【感想・ネタバレ】バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下のレビュー

あらすじ

バベルが供給する、銀を用いた魔法によって世界を支配する大英帝国。通訳として広東を訪れたロビンたちは、イギリスが阿片貿易を口実に清朝政府に戦争をしかけ、中国が持つ膨大な銀をわがものにしようとしていることを目の当たりにする。そしてロビンは、後戻りのできないひとつの決断をする。帰国したロビンたちは、戦争を食い止めるべく奔走するが……言語の力を巡る本格ファンタジー。ネビュラ賞、ローカス賞受賞作。

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Posted by ブクログ

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物語は佳境に入り、登場人物がどんどん死んでいく。
バベルの塔を占拠しストライキを決行。ラッダイトやチャーチストと同盟し、議会の中国との戦争決議を阻止しようとする。同盟がすぐに結ばれるのは聊か安直。
「翻訳とはー他人の話に耳を傾け、自分の偏見を越えて、相手が言おうとすることをわかろうとすること。自分自身を世界に示し、ほかのだれかが理解してくれることを期待する。」

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

もし原題のうち省略された部分(バベル、もしくは〇〇)を知っていたら、どういう読書になっていたのか考えてしまう。しかも創元の紹介HPのファンタジーっぽい登場人物イラストとかの騙し要素に完全に誘い込まれたし。で、下巻からは怒涛かつ想定できる厳しい展開で、まさかこうなるとは正直思ってなかった。帝国主義のイギリスに翻弄される革命家たち。4人それぞれの避けられない運命は胸を打つ。現実と虚構を取り混ぜたスケールの極めて大きな異世界が構築されており、素晴らしい小説。この類の読書を習慣とする者は必読だと思う。

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

難しかったけど、面白かった。
人種差別のあった中で行きていくために、ロビンが殺された人達を思い、暴力で打ち負かそうとすることは認められないけど、理解は出来た。
最後まで仲間がいたことは良かったと思う。

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

CL 2025.4.7-2025.4.10
本書の原題が「バベル、あるいは暴力の必要性ーオックスフォード翻訳家革命秘史」であることを考えれば、このラストはある意味そのままで、予測できるけど。それでも下巻はなかなかに厳しい状況ばかりで切なくもある。
19世紀のイギリスの傲慢すぎる帝国主義、今に残る白人至上主義。決して過去の話ではない。
こういう作品が日本の若い人にももっと読まれるといいのにと思ってしまう。

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2025年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以下ネタバレしてます!!!

 架空歴史学園ファンタジー? いやいや、これは、革命史。そう、タイトルは「バベル オックスフォード翻訳家革命秘史」後書きによれば、英語タイトルでは「バベル、あるいは暴力の必要性 オックスフォード翻訳家革命秘史」だそうで、助長なので「あるいは暴力の必要性」は削られたそう。読後に知ったけれど、たいへん的を射たタイトルだと思った。

 上巻は楽しい。でも、ひたひたと変化が追ってくる緊張感を感じていた。ゆっくり澱が形成されていくように。生い立ち、血のつながり、搾取、差別、被支配、暴力、孤独。
 上巻の終わりにそれまで澱のように沈んでいたものが撹拌され、衝撃的かつ決定的な事件が起こり、どうなるんだこれ?と、下巻に入る。
 下巻はもう、心が痛かった… 時間は戻せない。 
 大英帝国の搾取と差別に対抗しようとする「ヘルメス結社」との関わり、個々の立場や想いが交差し、ドラマティックに描かれる。
 そして、この本は「革命秘史」だったねと納得がいった。そして、「暴力の必要性」にも。
 「暴力」が根底に流れるテーマだと読みながら思っていた。そもそもこの物語は「暴力」で始まっているのだし…ロビンの人生自体が帝国とラヴェル教授の搾取という暴力から発生している。
 抵抗と革命のあたり、革命とは暴力的で個人的なものなのだな、と思った。わたしには賛同できる事よりできない事のほうが多かった。それは、どうにもできない状況に怒りを感じていたため。他に方法はなかったのかなと。自分がその立場ならどうするか、彼らはなぜその行動を選んだのか。考えさせられた。塔に残った人、去った人はそれぞれ自身をどう納得させたのか。描かれなかった人々の心情も思う。
 結末は予想のできる事だったけど、そこに至るまでは少し長く感じた。最期は非常にエモーショナルな美しい描写だった。

ここから更にネタバレ↓








 ラミーがもし生きていたら、たとえレティと分かり合えなくとも、状況は変わったのではとも思う。だけど、どんなに考えても、ラヴェル教授の殺害と死体遺棄をした時点で、詰んでいるように思えるんだ。
 殺害を事故に擬装する事はできなかったのか、酌量の余地を考えなかったのか、相談できそうな支援者はいなかったのか。でも彼らが搾取される翻訳機械であると思えばそれもなかなか難しそうで。
 ロビンは生きるための何もかもを失ってしまったと絶望したし、時間も状況も待ってくれなかった。
 作者は最後の塔の破壊とロビンの自己破壊とあの呪文を揺るがないものにするために布石を打っていて、どうにも救えない。
 有色人種で女性という帝国で非常に不利なヴィクトワールが希望を繋いでくれたのが救いだった。


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2025年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

差別や格差の構造的な問題を銀と翻訳の魔法の世界を使って読者に分かりやすいように表現したかったのかなと思った。あまりに分かりやすく説明されたため、この物語で重要なのはその問題を説明することであり登場人物たちや銀と翻訳の魔法は説明用に都合よく設定され用意されただけの存在に思えた。魔法は斬新な設定で登場人物たちも特殊な出自でどれも面白いのに、その魅力を味わえる話があまりなかった。語源の話は普通に面白かった。ロビン以外の主要キャラの退場がアッサリすぎて悲しい。いやほんと、世界観の作り込みはすごかったけど気持ちいい展開が無くてずっとストレス。ご都合主義な展開が好きというわけではないはずだが。普通に好みじゃなかっただけ?本国ではバズったそうだし翻訳が合わなかったという可能性もある。読み応えはあった。

追記:思い返せば上巻までは本当に面白かった。ラストでラヴェル殺すの激アツだった。下巻の展開が気に入らなかっただけなのかも

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2025年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

後半はテンポ良い気もした。
善悪が割とさくっとはっきりして。
どういうふうに終わるのかと思いながら。
その後は…

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2025年05月28日

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