのは、どうにも違和感があった。
せめて「殿」とかもうちょっとなかったんだろうか。
Posted by ブクログ
空海が主人公と聞いて勝手に堅苦しいイメージを持ったが、猫の妖怪が出てきたり、地面から大きい人(?)が出てきたり、中々ファンタジックな内容で面白かった。
夢枕獏さんの小説を初めて読んだが、改行が多くてとっても読みやすい。改行しまくって用紙の枚数を稼ぐ小学生の作文みたいだ。
なので村上龍の小説のようにページをめくって「文字だらけだ…」と絶望することはない。ホント読みやすいので普段小説を読まない人にオススメ。
Posted by ブクログ
2014年は空海が四国霊場を開創して1200年目とされる年。伝説が多く残っている一方、教科書では数行しか掲載されていない空海。四国住まいの者として、少しでも空海のことを知るきっかけになればと思って読み始めました。
夢枕さんの作品はこれが初めてなのですが、ちょっとぐろい表現もあって、うっ…となりつつ読みました。妖怪が怖すぎる…
ページ数が多い割に、会話のテンポが良くて読みやすかったです。
空海の親友、橘逸勢のキャラが愛しかったです…(笑)
空海の才能、能力に驚き、奇怪な事件にあわあわしている姿が読者視点に近くておもしろい。
読んでいてはらはらするものの、堂々としていてどんな状況にも動じない空海に安心感を覚えます。
次巻も楽しみです。