あらすじ
一九三〇年,日本統治時代の台湾に生まれた蔡焜霖(ルビ:さいこんりん)は,読書が好きな少年で,教育者になることを夢見て育った.戦争の色濃い時代は日本の敗戦で終わったが,戦後は国民党政権による新たな支配が始まり,ある日,町役場で働く焜霖のもとへ憲兵が訪ねてきて…….白色テロの深い傷を描いた台湾の傑作歴史コミック,第一巻.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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Posted by ブクログ
これは名作…!!版画調の漫画が芸術的。
台中生まれの蔡焜霖の半生記、日本統治時代編。3歳の頃〜第二次世界大戦後、白色テロ時代に政治犯として投獄されるまで。
個人の人生を通して激動の台湾現代史が理解できて勉強になる。台湾語、日本語、国語(台湾華語)の三つの言葉が入り混じり、漫画の中でもフォントの違いと口調の違いとして表現されてる。それぞれの言葉が、アイデンティティの形成にそれぞれ影響してる世界観が伝わってくる。
兄の蔡焜燦は、奈良の飛行学校に合格して日本へ。司馬遼太郎の「街道をゆく 台湾紀行」に登場してる。
蔡焜霖のトレードマークはメガネ。最初に買った場所は台中の宮原眼科!
時代柄、「悲情城市」の映画を思い出すシーンも多々あった。(この本は台中が舞台だから、空襲や二二八事件の余波は台北の方が大きかったのかも知れないけど)
第二次世界大戦後、日本の植民統治から中国に復帰するんだ!と期待していたのに、中国国民党政権は、共産党との戦いの中で、台湾の人たちに弾圧を加えるようになりインフレがおこり、密告が蔓延り、日本統治下よりも悪い時代が来てしまった。そして、日本語と台湾語で学んでいた生徒たちは、国語(中国語)を新たに勉強しないと自分の名前も発音できないし、偉い人の講和も通訳官がいないと何言ってるかわからない。すごい時代の転換点だ…