あらすじ
未知の大陸に渡ったジグたちもすっかりこの土地に馴染み、
血と剣戟に溢れた平和な日々を過ごしていた。
シアーシャが臨時の冒険者パーティーに加入することになり、護衛仕事を一時離れることになったジグ。
この時間を有効活用しようと考えていた矢先、激闘の末知人となった二等級冒険者のイサナから、
子供誘拐事件の捜査に協力して欲しいと頼まれる。
事件捜査など管轄外の依頼だが、そこは報酬が合えば何でも受ける傭兵。
ジグは自身が培ってきた裏稼業の知見を駆使して、事件解決に動き出すのだった。
web小説発、圧倒的支持を受ける本格ファンタジー待望の続刊!!
読みやすく読み応えもある、ちょっとライトなハードファンタジー。
依頼をこなす為なら殺しも厭わない、金次第でどんな仕事も引き受ける孤高の傭兵・ジグ。
災いをもたらす存在として、人々から忌み嫌われ住処を追われる孤独な魔女・シアーシャ。
ひょんなことで出会った異色コンビが、誰も知らない異大陸を目指すことにはじまり、様々な騒動に巻き込まれたり起こしたりするお話。
王道のハイファンタジーと異世界転生ものをあわせたような作風で、重厚感がありつつとっつきやすさもあり、シリアスと思いきやコミカルさもある、なんとも独特の味わいのある文体がGOOD。
妙に著者のこだわりを感じる白熱のバトルシーン、無骨なジグと常識に疎いシアーシャのちょっとしたやりとりの微笑ましさも推しポイント。
王道ファンタジー好き、異世界転生もの好き、そしてバディもの好きな方にもおすすめの一作。
感情タグBEST3
匿名
最近魔女様がヤンデレになってきているような気がする今日この頃。
クランへの殴り込みには戦闘で魅せられ、後始末は魔女様が綺麗に締めてくれます(笑)
今後この2人がどういう関係を辿るのかが楽しみです。
スカッとする展開でした
シアーシャが冒険者稼業に奮闘する中、ジグの活躍を終始楽しめましたね。襲撃者と誤解されたジグは武器なしで冒険者集団と対峙しますが、傭兵として鍛え上げた身体能力で相手を翻弄する姿は爽快そのもの。常在戦場が空気のようになったジグだからこそ、彼とまともにやり合えるのはイサナのような高位冒険者なのでしょう。終盤、人違いの原因となった殺人狂の元冒険者との戦いでは、ジグが弱者を踏み潰す事に快楽を感じるその男に対し因果応報を知らしめる圧倒ぶりで、ちょっとした勧善懲悪な感じでした。
安定して面白い
一巻が面白かったなら、2巻も十分楽しめるでしょう。
ジグのあり方や力に心奪われたものと、恐怖を抱くもの。色々な縁が生まれては消えていく。
シアーシャも1つ成長しそうですし、3巻も楽しみですね。
Posted by ブクログ
KU。
超法規的かえる氏による『魔女と傭兵』第2巻は、硬派な筆致と静かな情熱に満ちたファンタジー作品である。前巻で描かれた対魔獣戦を経て、今巻では「対人」を軸とした、より複雑かつ心理的な衝突が展開されており、物語の深みが一層増している。
舞台は未知の大陸。そこで交差するのは、人間の欲望、恐れ、そして理屈では割り切れない信念だ。そんな中、孤高の傭兵ジグは常に己を律し、静かな威厳をもって物語を牽引する。一方、忌避され続けてきた魔女シアーシャにも、確かな内的変化が感じられ、二人の関係性には静謐ながらも確かな温度が宿っている。
派手な感情のぶつかり合いではなく、言葉少ななやり取りの中ににじむ信頼と孤独。それを丹念に描き切る筆致には、作者の手堅い技量がうかがえる。硬質な世界観の中に、どこか人間らしい優しさが差し込む本作は、大人の読者にも響くものがあるだろう。次巻を待つ楽しみが、静かに胸に残る一冊である。