あらすじ
小雪が舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、傷だらけの侍がたどり着いた。貧しさゆえ南部藩を脱藩し、壬生浪(みぶろ)と蔑称された新選組の隊士になった、吉村貫一郎であった。その剣の冴えは“人斬り貫一”と京の都で恐れられ、一方、極度の倹約のため守銭奴と蔑まれた男には、まったく異なる貌もあった。元新選組隊士や教え子たちが語る非業の隊士の生涯から、血なまぐさい時代にひとすじに生きた「誠」の人生が浮びあがる。03年映画公開。浅田次郎、渾身の名作!
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Posted by ブクログ
時代小説を読んでみたいと思い、評判の良さそうなこの本を選択した。時代小説に慣れていないので、前半はなかなか集中できなかった。貫一郎のすっとぼけたところはおかしかった。
近藤勇が鉄砲で撃たれたところも笑いを誘った。
妻が自殺しようとするところは涙が出た。
こんなにも感情を揺さぶる小説に出会えて良かった。
Posted by ブクログ
新撰組のことは知っているけれど、吉村貫一郎という人物のことは知らず読み始めた。
初めの方では守銭奴、剣豪でかつ学もあり脱藩し、妻子のために遠く離れて稼ぎ…というイメージ。
彼に対してはそれだけの印象だったのが、関係各者へのインタビューが進むにつれ、彼の人となりが少しずつ解ってくる。
そして、吉村貫一郎への情も少しずつ深まってきたところで、下巻へ続く。
これからどう語られていくのか、凄く楽しみになってきた。
吉村貫一郎の生き様に、惚れつつある。