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Posted by ブクログ
これはすごい…天才の所業。レーエンデ国物語っていつも分厚いなァと思うんですけど2日で読み切った。「正義はひとつではない。人間が唱える正義は立場によって異なる。数多の正義が潰し合うことなく同時に存在すること。それこそが平和の象徴なのかもしれない。」って文章が出てくるんですけど…正義vs正義って切ないよね…涙
昨今の各地での戦争がまさにこれじゃん…
でもってステファノって最初きっとなんかやらかすんだろうなァって思ってたんですけど、結局自分では何もやらかしてないのに何もかもが可哀想すぎる。トリスタンに匹敵する可哀想さ。正義感ブルーノ大好き。
あと前作までは「名前を言ってはいけないあの人」ばりにひた隠しにされてた神の御子の名前あっさり出てきてウケた笑
神の御子の鍵はベイビーブルーノが持ってるんだろうなァ〜〜〜続き早よ!
夜明け前の闇が一番濃い
まさに夜明け前の苛烈さ。志を同じくする兄弟にも関わらず、正義が異なり行く道が異なってしまう。その悲しみ。これまでの伏線が少しずつ回収されてきた面白さ。最後まで読み切りたい意欲が高まる。
Posted by ブクログ
夜明け前がもっとも暗い。。その通りだった。レオナルドとルクレツィア、レーエンデに対する思いは、同じなのに、違う道を歩む2人。切ないけれど、2人がレーエンデを思ってとった行動が最終巻で報われてほしい。立ち上がれレーエンデ!レーエンデに自由を!
ファンタジーの世界に、どっぷりと浸って、読書を楽しむことができる素敵な作品。最終巻がとっても楽しみです。
Posted by ブクログ
シリーズ4作目に入り、
技術と産業の革新が進み、銃が蔓延る時代へと進んでいます。
今作の主人公は、聖イジョルニ帝国名家出身のレオナルドと、
とあるきっかけで現れた腹違いの妹、ルクレツィア。
かつて自由だった頃のレーエンデの面影はなく、
抵抗もせず、帝国に理不尽に飼われるだけのレーエンデ人たち。
名家出身でありながら、その格差に異議を唱え、
彼らに再び矜持を取り戻すため、奔走するレオナルドの苦悩と葛藤が
よく伝わってきます。
今作には「正義」という言葉が度々出てきます。
多種多様な「正義」は、見方によっては善にも悪にも転じ、
その信念がぶつかり合う様は生々しく、残酷に描かれています。
そして過去3作を読んできた者としては、
不可解だったことや、真実にも明かされ、ようやく点と点が一つの線に
つながった爽快感もあります。まさに、核心をついた一作です。
今作もやっぱり苦しい!(笑)
特に家族愛に弱いので、胸が締め付けられながら、泣きながら読みました。
キャッチコピーの「夜明け前が一番暗い」「あなたを愛しています」。
読み終えた後、そのフレーズが持つ意味が身にしみる‥鳥肌が立ちます。
次巻はいよいよ完結。
寂しい気持ちもありますが、この行く末は見届けたいですね。
Posted by ブクログ
レーエンデ国物語は一度読み出すと止められなくなる。4巻も一気に駆け抜けてしまった。
ヤバネカラスの銀天使が神の御子のそばにいる所で涙が出そうになった。
Posted by ブクログ
あの日、銀夢草の煙が充満するなか、机にかじりついて書き上げた一冊の本が灯した革命の火は、同じ部屋でついには皇帝の胸を貫く弾丸になったーー。
物語の一番盛り上がる場面、そこを読んだ時ふとこう思った。抑えつけられるたびに、裏切られるたびに、何度も消えそうになりながら、歴史の転換点で過去の英雄の意志を継いだ主人公たちが紡いできた革命の心は、とうとうここまでやってきたのだ。
と、同時に、これは決してレーエンデ人だけの手で培われたものではないのだと思う。かつて彼の地を侵略したイジョルニ人からも、ルーチェやルクレツィアのような人物が出て、足をおろしたレーエンデという地に歴史に愛着を持ったからこそ、レーエンデ国物語はここまでやってこれたのだと思う。
ルクレツィアの儚い恋、レオナルドの信念と愛情の衝突。いろんな想いがよぎったけれど、きっと兄妹は最期まで互いを愛していた。まさに帯のとおりだったのだろう。
過去作の出来事も今回は今まで以上に関わってきていて、ずっとこのシリーズを追いかけてきた者としてはすごく嬉しいサプライズでした。
物語はいよいよ終幕へ。テッサの武器を抜く者、青の独立宣言……。散りばめられていた伏線がやっと歴史に合流する。個人的には合衆国のことも触れてくれたら嬉しいなぁと思います。ユリアが、ふたたびレーエンデへ。エールデとトリスタンと三人で相まみえることを願って。
Posted by ブクログ
面白かった!
レオナルドとルクレツィアが中盤にかけて段々と心の距離を縮めていくのが微笑ましかった分、後半の展開はなかなかえぐいものがありました。
こちらの作者、いつも思うんですが想い合う2人を引き裂くのがとっても上手。
悪女の道を邁進するルクレツィアには、いっそ清々しいものを感じました。
個人的には1巻で出てきたトリスタンが銀天使となって御子をずっと励まし続けてきた事実に胸が熱くなりました。
2人によって弱体化させられたレーエンデがどうなるのか、次巻が楽しみです。
Posted by ブクログ
レーエンデ国物語4作目。
レーエンデの未来のため、兄レオナルドと妹ルクレツィアはそれぞれの役割を全うする。
これまでの話で謎だったところや解釈を間違っていたところが解き明かされ、すっきりした。
特にルチアーノ!!驚いた!!
