あらすじ
★★★祝・W1位!!★★★
日本最大級のミステリランキング、『このミステリーがすごい! 2023年版』(宝島社)、『ミステリが読みたい! 2023年版』(ハヤカワミステリマガジン2023年1月号)国内篇で驚異の2冠!!
これを読まねば、“旬”のミステリーは語れない!
◎第167回直木賞候補作◎
◎各書評で大絶賛!!◎
☆☆☆
東京中に爆弾。怪物級ミステリ-!
自称・スズキタゴサク。
取調室に捕らわれた冴えない男が、
突如「十時に爆発があります」と予言した。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。
爆破は三度、続くと言う。
ただの“霊感”だと嘯くタゴサクに、
警視庁特殊犯係の類家は情報を引き出すべく知能戦を挑む。
炎上する東京。拡散する悪意を前に、正義は守れるか。
【業界、震撼!】
著者の集大成とも言うべき衝撃の爆弾サスペンスにしてミステリの爆弾。取扱注意。
ーー大森望(書評家)
この作家は自身の最高傑作をどこまで更新してゆくのだろうか。
ーー千街晶之(書評家)
登場人物の個々の物語であると同時に、正体の見えない集団というもののありようを描いた力作だ。
ーー瀧井朝世(ライター)
この作品を読むことで自分の悪意の総量がわかってしまう。
ーー櫻井美怜(成田本店みなと高台店)
爆風に備えよ。呉勝浩が正義を吹き飛ばす。
ーー本間悠(うなぎBOOKS)
自分はどちらの「誰か」になるのだろう。
ーー山田麻紀子(書泉ブックタワー)
※電子版には特典として、『法廷占拠 爆弾2』の「試し読み増量版」を収録しています。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
作中の終盤でタゴサクが事件を起こした動機としてプロファイルされた「まあいいや」と「もういいや」の言葉の対比は背中に冷水を掛けられるようなゾッとした感覚を覚えた。
多くの人々は社会の中で生きるために「まあいいや」と不満・不平・理不尽に対して折り合いをつけているだろう。だが、それは謂わば我慢しているということに他ならない。人によって器の大きさは違われど、一度そこから溢れ出せば誰しもが「もういいや」と社会の中で生きることを諦め、タゴサクと成りうるのだという当たり前で、目を背けていた事実を眼前に突きつけられたからだ。
Posted by ブクログ
とにかくスズキタゴサクがかっこよすぎる。汚い貧相な人間として描かれているのに台詞回しが本当にいやらしい、屁理屈で納得させるのがうまい。辰馬たちをあたかも翻弄してきたかのようにずっと思わせておいて真相は全然違う。
前半のタゴサクが永遠に話しているのが面白すぎたのに、後半は少し静かになるのが寂しくて、読むスピードが落ちたけど、類家がどんどん爆発してきて、他のキャラクターも生きてきて、、全員の心の闇を引っ張り出しつつ、ギリギリ前向きになっている。
敵役として素晴らしい、ずっと読んでいたい会話劇だった。クイズの出し方も秀逸だし、周りがそのクイズに集中する様子、普通に考えればクイズを聞く必要なんてないはずなのに、自然とクイズを解かなければならない雰囲気にしているのがほんとにかっこいい。
最後の爆弾が見つからないところも後を残す感じで好き。爆弾2も読もう。
Posted by ブクログ
最後の、女の子が老人を助けてたとわかったシーンで泣いた。
SNSに投稿するためにスマホを向けたのかと思ったがそうじゃなかったことに、自分を恥じた。
世間に対して問いかける内容の小説だった。
映画もあわせて最高です。
Posted by ブクログ
上司にすすめられて読んだ。
絶対に一気読みすべしだ。今回は爆弾犯が刑事より上手だったということか。
人の命の重さは同じ、と皆言うけど、本当にそういう場面が訪れてもそう言える???
