あらすじ
カランバスに新たな竜が飛来……と思ったのも束の間、なんとその竜は卵をディドウスの巣に置いて去ってしまった。みんなが呆気にとられているあいだに件の卵はひび割れ、中から赤ん坊の竜が顔を出す。なんとディドウスは〈托卵〉されたのだ! 予想もしない事態に老竜もカランバスの医師団も大慌て。なにせカランバスの医師団は記録にあるかぎり老竜しか診ておらず、幼竜については素人同然。この事態に真の竜の主治医たるニーナ氏が手をこまねいているはずもなく、竜ノ目をもつリョウと天才レオも巻きこまれていく……。大人気シリーズ第3弾。/【目次】プロローグ/カルテ7 奇跡の卵と、竜の咳/カルテ8 奇跡の翼と、竜の耳/カルテ9 奇跡の記録と、竜の牙/解説=三村美衣
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Posted by ブクログ
とにかく幼竜チューダが可愛い。それに尽きる。
大人の竜と子供の竜の違い、それによる診療の難しさ、といった、これまでのファンタジー作品では光を当てられないような角度から物語が描かれており、ストーリーは当然面白いことに加えて興味深く読んだ。
Posted by ブクログ
2作目の読書から間が空いた。托卵という形で、赤ちゃんドラゴンが長老ドラゴンの扶養に入ったことで巻き起こるトラブル、面白く読めた。二重卵からくる障害を今後どうしていくのか困難な問題も残るけど、医療系ドラマとして味があるし、根底には明るさがあるので、安心して読んでいける。6巻までは確実に出るようで、そのうちAudibleに移るかもだけどしっかり読んでいきたい。
Posted by ブクログ
若い竜がやってきたと思ったら、ディドウスの元に卵を置いて飛び去りました。
老竜ディドウスが子育てです。
赤ちゃん竜のチューダはおてんば娘で周りが大変です。
なんとチューダの片方の翼の関節が外れていることが発覚します。
子竜の医術に精通する医師がいないカランバスで治療が出来るのかどうか…。
赤ちゃん竜のチューダがかわいいです。リョウと意思疎通も出来ていそうな気がします。
続きが楽しみです。
Posted by ブクログ
途中までは主人公たちと共に赤ん坊のチューダの可愛らしさを愛でるばかりで、飛べない竜を厭う人たちの考えがさっぱり分からなかったけれど、
ナスターシャの生い立ちが明かされることで、患者本人の健康とは別に、社会的な理由で疎まれる障害や疾患の存在に気付かされる。
ある種資源と捉えられている竜が機能不全であると分かった場合、人類が竜をどう見るかという視点を通して、現実の人間社会でも幸福な出産ばかりでないことを確かに思い出させられ、
そして、これまで描かれてきたディドウスの性格や、<竜は愛の生きもの>という設定を通して提示される、「悠久なる竜と同じように、万物を迷いなく愛せたなら」という思いに目頭が熱くなりました。
「新生児障がい告知」の記述に関しては、医療者に求められる責務の重さと多様性に改めて頭が下がる思いでした。