【感想・ネタバレ】GOAT Winter 2026のレビュー

あらすじ

大ヒット!話題沸騰の新文芸誌、第3号!

〇特集「美」

【小説】
高瀬隼子 九段理江 間宮改衣 山口未桜 芦沢 央 井上先斗 大前粟生 児玉雨子 蝉谷めぐ実 永井紗耶子他
【インタビュー】
池田エライザ
【対談】
上白石萌音×藤原さくら
恩田 陸×鈴木成一
【芸術新潮コラボ企画】
暮田真名×Nerhol
ぱらり×諏訪 敦
【鼎談】
佐藤 究×IIISU

[本格ミステリ特集]
【鼎談】
青崎有吾×阿津川辰海×白井智之
【エッセイ】
有栖川有栖 法月綸太郎

【私のGOAT本】
町屋良平 松井玲奈 宮内悠介 yama他
【文学賞】
第3回GOAT×monogatary.com文学賞 受賞作発表
選考委員長:加藤シゲアキ

【対談】
藤ヶ谷太輔×朝井リョウ
俵 万智×岸田 繁
平野啓一郎×マライ・メントライン
【鼎談】
浜辺美波×目黒 蓮×長月天音

[特集]
「ぎんなみ商店街の事件簿」完全ガイド
読書系 YouTube「ほんタメ」×「GOAT」コラボ
【対談】たくみ×齋藤明里
【インタビュー】井上真偽 新作試し読みも!

【小説】
金子玲介 貴志祐介 佐原ひかり 遠田潤子 八木詠美

他豪華企画多数!

※この作品は一部カラーが含まれます。
※本電子書籍に掲載されている二次元バーコードは、端末の機種やアプリの仕様によっては読み取れない場合があります。その際はURLからアクセスしてください。

(底本 2025年12月発売作品)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

youtubeで紹介されてて気になってたので初めて文芸誌なるものを買ってみた。
思った以上にボリュームあってこれで510円!?大丈夫か?と思ってしまった。
これで好きな作家見つけて長編を読むのが良さそう。
文芸誌って連載ものがほとんどでいきなり読み始めてもついていけないことが多そうなイメージだったけど、ほぼ全部読み切りで楽しめた。

読んだ順でメモ。記号の意味は以下の通り。
◎=めっちゃよかった
〇=結構面白かった
×=途中で読むのやめた

◎永井紗耶子/そとばこまちの夜
一応近代よりだけど時代小説。横浜にいるジャズシンガーの話。
木挽町のあだ討ちのイメージがあったからカタカナがたくさん並んでて新鮮。
そしてちょっと幻想的なオチもありめちゃくちゃ新鮮だった。
こういうのも書けるのね…。

◎高瀬隼子/ふたえ
単身赴任している父親が整形しちゃってた話。
ただそれだけなのに読ませる筆力。
孤独とか無関心とかがちょいちょい顔を出すのがいい。

◯九段理江/Beauticide
バレエダンスに通う女の子と先生の話。
まさに美についてのストーリー。
女性ならではの描写が光る。
めちゃくちゃ舞台が現代だから新鮮な気持ちで読めた。

◎山口未桜/美しい家族
短いのに起承転結がはっきりあって読み応えがある。
警察2人が主人公なのに全然自力で真相にたどり着けてないのもなんか新鮮。
キツネにつままれたようなオチでハッとした。

〇井上先斗/ヴィンテージ
古着屋の飛んだバイトを探すという珍しいプロット。
簡単に見つかるもののその裏に隠れたストーリーがホロ苦い。
自尊心を守るためにいろいろやってしまうところは山月記に似たようなものを感じた。

◎芦沢央/父の輪郭
物が多い家に住んでいるから直美の父の言葉がめちゃくちゃ刺さる。
自分の把握できないものをもつと自分の輪郭が分からなくなるっていうのは分かる気がするなあ。
でも捨てるために物を増やす人と結婚したのかもと思うとなかなかなアレな人だな。
補い合っているといえば聞こえはいいけど。
両親が死んでいるから確かめようかないけどその宙ぶらりん感のある結末もよかった。

◯大前粟生/いつになったら大人になれる?
見た目を気にしてうじうじしていたが着ぐるみに入って違うペルソナをまとうことでなんとなく前向きになれるストーリー。
金指さんを疎ましく思う一方でこんなに気にしなくてもいいのは羨ましいだけどこうなりたくはないみたいな葛藤がよかった。
あと擬音が独特のセンスを感じる。

〇柏井 壽 / 檜扇
続き物ぽいけどまあ入り込めた。
母親の月命日に母親のリクエストがあったものを作って食べる話。
何回も思い出話やめてねといいつつモウ違う話はできないからという返しがなかなかくるものがある。
でも料理はめちゃくちゃおいしそうだったなあ。

◎夏夜米子 / 旬
ピアニストの女の人と芸術家を目指してなれなかった男の話。
いきなり右手が送られてきてホラーなのかと思ったけどそんなことはなこった。
終わってしまったあの頃とその残滓でなんとかやっている切なさが染みる。
時間を取り戻そうとしてももう遅い。
もう二度と交わることのない二人の未来にほろ苦さを感じる。

〇村崎キコ / simeoウイルス
顔がシメオというおじさん俳優になってしまうウイルスが蔓延した世界。
すごい設定だけど顔ってみんなと同じになってしまえばそれはそれで慣れてしまうのかな。
あと声とかは変わらないのかなとか色々考えてしまった。
目に見える美しさとは一体なんだろうと考えさせられた。

〇金子玲介/ ハッピーエンドの小説
ハッピーなのかと気になりながら読んだ。
いい意味ですっきりするオチがなくて裏切られた。
主人公の心理描写がよくて、でもなんかイカれたような感じもして不思議な読後感。

◯貴志祐介 / 天国への13階段
こんなバカミスみたいなのも書けるのかという驚き。バカミスを書かされる作家の話なんだけど登場人物の名前のふざけ方とかフランスかぶれの刑事が出てくるからそれに引っ張られる形で地の文もカメラのド・アップ、ド・タマをかち割るとか変なところにド・が入っててワロタ。

◯八木詠美 / 家になった男
若い建築家Hに嫉妬する老年の建築家Jの話。
なんやかんやあってHの家に侵入するところから予想外の展開に舌を巻いた。
途中からもしや、という予感はあったけどこんな形で伏線回収されるとは。

◎佐原ひかり / 魔法の咲く丘
教科書に載ってそうな柔らかな文体でスラスラ読める。でもシホの心理描写とかシホから見た大人がどう見えるのか繊細に描かれててめちゃ良かった。

◎遠田潤子 / 少女は椅子に座っている
また叙述トリックに引っかかってしまった。
母に逆らえず義妹を救えなかった罪悪感と結ばれぬことは決してない同性の想い人を抱えている主人公の話。ホラー風味もあってワクワクした。

✕井上真偽、間宮改衣、児玉雨子、蝉谷めぐ実

0
2026年02月28日
星のみの評価 8件

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