あらすじ
日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは? 言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。
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Posted by ブクログ
我が家の子どもたちにも、タケテ⇔マルマの比較や、今井教授の考案された実験をしてみましたが、同じ結果が出ました。すごい!
著者の今井教授は発達心理学、秋田准教授は言語学の観点から執筆されており、二分野が渾然一体と混ざった他にない視点の本となっているように思いました。だいたい共著というと二者で各章それぞれを担当するものだけど、本書はどうやって執筆したのだろう。意見の相違とか、文体の不一致とかなかったのかなあなんて考えてしまった。
それは置いておいて、人間が言葉を獲得したのは論理的に正しくないアブダクション推論のためというのは非常に面白かった。言語を持たない動物はアブダクション推論ができない、というかあえてしない、とカッコ書きで配慮?しているのも趣深かった。他の動物かつ生成AIからしたら、ヒトって早とちりしまくりの勘違い生物かもしれない。