人はいろんなところで無意識的に優劣をつけてる。
これまでもこれからも、タゴサクは生まれるべくして生まれていくのだろうと思った。ただ、それを妨げるのも進ませるのも、人間。
私にできることって何なんだろうか。
Posted by ブクログ
ガッツリネタバレの感想です。
「爆発しても、べつによくないですか?」
スズキタゴサクはいわゆる無敵の人を描いている。無敵の人、秋葉原…どうしても秋葉原無差別殺傷事件が頭をよぎる。あのころ私は何を思っていただろう。自分の近くではないから関係ない、無差別ならしょうがない、運が悪かったと感じていた。新情報が報道されるのを今か今かと楽しみにしていた。
登場人物のほとんどが何かしらの黒い感情を抱く場面があったが、みな踏みとどまることができた。
もし私が黒い感情に襲われ、自由に使ってよい爆弾を手にした時、踏みとどまることができるだろうか。私もタゴサクと変わらないのではないか。
仲間だと思っていた人に爆弾魔の肩代わりをしてくれと頼まれたらそりゃあ裏切られた気分になるだろう。気持ちはわからなくもない。
タゴサクの「もういいや」が芥川龍之介 著 羅生門に出てくる「きっと、そうか」に似ていると感じた。
タゴサクの行いは悪だが、私がそれを糾弾できるかは胸を張って言うことはできないだろう。
じわじわと心を抉る心理戦が面白かった。
続編があるので気持ちが落ち着いたら読んでみたい。
Posted by ブクログ
映画が面白かったので、原作も読んでみたくなった。
それぞれの登場人物の内面や思考が描かれていて、映画とは違うものとして面白かった。
スズキタゴサクも勿論だけど、類家の視点での描写はない分、より類家の不気味さも増している気がする。
刻々と変わる状況と心理
映画化もされた話題作。
映画館では観ないだろうけれど、内容を知りたくて読み始めました。
犯人のビジュアルは映像とは違うなぁ、というのが最初に感じたこと。
そんなのんびりした感想の後は、刻々と変わっていく状況に引き込まれていました。
ある時は取調官に、ある時は捜査員に、そして…
犯人が関わった人達になって、犯人と対峙しながら事件は進んでいきました。
一応の決着をみて終わりますが、そのまま…
続編読みます。
映画より原作が上!
2025年12月読了。
原作未読のままで映画を観たのたが、これだけの原作量に対して、圧倒的に尺(時間)が足りなかったため、山田くんのセリフが終盤へ向かうにつれて早口言葉のように速く成ってしまい、正直ストーリーに付いていくのが精一杯な感じで終幕となり、消化不良感満載で原作を読み始めた。
やはり謎解きのロジックはゆっくり分かりやすく説明してもらわないと「???」の連続に成ってしまう。その点でせっかく好演していた佐藤二朗の役どころがよく見えていなかったのが、原作を読んで非常に腑に落ちた感があった。
とは言え、原作にも全く瑕疵が無いとは言えない。山田くんが扮した類家の推理は、仮定や拠り所の薄い土台で論理展開しているので「仮に…、仮に…、」が多く、結果的にそれが当たりと成る辺りは、若干の都合の良さも感じてしまった。
但し、それを差し引いても、犯罪者の独白から始まる序盤の展開の薄気味悪さと、それに対峙する警察との攻防は素晴らしいものだと思う。そして奇抜なストーリー展開は他の追随を許さないリーダビリティも相俟って、極上のミステリーを読めたことに心から敬服する。
そして、この小説には続きがあるので、順次追いかけていきたいと思う。
Posted by ブクログ
常に心臓を掴まれているような緊張感があった。タゴサクと類家の互いに一歩も譲らない頭脳バトルが面白い。
特に「心の形」についての場面が印象的だった。本当に人の命は平等なのか。口では平等だと言えても、実際に二つの命が天秤にかけられたとき、人は優劣をつけてしまう。そこに人間のどうしようもなさを感じた。
また、事件現場で自慰行為を繰り返す刑事に対し、世間が強い批判を向ける場面も印象に残っている。多くの人が彼を「人として道を外れている」と評価した中、等々力の「わからなくもない」という言葉には、自分もどこか共感した。
「自分は真っ当な人間である」「罪を犯さない」と思っていても、一歩間違えれば人の道を外れ、簡単に落ちてしまうのかもしれない。全体を通して、人間の危うさや脆さを強く感じた。