レーエンデを救うためとはいえ、ルクレツィアが冷血の魔女となりレーエンデを蹂躙していく様は読んでいて辛かった。
冒頭を読んだ時点で分かっていたけど、最後はやっぱり悲しい、切ない…。
2人が守ったレーエンデ、革命がどのような結末を迎えるのか次作を楽しみに待とうと思う。
✎︎____________
俺はレーエンデを愛している。この心臓に手を置いて誓う。これからもレーエンデを愛すると。永遠に変わることなく、レーエンデ人の善き隣人であり続けると。(P55)
失敗を恐れてたらなンも出来ねぇ。やりたいことがあるンならグダグダ言わずに突っ走れ。人の目なんか気にすンな。お前がやりたいようにやれ。(P129)
どんな理由があろうとも、人命を奪うことに正義はない(P403)
正義っていうのは欲望を粉飾するための方便だよ。十人いれば十通りの正義がある。正義を突き通すって言えば格好いいけど、それは他の正義をねじ伏せるってこと。最後に残った正義はもっとも強いというだけで、正しいとは限らないんだよ(P417)
自由は強制されるものじゃない。与えられるものでもない。自分の足で立ち上がり、自分の手で勝ち取らなければ、本来の意味を失ってしまうものなんだ(P437)
誰かにとっての正しさは、誰かにとっての悪になる。絶対悪である人殺しですら、場合によっては正義になる。(P529)
正義はひとつではない。人間が唱える正義は立場によって異なる。数多の正義が潰し合うことなく同時に存在すること。それこそが平和の証明なのかもしれない。(P566)
Posted by ブクログ
本作後半で何度も出てくる多様な「正義」という表現はルクレツィアをダブル主人公として際立たせるためなのか、それともそれが作者の言いたいことがそうなのか?
ルクレツィアがした事は悪であり、彼女自身もそれを自覚していたにも関わらずそれを正義と表現するのはどうなのか?
彼女自身が自分を正当化するために正義と宣うならまだしもそれを作品として多様な正義の1つとして表現することはどうなのか?
現実世界で行われる大虐殺行為や犯罪行為も加害側には加害側の理論に則った正義があるからあれを正義と呼び、正しさは人それぞれと正しさの基準をあちこちに投げ捨ててしまうのか?
その解の1つとしてはビョルンの「普遍的な正しさは、僕ら人間には荷が重すぎるね」ということになるんだろう。
そしておそらく普遍的な正しさとはレイルの学生が示した非暴力と反差別だろうが、それを貫くことの難しさがレイルの大虐殺事件なのだろうと思う。
結局無辜の民には決定的な力はなく、レオナルドという特権階級の良心が象徴とならなければ動き出す切欠にはなれないというのはなんとも言えない。またレーエンデ人から革命児を出してもテッサの二番煎じだから役回りの設定として、物語として革命を描くためにはレオナルドというキャラクターが必要なんだろう。
全体的には面白いし、考えさせられる部分もあるが、正義は人それぞれという表現や敢えて悪役を女キャラに負わせる手法など、やはり垢抜けきらない部分があるなと感じてしまう。期待しすぎなだけかもしれないけど。
個人的にはテッサとレオナルドの役回りが逆転してもそれはそれで面白かったかもと思う。革命に失敗した特権階級の良心的な青年と彼の意志を継ぎ革命の切欠となった被差別部落の少女。
物語も佳境に近づき、泥臭い人間同士の革命が大半を占めているシリーズの中で、最終的にファンタジー要素の強い神の御子が創り出す新しい世界とはどういうものか、それがこの物語の1つの大切な終着点であると思うので、そこも含めて最終巻は楽しみにしてる。
Posted by ブクログ
ペスタロッチ家のヴァスコっていう、凶暴な魔物みたいなオッサンが居て、第八代法皇帝になる。
そいつはロリコンで美女見つけて誘拐してきて、美女の婚約者惨殺して、子供を産ませた。
その子供がルクレツィアで城で飼ってたが、五歳で大人以上に博識。ヴァスコが嫌って足を折って窓から捨てて、ペスタロッチの本邸に押し付ける。
本邸では、正義感の塊のレオナルドと、その従者になるブルーノ、レオナルドのいとこに当たるステファノと一緒に暮らす。
レオナルドはレーエンデが虐げられているのはおかしいと考えて、色々やる。
同じ賃金で働かせたり、教育したり。
ルクレツィアとレオナルドは、ルクレツィアの母親の死によりシャイア城に戻った時に、エールデを見る。ルクレツィアはエールデに願ってヴァスコを潰す。
代わりにルクレツィアが政権を握るが、レーエンデを救うためにはレーエンデをボッコボコにするしかないってことでボッコボコにする。
ついでに周りの四大名家も、邪魔そうなのは潰す。しかも次期皇帝に無能でゆるふわなステファノにする。
で、ルクレツィアが全権を担って完璧状態のところでレオナルドに殺害してもらう。ということで、レーエンデは大混乱になった。