あらすじ
ルージンの卑劣な工作により窮地に立たされたソーニャ。ラスコーリニコフは彼女を弁護し、その後ついに自分の犯した罪を告白する。苦しみによって自分をあがなうことを訴えるソーニャの言葉に、ラスコーリニコフの中で何かが目覚める。「もしかすると、ぼくはまだ人間で、しらみではないのかもしれない…」(全3冊完結)
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Posted by ブクログ
就活をしながらダラダラと読み終わった。
あまり、タイミングが良くなかったかもしれない。
罪を犯したが未だ罰せられずにいる主人公は、罪が露見する恐怖や、後ろめたさから生じる孤独感に苛まれる。
彼が許されざる犯罪を行った理由は、自分や家族が置かれた環境を変えること、そして彼の理論を実証することにあった。
極貧の中で精神を病み、流行思想にかぶれた彼はついに強盗殺人を実行し、偶然にも成功させてしまう。
彼は罪を贖うことで恐怖や孤独から解放されたいと感じ、自分が犯人であることを仄めかすような行動を取り始める。
しかし、彼は自分の理論の正しさを示すため、そして「人間」であろうとするために何度もその欲求に抗う。
かつて優秀な学生だった彼は、ナポレオンのように非凡な「人間」は、全人類の利益のために「しらみ」たちを殺しても、良心の呵責を感じない権利を持つと考えていたのだった。
だが、彼の目論見は外れた。
罪を犯してから少し経った頃、彼は自首をする。
牢獄の中で彼は、良心の壁を踏み越えることができなかったことや、自殺よりも自首を選んだことに苦しめられる。
生きながらえたところで、未だ理論を諦め切れない彼にとって、殺人は罪ではなく一種の試みであり、優秀で傲慢な彼は今後の「しらみ」の人生に意味を見出すことはまだできなかった。
しかし、、、
ロシア文学は長くて退屈なイメージがあったが、なかなか面白かった。
今後もドストエフスキーは読み進めていきたいと思う。
贖罪は思考の産物ではなく愛から生まれてくる。
人生に意味をもたらすものは無上の愛である。
人生に意味を見出すことで人は罪を悔いることができるのだ。
Posted by ブクログ
主人公にかなり感情移入していたので救いがある終わり方でよかった。最後の短い部分ではあるが刑務所の中での主人公の変化は読んでいて安心?できる。
Posted by ブクログ
読み終わって、朗読CDで内容がかなり省略されていたことに気づきました。ただ、裁判でもあれほど多くの人に弁護してもらっていたのを見ると、ラスコーリニコフは決して救いようのないほど不幸というわけではないと思います。いつか再読したい作品です。
Posted by ブクログ
ドストエフスキーを読まずして読書家は語れないという思いから、約3000円近くかけて購入したが、購入してからおよそ1年が過ぎてしまった。今回一念発起して読んだが、もっと早く読みたかったという思いが強い。ロシア文学というものを人生で初めて味わい、そのユニークさに触れたことで、人の罪、犯罪とは何なのかを深く考えさせられる内容に自分の精神的成長を感じる。ドストエフスキーの集大成はカラマーゾフの兄弟らしいので、いつか挑戦したい。