あらすじ
佑河樹里(ゆかわ・じゅり)は失業中の28歳。家では父・貴文(たかふみ)と兄・翼(つばさ)、じいさん三代のダメ男がヒマを持て余している。ある日、甥・真(まこと)が翼とともに誘拐される。身の代金を渡す期限に間に合わなくなった時、じいさんは佑河家に代々伝わるという「止界術」を使い、世界を“止めた”。 だがあり得ないことに、救出に向かった先で樹里たちは自分たち以外の“動く”人間に襲撃される。そしてパニックの中、異形の存在「管理人」が現れ…
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
現実的な窮地を漫画的な力で脱出する導入も十分に面白いが、その無敵感、安堵感があっさり崩れるチンピラがゾロゾロ入ってくる2話のシーンは非凡。ここは混乱しながら戦慄しながら興奮する感覚だった。
ここの凄さは2つの恐怖を同時に並列させているところ。つまり、「なんでこいつら動けるんだ?」という得体の知れないものに対する恐怖とヤクザ・チンピラという現実的な脅威に対する恐怖。同じ条件であるなら主人公サイドは何の力もない(このゾロゾロ時点では)市民なわけで、その事実を知らされまた震える。例えばこれがいかにも能力者然と佐河や間島が入ってくるとかだったらここまで好きじゃなかっただろうな。
勿論この後も面白いけど世界の謎が把握できるにつれ良作くらいにはおさまっていく印象。
とはいえその中でも読者を飽きさせないようあの手この手を尽くしてる。
キャラひとりひとりの設定がうまい。雇われのチンピラたちも単なる書割の存在ではなく、各々の感情や意思がちゃんとある。
それがまた展開のアヤになっていったりする。
また主人公サイドにも頭のキレる人間はおらず、じいさんや樹里ですらミスしたり頭が回らなかったりする普通の人。これも絶妙。
始まりが唐突で意味不明なシーンがあるんだけど、あとから読み返すと細かい布石や言い方があったりしてまた楽しめる。
岩明均の影響は明らかで寄生獣や七夕の国のいろんな要素を感じさせる。
また画面感は新井英樹、人物のアップは沙村弘明や山崎さやかのように見えることもある。
Posted by ブクログ
1~8巻+300日後 2017年12月10~11日
【変な気持ち悪さ】
いきなり始まるストーリー、襲われる翼と真
なんの情報もなく進んでいき、混乱もせず、雰囲気で読んでいても理解できるので、難しくはありませんでした。
佐河の生まれかわりに誕生した『ぼく』
もちろん生まれた赤ん坊に罪はないが、気持ち悪くないのかな。平和に終わるエンディングなのだが、シコリの残る終わり方にも感じた。
・佐河は、自分の内蔵を残して何がしたかったのだろうか。生まれかわったとしても自分の考えは残るとでも考えたのか
絵で苦手に感じる方もいると思うが、
内容はかなりのめり込めるストーリーになってますので、絵だけで判断してしまうのは、勿体無いです。
Posted by ブクログ
前フリほとんど無しでいきなり「止界」での争いに巻き込まれるあたりが現代的。
おじさん達の顔が見分けつきにくい、女性が女性に見えないなど、絵に関してはまだまだのような気がします。
ただ、先の展開が見えないのでついつい手がのびてしまいます。
Posted by ブクログ
刻刻(1)
帯の伊坂幸太郎氏の文句に惹かれて購入。
時を止めることが出来る一族と、その何人かを誘拐した宗教団体・真純実愛会との攻防が一巻の物語です。
時を止めた”止界”にはルールがあり、そのルールに従わないものは異形の管理者と呼ばれる存在に追われることになります。解説のためにあるような科白が無いのは良いのですが、なかなか言葉の意味やその仕組みがわからないところは難点です。(ウィリアム・ギブスンのニューロマンサーほどではないにしても)
さて、物語はどんどん面白くなっていくのか?設定のアイデアだおれになるのか?乞うご期待といったところでしょうか?
絵があまり好みでないので、ちょっと辛めに評価をつけました。
竹蔵